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作品 - 20050526_425_240p

* 著作権は各著者に帰属します。無断転載禁止。


永幻の波紋

  キメラ


現実からほんの一枚渡った
終焉にはアトラクションに明け暮れ
少し足早な人々の無音
白い熱灯の口に端をくぐらせ
ひかりを柔らげた海辺の舗道
澄みわたるミント風 頬を撫でた

露摘みのテラス
頼りなく錆びた音律は
焦げ茶やら黒に浮き彫りのまま
波ひとつたてない水面の冷たさで
認識を連れ去った後のカンヴァスに
切ない火華を散らす

空中都市には宝石届かず
届かぬ彩色の建造物にまだ在った

あの日観た
夢とおりのわたしの顔


黒夜にとけ
雲海をくるくる形に変えながら
完全に同化した異星のメインアートが流れる
規格外の巨大な帆船が浮かび
鮮やかなオーロラ色の4D
氷点下のさざなみ
ハレーに跨った魔女はせわしなく
宇宙塵を光年のかなたへ吹き上げながら
平均率を奏でる

それは
ちょうどよい紫の雪に
掠めゆくしら雪の懐に
最果てから
誰彼知らず繋がれた祈り

つぎつぎ目映く
わたしを通しては
幾千の高鳴りを知らせ
悠久の銀河を瞬く永幻の波紋よ

やがてこの空に生きよう


佇みからほんの一枚渡った

夜を告げる灯台のひかりが
すこし遠浅の海にひろがる

文学極道

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