「人生は、釈明である。僕のあらゆる活動は、結局、釈明を到達点にする。」
(所引:某君日記帳冒頭)
「僕には言いたいことを言い得る事の方が少ないどころか、ほとんどそんなことはないのかもしれない」
と彼は前髪に汗をかきながら言うので、「どうも言いたくないことばかり言わなきゃいけないようだ」というようなことを返す。言葉というひどい欠陥品を人類はいつまでたっても使い続けているという論法の某君ははつらつとして話し続ける。
「もう何も言いたくないよ」という某君の言葉に僕が笑ってしまったのは、彼が何も言いたくないことを熱弁し続けていることに気が付いたからである。何も言いたくないと主張するにも、やはり何か言わなくてはいけないのだ、これを某君に教えてやったら、某君は嬉しそうに笑う。巻きつくみたいに風が吹く。
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作品 - 20200727_831_12021p
- [優] 通学の思い出 - ひとのこ (2020-07)
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通学の思い出
ひとのこ