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作品 - 20200121_853_11682p

  • [優]  encore - 霜田明  (2020-01)

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encore

  霜田明

encore , La timidite de Lacan
優れている詩と優れていない詩の間にはどのような違いがあるのか
文法に対して最大限に気を配ること、神は細部に宿るから

僕の冗語、人は無言に対していつでも言い過ぎる、
必然の冗語だ、存在するということは
創造することをやめよう
カフェで交わされる話し声の奔放さ、
創造することなしに言葉を話すということ、

朦朧としていないと書けない領域がある
朦朧としていないと読めない領域がある
それはダダじゃない
シュルレアリスムでもない
超現実のコミュニケーションがある

シューベルトのピアノ・ソナタのなかで
僕は空想上の冬の山道を歩いていた
小さな山小屋を出て落ち葉を踏みしめた
下ってまた上り大きく一周して
もう一度その山小屋へ帰ってきた
ドアマットを踏み扉に手をかけたところで
音楽は終わり僕の空想が途切れた

歩行というものが存在するようには
室内というものは存在しないんだ
ハマスホイの描いた扉を
エリセの虚構映画のなかで
アントニオ・ロペスが通り抜ける

創造することをやめよう
僕らは天使だから
もう一度、と告げたときの
ラカンのはにかみ

文学極道

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