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作品 - 20051205_662_798p

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最初の子ども達へ

  ケムリ

ブランコを漕ぐ子の足元に
光る羽虫の大河が揺れて
彼らはひかりの中で
まぶたを失うところから生まれて来た

崩れかけたビル群の屋上で
背中のない風が群れている
無線機のコールサインを思い出せずに
ずっと落陽を続けている

目のない魚の背びれの数だけ
星と星を麻糸で繋いでいく
珊瑚のふりをして目を閉じたのは
あたたかだったときを思い出すひと達

化石になった羊歯の葉が
時計塔の丘で揺れている
地平を小さくノックしたなら
終われない子ども達の影ふみが聞こえて

羽根で泳ぐひかりの虫
子ども達を抱いて流れていく
あの子の足元に
落ちる光の交差する場所に

ひかりの果てへ 最初の子ども達と
背中のない風の群れを抱いて
まぶたのない夜に眠れ
世界はあどけなく それでもひかっている

文学極道

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