手首から/せりだす骨に
 ふれる/針先の危うさのうえ――天秤は/天体をめぐる/
 ぜんまいのように/きりきりと
 自転している
 鼓膜にあいた/ちいさな穴から
 茎をのばす/花をたどれば
 ふじ棚は――香りだかく/光る/ねずみの四肢をつなぎ
 わたしは/沈黙の更紗は
 
 ひとえに/
 たそがれた命の/あまさの/苦しみの/くだる/曲線をなぞる
   それがわたしの駆けていく音だと
   無言のうちに/鳥は/影は
 指さきの/神々しさに/おびえる/
 こぼれそうなわたしに
 まぶたは
 まだ。おろされない
	
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選出作品
作品 - 20070430_003_2029p
- [佳] 解体 - やぶさか (2007-04)
 
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解体
  やぶさか