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作品 - 20060306_052_1021p

  • [佳]   - he  (2006-03)

* 著作権は各著者に帰属します。無断転載禁止。


  he

ビルを真横に倒してみたいし
燃えないごみとして集配場に置き去りにされたい
トーストに出発を垂らすと蜜雨が降って
その瞬間は世界は木製の瞬き
に変わるから僕は便所で本を読む
押し寄せる人の川で制服を着たまま泳ぐ 
ハニートーストを半分に折ればひとさし指が
汚れること以外を
三十九度五分の熱が出て声だけが
光が

包丁で切られたような僕は「あっ」とか「いっ」とか
言葉を君を地べたにそう並べている見ている
虫眼鏡を片手に行き先を四等分したのにこういう
時に限って鼻血を拭く用のティッシュをきらした
黙っていれば僕もいつかあんな風に
なってしまうんだろうか?呆れるほど青

朝日や読売や業界や
新聞を集めてくしょくしょにする
この国のことをちょっと思って直ぐに破いて燃やしたら
遠くで蟻がスキップをして僕も嬉しくなって
もと来た道をひきかえし。始める。
じりじり。
に薄くなったサンダルを燃やして。
ぼう。青く歩いて来る青い人が青白いぼう。
ひとが燃えてぼう。波をぼう。ルイセン。
ぼうっ。錆びた自転車の鍵。ぼうっ。
洗面所をビー玉で埋め尽くしているのに。ぼう。
くるま。ぼうっ。くるま。ぼうっ。スポーツカー。ぼうっ。ぼう。
ぼうっ。ハレーションを。ぼうっ。燃えるごみ。
ぼうっ。燃えない。ごみ。ぼう。
雨の日に拾った子犬の気配が気管を伝って心の奥に入ってく。
ぼうっ。僕。人種。ぼうっ。
楽しくなって
何か特別ないちにちになりそうな
薄い膜の内側から眺められているような
変な人に見られた

蛍さん
陽炎さん蟷螂さん
死ぬ牛さん
豚のような太陽と理想
意味を成さないアドリブ
ビロードのフリル
潜れない醜態
鈍い感覚をこわい
蟻さんこんにちは
ぞうさんこんにちは
チーターさん
茶封筒さん
時間と
時間の継ぎ目
影の人は
影の人に、ぼうっ
行き難い死に難い第二の希望
青い人。青くて赤くて紫の人
背中が太った人は臭い人
心が太った人。なめくじの恥ずかしさ
変わってしまうものをこわいと思った
何してんだろう。髪の毛を切った。
タクシーの朝、待っている
送り出されるごみ。なまごみ。光り。
燃えないごみ。資源ごみ。毎日、そして日常
満員電車に乗ったらみんな死んでいた

そんな夢を見たよ忘れたくなかった

文学極道

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