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作品 - 20181217_365_10956p

* 著作権は各著者に帰属します。無断転載禁止。


貧乳が添えられている

  渡辺八畳@祝儀敷

あんなにかなしく寝たあとに
薄暗がった気持ちで瞼をあけると
あばら浮く貧乳の女がベッド脇に添えられていて
触りもせずに 泣きたくなった

あまりに幼い見た目だが
幼形成熟 これで成人なのだ
もう育つことはない
姿はまんま子供でしかないのに
恥ずかしさだけは大人になって
口を固く閉めながら僕のために添えられている
直立不動で
少ししかない陰毛がなびくことなく生え下がっている

しゃぶりつきたい 水が流れるよう
無限への真理を秘めている乳房から
白銀の孤を描く腰を巡って
かわいらしく膨らんだ臀部まで
そうしてこの女に声をあげさせたい
僕によって嬌声をあげさせたい
だけど届かない
僕は首だけでころりとベッドにころがっている
そして君には胸が無い
いや小さくてもあるにはある、そうあるんだ
だけど殆どの人にとってそれは無いに等しく
そして僕には手も無く足も無く性器もなにも無く
有るのは弱弱しくふるえる眼ぐらいだ
欠け者同士がひとつ部屋の中
視姦されていると思っているのだろう
女の顔はみるみる赤くなっていくが
それは視線を送る僕の気持ちが
こんなにぐちゃぐちゃなのを知らないからだ
襲ってくださいと言わされているかのように
なにも纏わない女を
押し倒して 吸って貪って
好きなようにして
孕ませる
そんなこともできないまま
窓も無いこの部屋の空気は淀むばかりだ
目の前の貧乳は遥かすぎるほど遠くにあって
女の子宮はいつまでも空なまま
母となりお乳が張れば
部屋の外へと出られるのだろうに
この僕への供物である限り
それは叶わぬまま
ベッド脇へ添えられる呪縛が
永遠に続く

一本だけの蛍光灯が青白い光を発して
貧乳のアンダーにとても僅かな影をつくる
それがあまりに美しくて かなしさがぶりかえしてくる
女は羞恥のあまり失禁してしまった
アンモニア臭が窮屈なこの部屋に充ちる
星の宿る瞳が 涙を噛み殺している
隅に埃が溜まる部屋で
ピンクの乳首だけがまぶしい
あまりにもかなしくて
また眠ることもできずに
僕は貧乳を見つめるしかない

文学極道

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