開かれた朝の冷淡な舌の上に
夜闇が傾く
燐を見たカササギの子は
深く苦い光の中に 痙攣する
audivisti?
無を語るものたちの 産声を
audivisti?
腑を落とされ 抱擁を強いられた
言葉たちの ため息を
虚構の砂絵の目の下に 欲望が浮く
古のorganは
残滓である非存在を 釣る
その通り、世界には何も存在していない
開かれた朝に 楡の木が
葉裏に輝きを滑らせる
見られるのではなく
反射するのでもなく
audiebam
つまはじかれた蜥蜴の
皮膚に走る 生成の歌を
audiebam
深海魚と月光との間に
無時間な和声を
旅人の触れた塔は空を象ったもので
現象を超えて照る
あまねく知性は宿る
みなぎった悪意への威嚇
その通り、世界は自ら輝いている
開かれた朝の川床を浚って
屍に息を吹き込む
片足を失ったまま蘇った猿は
宮殿の内奥で
鮮やかに破裂していく
audivistis?
緩やかな規律の下で
流体時計のたてる 針の音を
audivistis?
専属negotiatorの
積み木細工の 衝突音を
海や波や小魚を 鑿と槌で 崩していく
崩していく間だけ 空白が占める
その通り、現象はすべて不連続である
最新情報
選出作品
作品 - 20050113_271_35p
- [佳] 朝 - 広田修 (2005-01)
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朝
広田修