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作品 - 20050815_245_395p

* 著作権は各著者に帰属します。無断転載禁止。


あめのあと

  キメラ

ほんのりあまき内在にひろがり
くうかんのふちに輪舞するはもんを
凍ったひとみでいつまでもながめていた
ひるがえす そのひどくやつれた鋭角に
うらぶれる一閃のかぜ 死といわれるものやら
うっすらひとつ灯 なにかの色火がともる

亜響フィトクロム ゆめのあとにくぐらせ
暗いくらい日本歌謡オルゴールがわたしを燈籠にする

なにひとつの あかるいとしるものもなく
ゆるやかな光波の偏光 オリオンが媒介したあしもとに
ほしのかけらを砕いてとかす
とうめいがふれてくる

もしも ゆるされることがあるなら
それはきっとあなたからもたらされた
青い鳥のためいき かわされたやくそく
いくせんのしんでいったおもかげが
あのとおいような 掌にとれるその宇宙から
しんしんふらすエンジェリティーを結晶した


あいをおぼえた あめのあと
こいをうしなったまどべから
ぬれた賛歌のつぎめから
ひかり はじかれ
あふれだし
こえにならぬものがふたたび燃えあがる
 

はじめてだれかをまもりたいとおもった

あめのやんだ星欠けのテラス
あなたが あなたのこえが
わたしにはすべてだった

文学極道

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