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作品 - 20180702_983_10561p

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抒物と叛抒情

  鷹枕可


新しいダダの為に、


磔蝶、礫の硬物果実
そは峰を跨がず
隔絶に一縷現実を現象と見紛う
偶然を錆朽硬貨に
遭遇を花に
一家族に拠る円庭噴泉が
死線を牽く
鋭角―鈍角、臓腑の喩、
穢濁たる機械欄干は総じて拇指を踏み留まるもの

雲母の髄、胃腑を犯し
非―概念たる黎明を亙り行く
不朽柩蝶蝶番装置、
そを厩にて奇跡と違えるも
由々し、血の薔薇その人間を誇りつつ

    *

何が攫っていったのか
訪問者の言葉の花を
姦しい花瓶の根が
雷霆の窪が
水滴に拠る鍾を跨ぎ
破壊された横顔と海岸線の靴跡を
天鵞絨の笑いを縫う
観光客よ、誰をも翳めない仮象よ
確実な咽喉に及ぶ
第十週間の霰、
美しく醜い徒競走の傷跡より
隠された修道院よ
今 跳躍筋のなかをひたはしる繊維紙の薔薇窓はひらかれ
総て花總は熟れる時計に遭遇し
瓦斯の球体像を瞋りが撃つ様に
そして人達は人達をより顧るだろう
私達より速く遅く、
過去を流れる葡萄酒醸造槽にぬり込められた
幾多の蠅の季節を

    *


――――暴風雨に震える熟樹時計の様に破壊された地下鉄線隧道と、その火災報知ベルに告ぐ、


花婿の許喀血をするミルテの湖畔に造影機が電気椅子が鈍く礎に打たれる侭
に錆びてゆく牡蠣の楕円は鉄の戦争への憧憬の様に浅慮なる胸像を隠す帆船
標本は理想像を忌避紆余する彫刻物達へ砂糖漬けの百合根を硝酸壜を贈るた
めに刎ね落とされた鍔の無い旋盤に磔刑の樹を平衡に聖母像の咽喉許へ垂下
し愛と逃走に嫌厭されるべく偏執的葛藤を亙る鈍角の架設電流銅線の花の銅
鑼を絶縁体に繋ぐ天球を巡る十二の晩餐室は常に神学者達の反吐の純粋に論
争の終始録音機が噴く銃剣の翅を預け海底裂罅の窓に想像妊娠の時計は熔解
する表現主義建築建築家達の眼底には総ての曲線面を構図とし抽象の愉悦は
棘の死でありながら鎧戸を打つ騎馬の腐蝕窩であり蜂巣と薔薇の背中を滴り
落ちる現象の標識へその臍帯を摸倣し偽科学の二十一世紀に及ぶ進捗或は退
廃を現実−夢魔虚実の万物球儀に娩出をする殉死への違約を粉争飢饉に廃棄
するまで

――――安寧たる死は無きものと思え。

文学極道

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