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作品 - 20060517_982_1265p

  • [優]   - Ar  (2006-05)

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  Ar

ふしぎに嘴を洗う水鳥のそのさきで
わたしがたわわに木になって
美味しくもぎとられる青さに
さわさわと躰をねじらせる

すこし寒くて浅い空気が
頭の中心と茂みの隙間をするするとかけてゆく
昔に使われたランプの横に廃れた回転木馬が沈黙していた

わたしはわたしの中心で母を孕み 水分のだいたいがそれを保つためにきえていったように思う

髪が波打ってみどりに沈んでゆく
水々しい肌が青く染まり 瞳がちからなく黒く鈍る
そのさき

石造りのアーチに咲き
低く飛びついばむミルクの掌 瞬きが出来ない開け放った綻びがひかる

口からプラチナの雫がぽろぽろこぼれ落ちて 照らされはしないちいさな靴のあとに 垂れていく熱のいくあて

わたしがたわわに木になって
さわさわとなじられる感触に
はねかえるあおさに
わたしは小さく呼吸する

文学極道

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