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作品 - 20171104_049_10005p

* 著作権は各著者に帰属します。無断転載禁止。


影像係争

  鷹枕可

白い瓦斯室に
市営納骨所の柔らかな安寧にも
火薬庫の影像を胸像鏡に抱くものか
普遍乾板に憂くも
白昼の捕縛が躊躇わず
心臓の腑より白銅錘鍾を
一撃の花束を堕落飛行艇のプロペラに瞠る毎に
純粋機械器は立止まりつつ躍進する、
風圧計に調整弁に
草樹に繋る速度時計に
そして幾度かを市民は
指鍵指向標-刻銘針を
存在なき優生学的な優悦の、
被懲役徴兵令-国家機構へと邁進してゆく

誤謬の椿花
真冬の様な統制に
叛体制家達の徽章修飾は
憎悪の照準、
死線へ牽かれゆく
沸騰する錫の巨花鉢に拠る乾燥献花の相貌の様に
黒薔薇色の市街列車
或は
霊柩、その巧緻鏤刻線が閾を
終始を亙る夥多なる抜殻より崩落する
別の命運を縫い合せられた
人物群は果して、
よもや
私と謂う個人への
余命数代筆たる蒼白い手套でも在るのかも知れず

簡素流麗な
螺条旋の厚紙、白薔薇
渦巻く海縁を靴跡一つ残さず、
国家より
異端者の確かな汚濁純粋に
書翰仮説の神々は愈々
後衛的な、
酷く
前時代的な影像への出自を顕し、
叫喚呵責をやや緩めつつ
被造体の、
血髄と硬い檸檬樹樹花からなる
死への自働小銃装置であり
離縁婚姻者たちでもある
六十基の凱旋門に穿たれた多翼熾天使たちの鱗翅目の一つを、
最終列車の
絶滅収容所の果てに

文学極道

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