●2019年5月分選考雑感(Staff)
11237 : 選評の雨 泥棒 ('19/05/31 22:54:41)
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(一)タイトルでネタバレしてしまっている感じなのが残念。単純に「雨」の方が先入観なしに作品を楽しめたし、読み手の解釈も広がったのではないだろうか。雨のように降り注ぐ言葉たちは、どれも美しいが冷たい。
(一)「選評」ということに関してエスプリを、効かせて綴っている。様々な書き方の方向性を可能にする作者の筆が光っている。
(一)個性的であることによってもっとメッセージを打ち出せる詩だと思います。
11226 : 可能性 cv ('19/05/25 02:06:23)
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(一)本に小さな気持ちの中身を表すものとして数字と単位が使用されていると思うのですが、これをもっと数字以外の部分でも機微として表現されていると良いのではないか。
11236 : あほになってきえさかる 屑張 ('19/05/31 13:33:14)
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(一)最近、「詩を書くという行為」や「詩を発表する場」等について言及された作品が増えているように感じる。この詩はメタ的な要素を内包しつつ、詩作品としても十分に自立している。こういうタイプの詩は滑った場合に悲惨で最後まで読まれないことも多いが、この作品は意味が崩壊しかけた言葉たちが読み手を強引に引っ張り続ける力を持っている。
(一)熱量も言葉の使い方も良く、面白いです。纏め方が有りがちになってしまっているので、比較的楽な方へ流れてしまった印象があります。
11228 : スカートの中は夕暮れ 泥棒 ('19/05/25 11:14:33)
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(一)「ドレスを着た男の子」で川原泉の「月夜のドレス」を連想したのだが、この詩においては状況がもっと深刻なようだ。少しまとまりすぎているという気もするが、紅茶からスカートの中の夕暮れへとつながるイメージはコロンブスの卵だ。
(一)共感できることはありますが情報の部分の曖昧さが詩にとってそれほど効果的でないようです。
11235 : 五月の雨 山人 ('19/05/30 21:03:37)
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(一)一歩、秀でたものとして輝く小品である。
(一)雨がしみ込んでゆくその情緒が美しい。
11233 : 祇園精舎の鐘が鳴く アラメルモ ('19/05/29 02:56:59 *4)
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(一)最後の「夢大きな」というフレーズが大変印象的です。このような調子が流れの中にもっと盛り込まれていたらと想像すると楽しみです。
11234 : 屑 田中恭平 ('19/05/30 10:34:16)
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(一)タイトルがあまりにストレート過ぎたかも知れない。語り手の孤独や人生に対する疲労感はしっかりと描かれているので、タイトルで説明する必要を感じない。ラストの終わり方が、ちょっと平凡なのが残念。
(一)音の流れが良く、渦中にある自己を描き出せています。
(一)内容が率直で良いです。言葉はもっとストレートにするかやり方によってもっと伝わるようにできる余地が残っていると思います。
11229 : 喪失 鈴木歯車 ('19/05/25 16:12:01)
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(一)寂しさと、もがきが自分に近い位置で発されており上質な詩情を獲得している。最終連が、もっと工夫が必要だったように思う。
(一)結論までにもっと掘り下げて良かったと感じます。限界まで言葉を磨こうとする手法は筆者に合っていて使い方も上手であると思います。
11230 : 絶望 コテ ('19/05/27 19:50:05 *25)
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(一)前半で挟まれる妙法蓮華経の如来寿量品からの引用が、作品に奇妙な味わいを与えている。その一方で、中間部は「これから先」と「こっから先」の書き分けなど表現に疑問が残る。最終の2連以外は最初と同じ構造で書いた方が良かったと思う。
(一)絶望とは、こんなに甘いものなのだろうか。
(一)中盤から後半にかけて言葉に勢いが乗ってきていて心を打つようだったのですが始まりと終わりの言葉弄りが逆効果になっているように感じます。
11223 : 怒りにも似た精力 陽向 ('19/05/21 19:29:33)
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(一)悲しみが伝わってくる。生きる悲しみと寂しさ。
(一)タイトルとテーマは大変良いです。深い怒りにも似た精力そのものを迸らせてテキストにぶつけて欲しいと思いました。
11232 : それしかないのだから 帆場蔵人 ('19/05/29 00:25:20)
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(一)テーマはとても良いのだが、技術が追いついていないように感じる。例えば初連は「おまえの手の中で/折鶴が死んでいた」か、「おまえの手の中で/折鶴が死んでいた/半ば潰れて/折鶴が死んでいた」で良いのではないだろうか。最終連を盛りあげるためにも、あと少しの工夫がほしかった。
(一)タイトルが全てを語ってしまうことが有効な詩に思えなかった。もったいないと思った。書き直したら年間賞にも喰い込みかねないとも思った。
(一)音に頼る必要のあるテキストなのではないかと感じました。テキストのみでの強い力やインパクトを更に求めます。
11231 : メメント・モリ 白梅弥子 ('19/05/28 14:23:16)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190528_125_11231p
(一)体言止めと自分の存在の悲しみが印象的です。最終連を、もう一歩すすめると良いかもしれない。作者の次作も読みたい。
(一)一つ一つ使われる単語の印象はとても綺麗です。情景も美しい。美しい詩を書く方は数多いらっしゃると思いますので、ここに独特のものを反映させて頂きたい。
11222 : (無題) 朝資 ('19/05/20 23:30:14)
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11210 : 宇宙 atsuchan69 ('19/05/10 10:33:55) [Mail] [URL]
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(一)コミカライズされたような雰囲気を持つ読みやすい作品。純粋に面白く一読者として楽しめる。
(一)宇宙の理解できない絶望的に漠然とした感じはもっと本当にひとりぼっちというレベルでなく恐怖感を伴わせるものですから、そのコントラストや効果のために日常の部分でもっと安心感のある普通の描写を上手くやることが筆者には出来ると見ています。
11218 : 憑依 まひる ('19/05/16 06:16:14)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190516_009_11218p
(一)伝えたい気持ちもその経緯も理解できるように書いてあります。理解できるようにする意識が強く出て、途中自由に自分の感覚を言葉にできているにも拘わらず理論的な部分が強いために感覚で愉しめる部分が犠牲になっております。
(一)自らの内面と向かうは強度が強く、最後まで見届けたいと思わせる作品でした。
11224 : 浜辺 たこ吉 ('19/05/24 09:21:48)
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(一)真夏の陽射しが内包する狂気にも似た眩しさが伝わってくる。これが浜辺でなければ原爆投下の瞬間を連想していたかも知れない。それくらい死の臭いに満ちている。不意に物語が切断されたようなラストも良い。
(一)初連からの流れが麗しいものがある。しかし中盤が中だるみになっている。
(一)鋭く尖ったナイフのような清涼感である。幻想的で内向的でありつつ、痛みを連れた道行を感じる。
(一)惹きつける何かを持っている言葉を発する方です。しかし言いたいこととイメージの両方が届かないもどかしさも感じます。狂っているその激しさをぶつけられたらと思います。
(一)一読してもよくわからない点があるものの、気づいたら何度も読んでいました。海は生の象徴として扱われることが多いですが、当然そこには死もあり、「死の匂い」を感じるところに鋭さがあると思います。後半は白や回転といったところに引き付け、こちらの感覚をつかんで離さない表現が続いています。多くの方に読んでみてほしい作品です。
11227 : 帰り道 イロキセイゴ ('19/05/25 02:11:47)
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(一)不思議な言葉の跳躍が生きている。
11225 : 跳ねるベースライン 億年筆 ('19/05/24 22:38:03)
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(一)音韻が心地よかった。更なる作品と、なりそう。
(一)腕時計とブッディズム。突拍子も無い発想に交換が持てます。思考と意識の巡らせ方として、皮肉もウィットも掘り下げて突き刺して良い。
11198 : 定時連絡 屑張 ('19/05/02 16:07:27 *1)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190502_810_11198p
(一)作中の解説はそれ自体も作品の一部であるものの、やはり蛇足感の方が強い。すべてを読者の想像に任せた方が、作品の持つ毒もさらに効力が高まった気がする。文体が読みやすいだけに、もう少し削ってスピード感を高めてほしい。
(一)面白さが毒と共に残響を鳴らし続ける稀有な作品なのではないか。
(一)説明自体が読者に面白ければ説明も作品に取り込む意義があると思いますが、説明の部分によって楽しさが増幅されているかというとそうでも無いため、もっと新しい手法として練っていく必要があるのではないか。
11221 : 犯行 コテ ('19/05/20 22:23:02)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190520_057_11221p
(一)自覚の持ち方も原案としても凄く良い。この良い感じをもっと何か良い方法を、筆者自身が見つけ出せそうだと感じます。可能性を感じさせる作品です。
11219 : 文学_僕(仮題) いけだうし。 ('19/05/17 01:32:20) [URL]
URI: bungoku.jp/ebbs/20190517_013_11219p
(一)そろそろタイトルから(仮題)を取った方が良いと思った。
(一)同一のテーマのものを過去に二作読ませて頂きましたが、ここまでで最も熱量の凝縮された言葉の連なりになっており、テンションも維持された作品に仕上がっております。強い言葉に負けない内容の強さがあります。
11195 : 道すがら まひる ('19/05/01 16:37:54 *1)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190501_797_11195p
(一)少しずつ進歩しているのだが、基本的な筆力が不足しているように思える。もう一編の「憑依」における「自分の自我」という表現を発表前に推敲する能力を身につけてほしい。本作の場合、「生きれる」といった「ら抜き言葉」はやめた方が良い。また老人と語り手の言葉は、はっきりと分かるようにすると読みやすくなるはず。「5月病」もストレートすぎる。詩のセンスは確実にあると思うので、基礎テクニックを磨けば確実に成長するはず。
(一)堅さと砕けた口調の間を上手く表現として使われています。詩的な言葉を独白調に語っているような絶妙なバランスで目を魅きます。
11220 : 発信 山人 ('19/05/18 17:40:09)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190518_036_11220p
(一)詩的な言葉選びに力を入れすぎたのか、文章全体の印象が散漫になっているようです。
(一)読み手を世界に連れて行く強さが実質もっとある方かと思いますがこの詩のときはその引力が働いていないようです。
11207 : 傷跡 ネン ('19/05/09 22:10:20)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190509_932_11207p
(一)哀しさ、やりきれなさに向きあうことに成功している。
(一)内容、メッセージは素敵です。
言葉が感情を煽るように書かれすぎている感があり(例えば二連目)もっと漂わせる方が強烈になるのではないか。
11212 : 方法 黒髪 ('19/05/10 21:14:17)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190510_949_11212p
(一)説明部分がありながらも愛情に溢れていることが分かる詩である。
(一)詩的になってきていた言葉が思考の説明に戻ってしまった感があります。
(一)一つのテーマをしっかり描き切っていると感じました。
11201 : わたしらの軌跡(17‐22の頃) 宮永 ('19/05/06 03:32:09)
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(一)過去と未来へ馳せる思いであることがきちんと伝わるだけでなく詩作の言葉として筆者は自分の表現の仕方を発見しつつあるのではないでしょうか。
非常に魅力的な言葉の使い方をしていると感じます。
11215 : あの夏 たこ ('19/05/14 20:23:03)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190514_996_11215p
(一)勢いがあることなど分かる。熱もある。
(一)改行が効果的に働いていないのではないか。改行なしにして読んで見たほうが惹かれるものがありました。
11213 : 追憶を燃やし舟を流す夜に 帆場蔵人 ('19/05/13 00:17:16)
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(一)「蚊取り線香」や「あかい椿」などのキーワードにピンとくる読み手なら、遠ざかってしまった時間の距離を突き付けられて呆然とすることだろう。表現は無駄がなく、奇をてらった斬新さがない代わりに綴られた言葉たちが色褪せることもない。家族という存在との関係性を、読み手はそれぞれの事情に変換してこの詩を読み進めるだろう。最終連のまとめ方も上手い。
(一)文章の流れが上手い。情感がある。
(一)色っぽい作風を言葉の使い方で演出出来てはいますが、内容との整合性があるかというと自信がありません。
11217 : あなただけの為に持っている言葉のひとかけらは他の誰かには教えない みちなり ('19/05/16 03:37:53 *1) [URL]
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11216 : 手放しでしあわせになれないヒトたちへ アルフ・O ('19/05/14 22:47:34)
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(一)いかに世界の見方が人の数だけ許されるとはいえ、それが「自由な視点」ではなく「無知と悪意による偏見」によるものであれば怒りがわき上がるのも無理はない。ましてや偏見に対する憤慨から生まれた世界を、再び偏見によって小馬鹿にされればブチ切れて当然。この詩を読みながらそんなことをぼんやりと考えていた。だが本当に良いものは必ず評価される。作者自身が、これからもそれを証明し続けてくれることだろう。
(一)良質なポエトリーであると同時に、これはリリックである。
まず語感、そのテンポのキレがいい。爽やかさすら感じる。筆者は何か荷物を遠くに放り投げたのだろうか。そんな身軽な清々しさを感じた。
11214 : 心の中の墓場 イロキセイゴ ('19/05/13 15:57:24 *1)
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(一)終わり方が良い。作者の作品としては最近、一番に思えた。
(一)これまでの作品より統一したイメージやメッセージが感じられますが語りたいことの強さは本来もっとあるのか、それに言葉がなるべく近いものになっているのかには疑問が残ります。
11211 : キッチン 水漏綾 ('19/05/10 16:23:40)
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(一)キッチンという本来なら「優しい母親」や「平和な家庭」といったイメージを持つ場が、少し視点をずらすことで不吉で恐ろしい所になる。幸福というものの危うさや日常が不意に壊れてしまうことへの不安を、作者は「リンゴのジャム」というものの表現方法を変えることで読み手に突き付ける。その手法は見事と言うほかない。
(一)言葉の威力が一つひとつ重く衝撃を受ける。技術もある。
(一)キッチンの片隅で腐らせてしまった林檎と、キッチンの対比が非常に美しい。筆者の書きなれたテクニックが映えている。詩の教科書というものがあるのなら、こういう詩篇を一篇載せたい。
(一)印象はとても強く、パワーのある言葉が使われており、これまで評価される詩のスタイルも取れていると感じますが、もっとオリジナリティを出せる気がします。
11203 : 花のような音楽と 田中恭平 ('19/05/07 10:35:12)
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(一)言葉の並べ方の方向性、非常にスッキリとしていて尚且つ魅力的です。願望の独白はスパイスとしてもメッセージの強度を上げるのにm、お効果的で最後の言葉に覚悟を感じます。
(一)タイトルにある「花のような音楽」はそれだけでは弱い比喩ですが、あえてそれを冒頭に持ってくることで、広がっていくイメージの入り口として機能しています。「水のような私」がタイトルであったならば、そこで一つ身構えてしまったと思います。
11208 : ぼくてき 玄こう ('19/05/09 23:41:44)
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11205 : 名前のない感情 みちなり ('19/05/08 05:03:58 *1) [URL]
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(一)非常に素直に書かれた想い人を諦める言葉。本心を晒しているためスタンダードなテーマであり、共感を呼びます。詩としてはもう少し工夫できたかなと思うところがあります。
11209 : (無題) 八朔三 ('19/05/09 23:56:56)
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(一)童謡のスタイルできちんと本質を見つめる目が表れています。
今の時代でこのスタイルは良いのではないかと感じますが、感覚よりも童謡らしくするために謎めいた言い方をしている可能性がありますので、そこに陥らずこれから書き続けて頂きたいと思いました。
11206 : ナイフ一振 黒羽 黎斗 ('19/05/08 15:19:29)
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(一)熱さが際立っている。思春期特有の鬱屈や怒りを表現できている。脱字が気になったことと「ナイフ」という比喩から更に一歩踏み出して欲しかった思いもある。
(一)全体に鋭さがきちんと備わっており、タイトルとの関係も短絡的でなく、内容と表現の両方で繋げることができています。後半になるほどテンションが乗って来ているのを感じますので、最初から行けると更に衝撃的。
11204 : 夕焼け 霜田明 ('19/05/07 19:07:15 *15)
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(一)上手く、まとめられている。一歩、先へと進めている詩人である。
(一)直接的な言葉で言い表している箇所を詩として昇華した言葉に言い換えたものが欲しいです。
11202 : 精霊探し 右左 ('19/05/06 13:50:00)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190506_867_11202p
(一)物語として芯が通っており詩情も獲得している。最後のゾッとする部位など、描写が確かだからこそ繋がっていくものであり見事な作品である。
(一)コンセプトと方向性は非常に秀逸だと思う。ただ、それを『ただ具体的に』書いてしまうことは詩的情緒を欠いてしまうように思える。
11197 : 春の夕暮 霜田明 ('19/05/02 03:06:35 *41)
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(一)中也を活用できていたかどうか疑問。しかし原発を活かし、野糞も効いている。
11199 : 春でした 水漏綾 ('19/05/02 19:17:50)
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(一)春という季節の密やかな感じを上手く書き上げている。ただ初連と「飢えて咳き込む春」という見事な終わり方を考えると、間に入る第2連に若干のもたつきを感じた。
(一)恋についての儚さと深さが秀逸に描かれている。儚いからこそ美しい。
11200 : わたしが死んだ夜に。 田中宏輔 ('19/05/06 02:12:35)
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(一)死んでしまった語り手の描写は実に巧み。死者の気配を犬だけが察知して吠えるという光景も恐怖を誘う。ただ作品自体が短いこともあり、オチがちょっと平凡に感じた。
(一)単純な構造だから構成と詩文としての圧倒的な力が伝わってくる。
11196 : 心を失って 黒髪 ('19/05/01 23:58:08)
URI: bungoku.jp/ebbs/20190501_802_11196p
(一)しなやかに綴られている作品。比喩に、もっと委ねた方が良いのかもしれない。言葉の流れは、心に密着していて力がある。
(一)信じたい思考へ向かうために正当化を図りたい気持ちが語りから感じられます。もっともっと自分の言いたいことから、体から発したい言葉に近付けるとかなり飛躍しそうです。
11194 : 葵橋 田中宏輔 ('19/05/01 15:10:02 *1)
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(一)もう一編の「わたしが死んだ夜に。」と同じく語り手が死んでしまっている。こちらは真夜中の川と、そこを流れていく死体の表現が秀逸。さらに「ぼくの死体」を追って身を投げる「ぼく」という無限の繰り返しの中で、生と死はそれぞれの意味をはっきりと保ちながらも曖昧になっていく。
(一)基本的に上質な詩と文字の並びを平仮名と漢字の両方で上下に表現するという手法。成功しているかどうか私では判断が付きません。感傷が果たしてこれによって増幅されているか、音楽的な伸びを感じます。
(一)よくまとまっています。もう少し感情を揺さぶるような強さがあれば、と感じました。