アルコールをわざわざalcoholって発音しておどけるきみの横顔がすきなの。
酔ってたから? 酔ってなくてもわたしはきみに
ついていったとおもう。
きみがすき。だけどわたし
物語なんて要らない。
ちいさな物語もおおきな物語も要らないのに
きみはぜんぶ物語にしてしまうから、わたし
きみがつくったというだけのそれらを
ずっと抱えなくちゃいけなくなった。
もう部屋がいっぱい。
てゆーかここ、わたしの部屋だっけ? きみのだっけ? わかんないけど
物語なんて要らないのに
物語のなかで流れる川に映るわたしの顔はかわいくなかったから
死にたいなって言ったらきみはもっと死にたそうだった。
死にたくなるたびにストロングゼロ飲みながらalcoholっておどけるきみの横顔がすきなの。
だけどわたしときみは死ねないまま
わたしときみはきっとずっと《わたしたち》にはなれなくて、だから、
さみしくないの。
わたしではない女の子が空を飛んでいるのをわたしは
空よりも高いところから眺めてる。
たぶんいま目があったよ
信じて!
きみは汚い電柱と犬の糞とそのへんのババアを見てる。また物語にしてしまうんでしょ
物語のどこにもきみはいないのに、さ。
最新情報
選出作品
作品 - 20171207_884_10082p
- [佳] alcohol - 完備 (2017-12)
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alcohol
完備