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作品 - 20190212_790_11065p

  • [優]  るる - ゼンメツ  (2019-02)

* 著作権は各著者に帰属します。無断転載禁止。


るる

  ゼンメツ

ウイルスでダメんなっちゃうまえに、わたしでわたしを何とかしてやんなきゃとおもって。枕元にこぼしたルルは猫のなまえじゃない。水はきらい。おおきなまるい尻尾がしんしつを埋めつくしていて、息をするだけでキュウクツで。リンパ腺がきらい。ミルクリゾットがたべたい。まぶたが閉じられない。なんて、閉じたままのくちから。もう終わりかもとかトートツにおもう。さいごのさいごには、どっかの惑星のしらない海にしずみたくて。毛布をけりとばして、引きよせて、沖へさらわれていく。しらない海は、しらない物質でみたされていて。しらないとこまでつづいている。わたしはしずかな耳鳴りに、いつまでもしずめられて。まわりおちる。キッチンの、排水こうをみつめながら、そういえば、ミルクもチーズもなかったから、もうぜんぶ白だしでどうにかしようかとおもってて。アイスクリームを三十分くらい持ちあるけそうな保冷剤を、ひたいにひっつけたまま、ヒラヒラと、反転しつづけるわたし。ばらばらのルル。ばらばらにされた黄身。ルルがこっちをうかがいながら、わたし以外のなにかを求めてないている。天井がいつまでもさがってくる。届くことはないけれど。猫がすき。押しつぶされるのはきらい。

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