花の名前を知らない 僕はまどろんでる
知らない歌口ずさむ君 もうすぐ坂になるから
コーヒーショップの上空七千メートル
僕はまどろんでる 君はサンダルで歩いてる
マンデリンを200グラム ポケットから千円札
笑うように枯れた日々のために
複座で眠ってた女の子のために
コックピットを開けて手を振るよ
何気ない顔して星は揺れた
手を繋いだら上空七千メートル
髪を切りすぎて泣いてた女の子のために
僕はまどろんでる もうじき街路樹が尽きるね
百円玉で紙コップのチェリービーンズ買ったね
爆撃機は高度を下げる オナモミをくっつけられた女の子のために
坂道を両手広げて サンダルを風が洗う
薄いブラウンの髪が星を射抜いて行く
僕はまどろんでる コックピットを閉めた暖かさで
複座から友達が揮発していく
君は不機嫌な顔をしてドアを開けた
カリタから人々は流れ出してく
ほらあれが火星なんだ 真昼でも見えるんだよ…
僕はタンポポの群生地に狙いを定める
まどろんだ意識が落ちる前に ドリップしすぎた痛み
君は物憂げにコーヒーを飲んでる
さあ ゆっくり墜落しよう
並木道の終わりみたいな日々のために
君は気にも留めない 僕はまどろんでる
幸せな女の子はみんな綺麗で
爆撃機はゆっくり墜落していく
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