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作品 - 20181029_299_10845p

* 著作権は各著者に帰属します。無断転載禁止。


スパゲッティ野郎への葬送

  鷹枕可

市民としての一日が終わるまでに、

     *

労働階級の華が捜されるだろう
或は母親のスカートのなかで育てられた少年の、122番地の街角に影を差す電球燈の馬に
検死台の時計と亜鉛壜を擱き忘れた現実としての、液晶装置の外へ潜水艇の話言葉が漏れ聞こえない為に、
部屋の無いドアノブを覗く、
冗長な私達と私に附いての自己紹介を壊れた鉱石燈の闇が垂れ下がって円錐の舞踏足に拡げられた駱駝の粗革を漕ぐと座礁商船はまっぷたつだ
新聞紙する
理由もない新聞紙をする必要もない挨拶が丁寧に釦の縫目に挿してあってそれらが明日の華に副えられる最期の屑篭になる
だから天球観測家達よさようならもう硬貨もごめんも役にたたない季節宇宙風が吹きとばしてしまうから
惑星のバジリコが棘に刺さって半減周期の所為で私たちもう遭えないねって少年は赤銅色の莟を隠して砂場で言ったんだ
淋しいミートソース演奏家の薔薇色の秘密の様に叫んでほしくはなくて鶏冠が無い薔薇が礎の許に埋められていてそれが私の死体なんだって
気がつくころには
嗜眠と寝台列車の高架を十字に跨ぐ屑篭としての
そう、
あなたに
ありがとうといいたかったんだ

文学極道

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