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作品 - 20051017_653_634p

* 著作権は各著者に帰属します。無断転載禁止。


まさゆめ

  キメラ

ガードレールしたから日輪の渇きがきこえる
大日本中央玄関から地下室の銅線は溶けず
人波の側線でゆめのひびを考えていた
逢瀬の恐怖と喚起をもたらした10月の秋風に
センテンスの膨大な夕闇と声色をしたため
黒いワンピースが視界のなか揺らめく
脳髄から瞬間にセピアはめくり挙げられ
ゆびさきが冷たさを失った

秋風の御壕 スワンが餌付けをねらっているのだろう
対照的な時間枠や波紋を散らす数枚の落葉が
水面下のこどくな屈折ににじりこんでくる
物語のように焼きつき幾度となくふきあがる
噴水イオンの涼しげ
泣き出しそうな雨を待っていた
かたから冷たさがふるえながら
まるで跨ぎの小川に無邪気の足枷
痛々しくも頼もしくひかりに流れる

真っ赤な可憐 肖像を色彩の果て
ここまで連れてきたというのか
赤い花壇遠目の天使 はねにふれながら
オレはもう始まりを覚えずにはいられない
銀座的虚構 包み始めのメロディーが
退廃ではない音律を間引いては
間隔なんてものをカタルシスに委ね
ぼろぼろだったから伝わりはしなかった
エントランスに逃げ込む愚見
下方からの吹き上げる狂叫詩は弾き
耳が囚われている 裸足のまま開かれること
変態奇知外の性行為や滅裂陶に
ステップを鳴らし 心音が空間を媒介し始めた
罪びとだったプリミティブは空白をとびこえながら
かさなる二個のへや影をあそばす 

ほんとうに弱いにんげんなのだった


大きすぎて手に負えない星のこえをきく
かなしみ
かなしかったから
丸の内が
燃えた
きみがないた 血流にあたたかで
すべてを砕き
かなわないくらいのもの

オレもう生きるのだめなんておもっていたよ
きみにあうまではずっと

文学極道

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