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作品 - 20051115_306_738p

* 著作権は各著者に帰属します。無断転載禁止。


ナルコレプシー

  he

(壱)

テレビは
いつも中に
ざあざあ雨を降らせて
せんせいの
少し薄くなった頭を
観葉植物が
そっと葉を差し伸べて
隠します
水のみ場の
つぼんだ
蛇口をひねり
ながら
すきっぷで
一周した先の
体育館では
バスケットシューズの声が
しんとした空間で
ひとり
思い出したように
甦り
ながあい授業の
終わりを告げる
黄色いチャイムを
学生達が
待ち侘びる音は
氷のように
すきとおっていて
静かです


(弐)

幽霊と虹が
理科室の黒い机の下
とぎすまされていて
四時限目の抽象
あざわらうかのように
水はこんこんと
みがかれた床を流れ
ていて
じんたいもけいに
見送られたその
あと
今日をまたげずに
出席簿の黒
まるの
中に吸い込まれていった
もしも、まだ
あしの
サンダルの
小さく
縁取られた
なまえが
舟を漕ぐ
眠りそうに
なっている
ああ、なんか 
もう
どうでもよくなってきたので
歌います。

文学極道

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