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作品 - 20050523_402_236p

  • [優]   - he  (2005-05)

* 著作権は各著者に帰属します。無断転載禁止。


  he

ヒカルは元来人間を疎ましく考える
人間の生み落とす独特の
うるさくてたまらない
優越や劣等や、未来をだ
安価なアルコールと混ぜて合わせて常々ヒカルは
飲み干してやろう、と、口実を浮遊させている
無論 独りで持つ風船だ

それは何かただの別に何ともないと決め付けて
ただきっとそのうち待っていれば向こうから遣って来るヒカルは
人間と証明されるが嫌いだ
河馬は猿のことを河馬だとは思わない
蝶は羊の事は蝶だとは認めない
だから、っ、て
河馬は河馬であることを、蝶は蝶でしかないことを
軽軽しく、追い払ったことがあったろうか?

それはないな、レッテル 空っぽのまま ばら撒くんだ

ヒカルは頃合を見計らってヒカル自身を人間であると
当たり前におもう
人格が回転したから
足りない言葉を産み落とせずにあいつのようにのた打ち回る
自分の証明をしたがる
それは歪んで弾んでいるから
それは自由だから
それはヒカリの抜け殻だから
そればかりの妄想だから

ヒカルはワニかも知れないのに
ヒカルは飛行機かもしれないのに
ヒカルはもっともっと
凄く動く美しいものかも知れないのに


ただヒカルは今ただ何ともないと決め付けて

ヒカルであることに逃げをうっている

ヒカルは生きている
ヒカルは性質の悪い風邪をひきやすい
ヒカルは食べている
ヒカリに近づきたい
ヒカルは所詮、ヒカリにはなれない
ヒカルは全力で、ヒカリにはなれないのである。

文学極道

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