とむらったり とむらわれたり
獲得したとしつきで
いびつなたかみから許そうとしている
けもののような草花をふみたおした
夏のふうけいをまいそうして
吸いこんでいく
ひるすぎまでの断水
まだ遠ざかっていたい
■
こうなる以外にも なりようはあったのだと
ゆめの不正な咬合でおもたくなったあたま
ひとつづきでとぎれることのない感官
どこまでもどこまでもつづく
貯水槽のとなりに放置されていた自転車の
あざやかなしょうめつの緒をゆわえて
ほら、
戸棚のなかで水菓子がだめになろうとしている
桶のなかで金魚がだめになろうとしている
ふたついじょうの
欠陥がある
いきをするよおにいきているので
■
(あ、)
あの 競泳者のような雲たちのながれ
ねむたくなるようなゆうなみ
ウールであまれた洋服をぬいでいく
あかるさや
くらさではかることを許された
幼児のころにめぐったはてしない時間
ひかりの環からはずれて
月のプロセスをあいするということ
それは
まぎれもない下降だった
■
夜、になってしまえば
うつくしいたてがみのシマウマを抱擁する
そういうゆめをはじく器官となって
色彩をともなったいらだちを
突き崩していく
爪のすきまに入りこんだ
繊維状の
ゆめの天体
蝉のはねよりもあわい
白線のうえを歩いていく
ここはまだ浅瀬
どこまでもどこまでもつづく
消灯、
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選出作品
作品 - 20160908_474_9090p
- [優] かのじょの肖像 - あやめ (2016-09)
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かのじょの肖像
あやめ