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作品 - 20180511_099_10434p

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揺れ、(る)

  朝顔



あなたの迷彩色のジーンズに
  指が触れ わたしの
    ついこの間切ったショートヘアをぐしゃぐしゃに 
      愛おしく掻き上げる手が
    わたしの小枝柄のワンピースの 裾を
  たぐりあげる 仕草に
    もれる あえぐような吐息が もれてもれていき
      二人してソファに 倒れて
        真っ白いフェイクレザーの上に
          肢のゆびがふたつ 絡まってゆき
            けいれんする 震えて


居酒屋の旨だれのついたキャベツをマヨネーズをたっぷり
つけて半分こして二人で勉強中の本を開きながら発達障害
の特性についてああでもないこうでもないと議論して一人
分の煙草の灰が銀色の皿にどんどん溜まって行ってファジ
ーネーブルと紅茶のサワーが喉をうるおしてビールを飲み
過ぎないように注意していた男が夜半の官庁街をふらふら
歩く女を送り届けて入り込んだ部屋のドアが閉まった途端
にその視線がきらりと牙をむき背中手にチェーンを掛ける


プールの底にしゅわしゅわ泡ぐ炭酸の匂いを
  ふと懐かしく思い出しながら
    ふたりはベッドの底に潜水してゆく
      およぐおよぐおよぐ
         やさしい胸ははだけられて
            あられもなくはずかしいように
平泳ぐ

スイートオレンジの香りがいんらんに空気清浄機から発光
する する するる

   あたたかく
      まどろ、む始発で帰ろうとするあなたを
         引き、とめる
     わたしのじゅっ、と跳ねるベーコン

文学極道

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