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作品 - 20060901_271_1515p

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水の瞳

  


デッサンされたあなたの瞳は
粗い鉛筆の跡が残ったまま
冷たくこちらを見つめていた

それはデジタルで不整脈を思わせ
何度も外人の声が響いては回る


細かい網目の罠は台風のごとく襲い
思い出の障害が引き起こされる


あのフィルムには確か
海を知らないイルカと
空を知らない天使が写っていた


水の流れる音が
音符に成り得ようと
している瞬間だった


わたしは震える手で
鉛筆を握り
鬱病の人魚を描き出した


水は上から下へ滴り
わたしもそれに従って息をした
命が流れた光景は
天のがわに似ていた
もう生きてはいられない


その端のほうで輝く瞳は
デッサンしたあなたの目の片方だった
わたしは見つからないように
優しく宇宙のくずになる

密かに持ち出したレッドの絵の具を
あなたの周期に加える
いつか美しい太陽が現れて
わたしを忘れて
しまわないように

文学極道

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