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作品 - 20170425_268_9569p

  • [優]  f被告 - 鷹枕可  (2017-04)

* 著作権は各著者に帰属します。無断転載禁止。


f被告

  鷹枕可

瀉血器が
悔悛死の自由を尊厳死を哂っていた
諸腕のない少女はつまり
失敗した
純血と濁眼の磔刑像に召された
宙吊りの針金からなる首像であり
朦朦たる花粉機械を
口腔外科前の駐車場に振動させていた

髄膜炎に周縁の果てを縁取る薔薇は薔薇でありながら薔薇ではないかの様に悪魔の臍帯を逸り
断頭台の
像と像を像する像は像する映像記録を像した
  一縷のティッシュの屑より虚誕を吐く両性具有のヴィーナスの髭豊かなる真鍮を割く働音を
独身者達の夜明、黎明の正気は
/
 /
/
「主題勿き部屋部屋に番号を振れ、
[兔と豊饒なる疫病の]
壁を
壁を
壁を
壁を
幽霊的存在の絶望の回顧展覧会に誇り驕れる
弛緩の海と辺縁」
壁が
壁が
壁が
壁が
窓ひとつとて勿き箱庭療法の、総て人間

で造られた
橋梁橋脚が落ち
幽閉された贋美少年を乗せて貨物船は船底を覆しながら次次と被告f氏の
露悪主義を哂って云った
「臨月の二十日前に鼠は
  畸形児だった」  

青いリボンを敷かれた精神病院は
鉄網の窓の隙間から
助けてくれと咽喉を切る
「看守は
暴君でせせこましい侏儒の、

奴婢で従僕で虜囚 からなり
死者達と未遂死の繰り返しに
自由は
自由のためいかなる福音の呪いを知るべきか」

f被告へ死を
f被告を絞首室へ
f被告への執行は花時計に
f被告への執行は午後四時二十六分に終った

文学極道

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