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作品 - 20170704_611_9734p

* 著作権は各著者に帰属します。無断転載禁止。


青い繃帯

  鷹枕可

菜種花と橄欖の膏薬に縁どられた昼よ
海星をおまえは踏み
海星はおまえを掴む
しかし誰が托鉢箱のなかに濁血の手套をなげ入れたのか
酷薄な街燈の穹窿よ
咽喉はきみたちの告解の価値を報せ
伝令鳩のベルは遅く鈍い採掘夫たちの掠めた鉱石の瞳の様にきみたちを水葬燈に切り開くだろう
巧緻の球体は蔓薔薇の鏤刻に呪われた歳月を確め歳月は煤窓の鍵盤を穿つだろう
酸い嗚咽よ、扁桃に拠り始めて表象と成る肉体を包む希釈液の吐瀉物としての死よ
自由の勿い瑠璃青を滑落してゆく市民達を
飛翔する幌と帆と懸架をされた銃剣の無罪証明は紛れなく別ち乍
建築体を渇く後悔の抜殻は映像機の、死の勿い眠りまでを乾き存在の興味とした

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柱時計
慈愛の終り
真鍮振動子の悪霊達
陽が堕ちる、地下階へ闡く石の死へ
機械創造家は
機械像の余命を燈の壜詰へ
禽舎の底に
裂開をした
水棲樹を物種として
売地を
終端より終端を
腐敗と偽徽章の季候へ曝す

閾を刻限として
褪褐色の地球像は
今なき鶏頭婦を静めながら
公衆へ
懲役を
檻車を鈍重な秒間延展物象時間へと孵し

青く薬莢の匂いは
死後生の塵程のつかの間を
糜爛し
禍根としての画廊を亙り
自由なき誕生は
死を死と呼慣らすまでの、橋梁と実象、それら構図

穢れた楕鏡を抱えつつ
 曠野を亙りゆくものもあり、

鋳物の血と
薔薇の透視法に
遠近を鳴る
緘黙の受肉週間に
経緯を織る岩窟の老姉妹に
第七の旋条門は開かれ、


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アウトマタ
機械耄碌家達の獄舎
蟻走車
橋梁は落ち
死者を喚呼する
ベルが鳴る
その名は
孤絶流刑地二十一世紀「地球」

麗しく
醜くも
終末的季候如何に係る
叛逆天使達の
黎刻肉体時計は
逞しき翼撓骨を引き絞りつつ
建築家を追放し
附記をされた這行類匍匐臓花は
球体矮星を呑む
藍青

乾燥写真を燃焼処置するものどもへ
議事堂の母胎は
現実
つまり
魘夢を
告解室の鏡像へ梳き毛髪の硬き公開衛生博覧会が
死の夢を死の夢を
死の夢を死の夢へと
孵開された叛花殻の
緘黙拇指を麗麗と欹てては

偶像、復 群像を呪わしき影像が履み
弛緩鹹湖の野棲無垢たる
剣百合の鋭角は
鐘塔建築の矮鍾舌を
被創臓物花の鉱体に褪色を及ぼし
別人としてを想像-増幅する
現像機関肉塊樹、オウイディウスの薔薇変容

花婿の死は緑礬の様に
そして花嫁の死は繃帯の様に、

文学極道

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