夜を蹴とばすバスケットシューズの痛みで
焦げた雨の匂いに避難案内が空を指してた
路上でカノンを弾く女の子は
透き通る指先に鉄のアメンボを抱いてる
爆撃機のベースラインで崩壊する街並み
窓枠から夜の虫が舞い上がっていく
神様は教会でネクタイを締めなおして
うんざりするくらい匂う焦げた夏の雨
おやすみのキスも雨の塩気で錆付いてる
三本弦のギターに止まった白い鳥
夜が明けるころ 子ども達は空へ泳ぎ始める
雲の花が咲いてる 眼球さえ溶かす色彩で
金属質の指なのに なんでそんなに優しい音なのかな
しまい忘れた夏のセーターから匂うような寂しさで
白い水面を踊る鉄の指先から 垂れるミルクの音がしてる
避難標識の指し示す方向へ 光る虫の羽根を集めて
街をミルクが満たしていく
みんな空を見ながら手を打ち鳴らした
ノイズの数だけ確かになる匂いがある
窓から伸びる手と手は繋がっていく
音が満ちて息さえも出来ない
指先は滑らかな水滴のリズムで踊り続ける
長い髪が星を射抜くように揺れて
ミルクの街は沸点さえ越えていく
鉄の味の唇に古代の蛇を這わせて
手のひらに落ちた星を飲み込んだ
願ってもいいならあの子に会いたくて
バス停でずっと待ってるイメージで
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