ありよ
命を守るために
おまえに与えられた毒は
そんなもので よかったのか
わたしの指先を
小さく刺しただけで
バラバラになったおまえ
おまえの不意打ちを ゆるす暇さえ
わたしに与えず
一度の嘘を
あのひとは ゆるさなかった
寂しさのなきがらになるまで
わたしに与えられた毒を
使ってはいけなかったのだ
どんな命も
そこにつながる 弱いところを持っている
その傍らに
ひかる武器がおかれているのだ
少量の毒が
おつかい
と囁くように
あなたの指先を
小さく刺しただけで
バラバラになったわたし
わたしの不意打ちを ゆるすひまさえ
あなたに与えず
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選出作品
作品 - 20061209_859_1701p
- [佳] 嘘 - fiorina (2006-12)
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嘘
fiorina