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作品 - 20200806_039_12043p

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眼と惑星

  尾田和彦





洗面器の中に
俺の一部が落ちた
果てしない鼓動とともに
突き動かされた空は
俺たちの海だ

失ったりしないために
手を握り合うのではなく
見せあうために
裸になるわけでもなく
自由になるために
語り合うわけでもない

俺たちは今
存在の限界を超えたところで
言葉を交わし合っているのだ
人間が狂っていく?
そういう瞬間は
詩に託すしか救いはない

人間を愛おしいと思うのなら
詩を書け
詩は場所をつくり
未来を生んで地球を守る
人間のものだ

真夜中のバス
京都から新宿へむかう
遠距離恋愛
彼女に会うため
恋は互いの魂を救い合うために捧げられる
祈りだと思った
最初の女
ネクタイを外し
俺は思う
彼女のことを
ただそれだけのことを

生きる事は
甘く呪われている
吹き飛ばされた
惑星の残骸の中に
取り遺された時間がこの世の果てにあるとして


ほんのひと時
伝染しあったものが人間なのだ
この暗闇に
決して目をひらくことがなかったもの
其れが人間なのだ

文学極道

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