荒れ地、眠れないまま
ゆるむ瞳孔へ
駄々洩れるイメージ
まばゆく
五分の一、
残ったいろはす
スイメンの振動は絶えず、
本棚、ボロボロの
擬微分作用素
それは抒情、あるいは
信仰告白、
重曹を溶かした足湯
これは祈り
あるいは、
コンドーム
半拍遅れたドラム、
全身の毛を剃り
ただし腋毛は抜く、
その話はもう
伊藤比呂美が尽くした
から、繰り返すな
固有名詞、ばかりの
うたをうたい、
網膜へ駄々洩れるのは
横浜の空
あるいは、大阪の雲、
ミニスカートは度し難く
思い出すのは
おそらく十年前、
ほとんどクリスマスの
夜、顔も
思い出せないひとが歌う
スノースマイル、
覚えていたいことは
なにもない
思い出したいことも
もう、ない、
駅前のイルミネーション
その駅の名、
雪ではなく雨が降ったこと
眼鏡の裏に咲く花、
それ以前に
生きなくちゃいけないから、
とか
きみが持つ構文
泡立つひなた短く、
くちずさむうたの表象
あるいはきみと
作られた寂しさ、もう
いい、
もう、これ以上
繰り返さなくても、
最新情報
選出作品
作品 - 20181215_278_10953p
- [優] or - 完備 (2018-12)
* 著作権は各著者に帰属します。無断転載禁止。
or
完備