生垣のそばにはあおむらさきの花が
すっぱい赤い実をつけていた、
ふるえるものがひらこうとして、
そのまんなかにあまぐもがあった、
かぜが忘れられた影になげかけられ
流れていくものがあった、
やさしいはなしかたの祖父と
庭のこと、あめは、
わたしたちのうえで、点字にかわる、
降り止まないことばだった、
赤い実を食べてはいけない
食べたら阿保になる、どしゃ降りのなかで
祖父の着流しがすけて、
ブリーフだけがくちぐせのように
そう、お祈りをする、
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選出作品
作品 - 20190905_926_11442p
- [佳] でたらめ - よんじゅう (2019-09)
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でたらめ
よんじゅう