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作品 - 20171009_473_9941p

* 著作権は各著者に帰属します。無断転載禁止。


習慣の結像

  鷹枕可

殉教花被、燦々、暗澹たる季候下に
中世創造動物図鑑を
婦像柱の
臓内投影機が確かめ
開胸鏡への切離を棘の籾殻に露見している
地下階解剖つまり秘匿
硬き静物花を擱く
聖人機械、
自動恍惚装置としての瞬間
終端の運搬車輌
死を刻む、
刻む物象の死を
未死の神経-被覆繊維として

鹹き血漿時計を
静像-塑像とも均しく看過する地球像の影と影、
編成流刑地に欹てる
円錐鉄杭の拡声、伝達
植物模像-人体模像
その鋭角を飛翔する
私達それは血統の様に馨り
懐疑に産み乾され濫觴滑車を統べるもの

貨物車に倒れ
奴隷船に運搬を担う、愚人とは
錆鉄酸の地層を綯う向日葵を、
蟻酸拇指壜を湛えつ
戦慄く飢餓人物、孤燭と孤絶
成果と欺瞞
その恩讐を掻き別けつつ
視界内現象は
鈍い腐朽像へ
被磔刑者へ
残酷偽劇を移管遷移せしめ
惑溺を常とする瓦斯麻酔医が緋色の胸膜を覗く

階段から階段へ
峰から伝染病へ到るまでの現実を
死の鍵盤は軋みつつ
それら敬意を
簡素な映像投影機は鏡像裡に逆立ちて存続し

一般的堕落の少年は既に放縦な外世界よりの逃走を砥ぐだろう

文学極道

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