どしゃぶりを食べる。
戦争にいって泣きじゃくった彼を食べる
つまり戦争をお腹一杯たべる
火薬と汗の腐った味
それをかみさまと言い換えた
人をたくさんたべる
いかいか死んでください
ぐだぐだいってんじゃない
わたしはいぬのように
いきることをたえずたべる
そしておなかいっぱいなったら
しぬ
飼われていることをたべる
私が世界に切断されたら
傷口から花が咲いてほしい
だから花言葉を覚える
めくるめく小説のように
食べる
鶯を、花を、
母を食べた
死ぬことはまだ食べてない
だから食べたい
物語をあげる犬にはせかいがないからものがたりをあげる私を舐める舌には私を見つめる瞳にはせかいがないでも生きている
ボビー
ナチスドイツにおける最後のカント主義者
こらいかいか出てくるな
ひともたべるよね
たくさんたべた
ボビーはレヴィナスを食べたし
私も食べられた
だから、私も
たべるね
ハイデカ食ったら下痢するぞボビー!!
犬が飼われることを
望んでいる、ことを知る
そうしなければ、私たちと、
家族にはなれない
服従しなければならない、
あの足で、
最新情報
選出作品
作品 - 20170707_732_9741p
- [優] 食べる。 - あらかわようこ (2017-07)
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食べる。
あらかわようこ