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作品 - 20180327_990_10340p

* 著作権は各著者に帰属します。無断転載禁止。


悪魔祓い

  朝顔

私の頑固な顎があなたを追い出してしまった。テーブルに
は、桃色のローストビーフが客の肥えた舌という祭壇に捧
げられるのを待っている。煌めくグラスの連なりが、被災
した悲劇のスピーチを細断する。曰く、「食べ物がありま
せん!どこにもありません!」。詩人たちは優雅に、己の
功績をお互いに裁断しつづける。

サーモンピンクのドレスで昨夜の情事による痣の付いた肢
を包みつつ、絢爛たるシャンデリアの光の下に、大学教授
の脹脛が上に乗っている有田焼のインディゴブルーの皿を
発見して私は世界と繋がれた。この瞬間、逆子で出生する
筈であった私の姪を流してしまった、あなたの暗緑色の臟
を思い切り壁に叩き付けたのである。

生きるべきか死すべきかと激しい論争を戦わせながら、あ
なたはロビーで隣のソファーに座った肩に漆黒のブラジャ
ーの紐の透けた淑女を犯したいという欲望と闘っているら
しい。窓の中の下弦の月は、どこまでも私を追いつつ検閲
している。遠く北東の汚染された海では、群れからただ一
匹離れた鮭が南へと泳いで行った。

文学極道

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