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作品 - 20191109_784_11549p

* 著作権は各著者に帰属します。無断転載禁止。


或る虜囚に捕われた獄舎

  鷹枕可

地球儀
人種絶滅収容 その歯と髪
戦禍よ
引き絞れ
議題を、
陶工達
廻廊を起つ様に
走る影の廃市
群衆は 素地であり
万物は 衣裳であり
工房は 固執であった

鼠の症例 伝染皮膚炎
架線の穹窿
電話線に
青空は地図の比喩として
拉げ倒れた
街看板へと降る地下壕200階の部屋部屋
柩の様に丹い伝令は
胴部にオルガンの燃焼に饐える蜘蛛の運指を惚け確めていた

一切が暮方をつまづきつつ
血の田園に夕餐を鬻ぐ
境涯 
住処は根底範疇のそこかしこへ
埋葬され
声は 振動する
聴く様に触れるな
そして 円く磨かれた
波長域の海に

釘の蝶番よ
私は誰であり私は誰なのか
無人‐巖塩の街跡
都市俯瞰図に
模倣像の
途端に
屑花のペダルを履み

虜囚だけが円時計に
永遠を伴い
建築邸宅の跡を
歩いて
真鍮の縁に、
巨鐘楼を 飛翔していた

文学極道

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