** 散文を歩く **
あさのみどりの道がらに
つめたい滴がホトと落ち
背中をかえりみ狐の山河
座り込んでうずくまる
おやすみなさい伝説
ドングリを拾う
アラカシの実を
みつぶ手に拾う
お休みなさいと
土枕に聴こえる
寝台の道を
のらりくらり
海をまたぎ
亜熱帯の
遠い記憶
** 流浪の木馬 **
よきよきやよき、われもこう
よきよきやよき、われもこう
哀しみはゆうべのことのよう
見上げれば、月はおくそ笑み
ぼくらを眺めているはずだが
きょうは無しか知らん雲隠れ
のきしたにうずくまる子が1人
ちかづいてみると、なんだかな…
ただのガーデニングの鉢には紅万作
なんとも勘違いしながら、ふー驚き
「でも、それ、見てるんでしょ?」
所々の家家にはイルミネーションがまたたく
子のみた景色が音のない路地に聴こえてくる
この静けさがたまらない
寒いよきであれば、温もるものもあるのだろう
ヘッドホンを両の耳にふさぎ、ぼんやりと
軽快なアドリブギターにめぐりあう
よきよきやよき
われもこう
哀しみはゆうべの
ときのようだ
あるきよみちを
とおとび、とおとぶ
よきよきやよき
われもこう
あるきよみちを
とおとび、とおとぶ
よきよきやよき
われもこう
選出作品
作品 - 20161001_858_9150p
- [佳] 散文を歩く - 玄こう (2016-10)
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玄こう