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作品 - 20190930_268_11476p

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最後の最期

  曇天十也

指輪を外して天に投げた
そうすれば何かわかる気がした


僕は彼女と塀の外を眺めた
そこに広がる名も知らない色を見つめて
ウツクシサを体一杯に吸い込み
僕は自分に呪いをかけた
彼女から学んだ呪いを
彼女のナイフで死ねない僕は
そうするしかなく
彼女の血で、自分に呪いをかけることにした

絶望と快楽とに包まれ
長い朝の過ごし方を
川辺に寝そべり考える
魚の跳ねる音
水が砂を運ぶ音
鳴り響く着信音
どこに向かって流れゆく

少しずつ体の中が折り畳まれて
四角くなっていく
ピタと頂点が重なる時僕は死ぬのか

倍倍に増える頃を思い出して、
コンクリートで眠る


わかったことは
僕は薬指を触る癖があった
ただそれだけだった

文学極道

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