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作品 - 20200504_622_11859p

* 著作権は各著者に帰属します。無断転載禁止。


崇高な愛なのか気持ちわるいバカなのか

  三浦果実





たとえ、人々の異言、天使たちの異言を語ろうとも、愛がなければ、私は騒がしいどら、やかましいシンバル。
たとえ私が、預言する力を持ち、あらゆる秘義とあらゆる知識に通じていても、また、山を移すほどの信仰を持っていても、愛がなければ、無に等しい。
また、全財産を人に分け与えても、焼かれるためにわが身を引き渡しても、愛がなければ、私には何の益もない。
愛は忍耐強い。愛は情け深い。妬まない。愛は自慢せず、高ぶらない。
礼を失せず、自分の利益を求めず、怒らず、悪をたくらまない。
不正を喜ばず、真理を共に喜ぶ。
すべてを忍び、すべてを信じ、すべてを望み、すべてに耐える。
愛は決して滅びません。しかし、預言は廃れ、異言はやみ、知識も廃れます。
私たちの知識は一部分であり、預言も一部分だからです。
完全なものが来たときには、部分的なものは廃れます。
幼子だったとき、私は幼子のように話し、幼子のように思い、幼子のように考えていました。大人になったとき、幼子のような在り方はやめました。
私たちは、今は、鏡におぼろに映ったものを見ていますが、その時には、顔と顔とを合わせて見ることになります。私は、今は一部分しか知りませんが、その時には、私が神にはっきり知られているように、はっきり知ることになります。
それゆえ、信仰と、希望と、愛、この三つは、いつまでも残ります。その中で最も大いなるものは、愛です。

<引用元>
約名:「聖書協会共同訳」
聖書種類:「新約聖書」
書名:「コリントの信徒への手紙一」13章01節から13節まで


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はじめましてではないけれど

とても嬉しいので、はじめましてと挨拶させてください。

今、駿河湾のサービスエリアに車を停めてこれを書いています。

東京までの道のりはまだ遠い静岡県。

静岡に住んでいるあなたのことを思い出しました。

今夜は満月、いや満月じゃないかもしれませんが

とにかく大きな月がずっとフロントガラスに映っていて

きれいなんで、私は好きな人のことをずっと考えていました。

ごめんなさい、長くなると思います。

なんと言いますか、気持ちが落ち着かないので

書いてしまうのです。

最後まで読まなくてもぜんぜん大丈夫です。

僕は23歳で結婚して24歳の時に娘が生まれて

その娘も昨年結婚して独り立ちしました。僕は50歳になります。

こうやってあなたに手紙を書いていると

好きな人のこと、忘れられるんです。

おかしいと思われるでしょうし、既婚でありながら

好きな人がいるなんてこと、不快に感じられてるかもしれません。

ほんとうに僕は狂っているんだと

自分でもわかっていて、そうわかっているからとても苦しいのです。

自分が老いてきたこと、自分が持っている感情というか

そんな、ぎこちないものが違和感としてずっしりと

身体の中にあってとても苦しい。

ひとりの女性を一生涯ずっと愛し続けることが出来ない人、

そのような人たちが

世の中には想像しているよりもはるかに多くいることを

最近になって知りました。

なんだか少しだけ救われました。

自分が他人と違うことが、いや

そんな他人との差異などにこだわってしまう

中年オヤジがキモ過ぎだと考えてしまい自己嫌悪になるわけで。

このまんま生かされてしまうんだったら

一瞬でよぼよぼのじいさんになってしまい

誰かを好きになる気持ちとかそんなもの

失ってしまえばいいのにって考えてしまう。



とにもかくにも僕はいつも恋をしています。

あなたが教えてくれた青葉市子が歌ってる

サーカスナイトを最近好きになって聴いています。

今も車中でずっと聴いています。

「一生分のことを変えてしまいたいよ」って歌詞が

堪えられなくなります。




長々と自分のことばかり書いてしまったけれど

博愛主義者さんはその後、どうしていますか。

学校なんて行かなくてもいいと僕なんかは思うんだけれども

好きな人とか、そんな人が出来るといいのに、なんて思う。

好きな人が博愛主義者さんに、もしも出来たなら

もっと眠れなくなるかもしれない。眠れなくなっても

そう悪くはない。

博愛主義者さんがうざくて殺してやりたいお父さんにさえ

新しすぎてたまらない、おはようが言えるようになる、気がする。

好きな人にだったら、伝えたいこと、伝えたくなるだろうし。

君が僕に語ってくれたようなこと、

宮沢賢治の雨ニモマケズは

他人に朗読して聞かせるもんじゃないとか、

人は万年筆と紙を使って交信するべきなんだとか、

梶井基次郎をキジロウって読むなとか、あー「檸檬」は

面白かったよ。あれはさ、なんだろうな、

主人公のあの乱れかたが好きだなあ。

「檸檬」はよいね。

で、君は聴いてくれたのかな。DMで送った、

「凡骨の夏」

まあ、君にはわからないだろうなあ。。。

ああいう歌を書きたい。

賢い君が書く素敵な言葉の隅っこで僕も詩を書き続けたい。



とても耐えられない友人達のこと、

わからないところもあるけれど、

よくわかんないところもあるけど、わかる。

みんなが線引きをして

あんたは声が小さいから正しくないよとか

そんなこと言われたら、、、

まあ、止めよう。




中学生の君宛てに初めて手紙を書いた。

勧めてくれたラミーの万年筆の使い心地がとてもいい。

こんなことを書いてしまってるのは

満月みたいで満月じゃないような月のそれのせいだねと

下手糞な詩みたいなことを最後に書いて筆を置きます。

あなたの学校生活が楽しい毎日でありますように。

博愛主義者さんこと遠藤きあらさん

僕を見つけてくれてありがとう。





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おぢさんへ

お前、あいも変わらずばかだな

途中まで良い書きしてたのに。

凡骨の夏、きいた。

おぢさんに愛人がいようがいまいがどうでもいい

おぢさん、詩を書けよ
ちゃんと詩を書け

好きな人?は?
おぢさんしねよ

学校にはもどるかもね

手紙また送ってください

またDMするかもしんない あ

アラベスクの飾り文字の問題
ちゃんと回答しろ


博愛主義者

文学極道

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