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村田 麻衣子 (村田麻衣子) - 2010年分

選出作品 (投稿日時順 / 全4作)

* 著作権は各著者に帰属します。無断転載禁止。


ストロウ

  used sea

それだけ、(よ) ほしいも
のは生みだせるから スト
ロウを分別して頂戴。しゃ
かいの授業でならった で
もわたしの目には噛んだ跡
がそこいらじゅうにあって
、昔いたらしい怪獣の記憶
を裁断したかけら みたい
で材料がほしいから 造花
を葬りかけて やぶれかぶ
れのオゾン層から熱したプ
ラスティックが匂ってく。

集合住宅では、あのこの
ママとこあたしのママが
ゴミの事を罵り合ってい

   
     せいほうけい
     にしまうと 
     まあるいビス
     ケットがまっ
     ぷた つ じ
     ゃあ ないほ
     うが まし


はなしになんない かわ
りに、勢いよく たべた
いちごをいっきに吐いた
ら 中央線を逸れてって 
帰れない 防空壕みたい
 って胃を突き上げなが
ら 地につかない足がぬ
いつくようにがっこうか
らはあるいて 帰った。
道端の停留場のわずかな
面積 これじゃ眩しくて
隠れることすらままなら
ないわ せいほうけいに
数字があって あたまが
ぐしゃぐしゃになって 
ちょうほうけいになった
 朝までバスは来なくて
 速度だけが 摩擦で黒
くただれてたのに 疑っ
てやまない 瞬間裏から
かわいい犬がでてきて陽
に焼かれてた 傷をなく
す新しいニスを探してき
てて塗り残したところどこ
ろが ママがくれた乾いているマニキュアは植物に
    塗ってあげた ママの肌の感触は とてもわたし
    とちがう


ちはみたことがない。わたしは
、うみだせることを疑ってやま
ない
まちがって口の中を噛んだ やわらかい傷
はやわらかい寝床にあるのだと
ははは毎日汚れたシーツを乾かしながら
思わせぶり
胃まで伝わない食物残渣で生き残るわたしたち


それは
ママたちが、たがいちがいに歯で
口の中を噛んで
まちがいを仕向ける戦争なのだと

ストロウを噛んで
口の中にした味 それ
も後になってからのこと

5ねんご 
10ねんご
100ねんご

死ぬまで戦争がやってこないでくださいと
わたしは咀嚼したいちごを
飲み込むことすらままならない
せいくらべの
 はしっこからちょきんちょきんと
 結った跡ばかりが痛いです
おっこちそうな
ようちえんじだとしても


kimi no yume

  used sea

わった果実の切断面を
錯覚して、くっつける
ことばかりがほんとう
 。 」部屋の隅々か
らくちゅくちゅ」音が
して「くる 、聴こえ
がいいのは夜だけ だ
から きみとわたしが
眠りにつくまで、
          

わたしはきみではない 
似ているだけでべ「つ
べつの「容器に入れら
れ」た かわいそうな
きみ  死ん」ださか
なが溺れるなか きら
めく あれは、 

夢だってきめつけた 
くっついてからの記憶
が鮮明すぎるから 目
が覚めないように 冷
蔵庫のコンセントは抜
いて  」」あげた
        
きみの細い手首のよう
なものを握りしめたま
ま日を越えて しょー
みきげん ですが そ
の記憶があるのはわた
しがとても古い映像

見ていたから、

みんなテレビのなかのことにすぎな
い 新しい映像はきめが細かくなっ
て たにんの肌みたいに馴染んでし
まって   
          ))
            )
いちど切れたものはにどと
くっつかない でんわをか
けたら ははが教えてく

れたのだ おなじおと
が聴こえないきみはで
んわにあなのあいてな
い強く耳をおしあてて
、スピーカーを壊した
わたしだけにあいてい
るあな をこえようと
 きみのかおはわたし
の輪郭をおしなべ わ
らわせ わらいがとま
らない 
ははに似ている
のはわたしだけなのだから


Re:Re:

  村田麻衣子


聴こえてくる神様とのおしゃべり
で、眠りにつけないんだ って。
コンクリートに埋めても充填しな
い空腹感、それはちらつく淡い希
望に支配されゆくわたしたちで。
いつだって、窒息できるから ボ
ートにのっけてあげた。空を見る
と、向こう岸のホームレスの顔が
見えない。スピーカーの近くはざ
らざらした感触、胸に触れた手に
は垢

目をみひらいた まっくらな真夜
中にもういちど目を覚まそうとす
る、肌が透き通って、子たちは 
粒子を真昼の試験管から 取りだ
せないからっぽになる瞬間 手に
触れた液体に溶けてはっとする。
ベイビーが、ネイビーに馴染んで
ぶるーを あおく感じないことが
ある あなた制服は似合わないけ
れど 一昨日のミリタリージャケ
ットよく似合ってた わたしを好
きって言ったけれどそれは、何世
代目なのかしら わたし、骨折ぐ
らいじゃ死なないのよ

えいえんを築くものがあるんだっ
て、消耗品とそうでないものに分
けてから自転車を廃棄した。それ
に乗って遠くへ行きなさい やけ
に声がとおったことに気づいて 
言ってしまったことを悔やむから
。二度と代弁して欲しくなんてな
い ふたりめのわたしなんて ね
え 神様 ここに自転車をとめた
って覚えているのかしら


新種果実

  村田麻衣子

外気に触れているそれぞれが陽
光を含んでいるからいちいちや
けどして 傷があるからやさし
くなれるの、ほっといたってな
んらかの形にはなるのよ 欠陥
じゃない たべられるものは、
みんな既製品だから。

とびきりの完全後みせびらかす、
陽光に慣れさえすれば そうや
って実現不可能な生き残りに 
かけて熟れたからだって、実質
あたまうち。わたしがあいつと
いちゃいちゃしてるとこ 見て
たじゃないどうして。わたしと
完成しようとしないで 痩せす
ぎたからだに気づいてから 目
を見て あんたに何が起こった
んだ? って、わたしは目を見
てなんにも言わないで できた
ら ゆびだけにしよう活性化し
た枝みたいなあなたの そうや
って

なまえをつける 好きなひとっ
て言い方で呼ばれたいだって名
詞みたいでしょう おっきな概
念から果実もぎとるみたいに 
おやゆびなんて、はいんないわ
ただ ちょうどよくなりたいだ
け暴かれた夏に浴びせかえる、
肌の色すら消耗する

文学極道

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