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作品 - 20160906_370_9080p

* 著作権は各著者に帰属します。無断転載禁止。


痛ポエケット ブースNo.ヌ―69【百合イカエロイカ】

  百合花街リリ子

おおきに
ようおこしやす
同人誌月刊『百合イカエロイカ』編集長
百合花街リリ子どす
本名は宮沢いいますねん
宮沢ゆうても
りえ違いますえ
ケンヂどす
嫌やわぁデクノボーやおまへんえ
百合棒どす
幻想的なイマジネーションと
卑猥なオノマトペ駆使して
官能ロマンポルノ百合ポエム書くのが趣味どす
どうぞごゆるり見ていっておくんなはれ
おぶう如何どすか
せやせや聞いておくりやすこないだ
ベッドの下に隠したエロ本
サンタフェとか百合姫とかMY詩集とか最果とか
オカアハンに捨てられてもうたんどす
殺生どすやろ
もう恥ずかし過ぎて死んでしまう系
まあよろしおす
ほんまはもっとえげつないコレクションありますのや
若い頃はおつれらと隠れて
よう展覧会- exposicion - 開いたもんどす
アートどすえ
エロスとタナトスとペーソスとおいでやすとよろしおす
メルヘンチックなはんなりオナニーさせたら
プロ級どすえ
チェリーやけど
あ、
見てくれはりました?
あての代表作
『春画鉄道69の夜』
猫耳の女バンニと姦パネルラが
永遠の少女性
不老不死の身体を手に入れるため
深夜の京阪電車に乗って旅に出る
そうどす
京阪乗る人おけいはんどす
あ、
先言うときますけど
あての痛ポエム
罵倒もスルーもどこ吹く風
痛くも痒くもあらしまへん
心理分析しはっても
一筋縄ではいきまへんえ
亀甲縛りどす
これはギャグやと罵る前に
考えてもみてもらいたいのは
ハンネでしか本音を言われへん
自虐をギャグにするしかあれへん
屈折した哀しみの中にこそ
ポエジーは宿るということ
それがいわゆる
ハンネの日記……
なァんてね(^-^)v
だいぶ話が脱線してもた
鉄道だけに……
ガタンゴトン
ガタンゴトン
パンタグラフ!
ほんで女バンニと姦パネルラが
生八つ橋をポクポク食べながら
白鳥の頭を模したディルド使うて
出町柳から
パコパコ
パンパエコ
パンコパンコパン
天満橋で姦パネルラだけ
サウザンクロスに
昇天しはった後
どこからともなくダーさん来はって
「えいえんなんてなかった」
「知らんがな」
ゆうやつ
知りまへんか
もう、いけずぅ、あんたはんモテ系か羨ましいわぁ
それとか
『オプションの多いレズ風俗店』
名門女子高
聖宝塚カサブランカ女学院高等部に転入した
転校生(美少女)の設定で
演劇部のクラブ活動中
発声練習してたら知らん間に
部長(クールビューティー)に白いブラウス脱がされてもうて
姫百合のシロップ塗られてしもて
くぱぁ
あん、食べられてまう
お姉様そこはあきまへんえ(>_<)
堪忍しておくれやす
あっ、声出てしまいますえ
あっ、おぅ、いぃ、うん、えぇ、おぉ、あぁん、おおぅ
あそこが熱いなあいうえお
もっとさわさわしておくれやす
おねえさまああああ━━━━━っ!!
トロトロ
ゆうやつ
これも知りまへんのんか
いちびりどすえあんたはんリア充やおまへんか妬むわほんまに
いつやったかオトウハンに
「あてが死んだら
エロ本と百合ポエム
ぜんぶ燃やしておくれやす」
ゆうたらオトウハンが
「当たり前じゃこの恥さらしが
なに童貞と中二病ダブルでこじらせとんのや
手遅れやないかわれアホかボケカスブブヅケェ」
言わはって
いくつになっても有り難いのは
親の愛どすなぁ
ほんま


 なぁ、と詩子
 あてももうすぐそっち逝きますさかい
 一緒に食べよな
 生八つ橋
 三途の川で納涼床

 みんなの幸のためならば
 あてのからだなんか
 百ぺん抱かれてもかましまへん

 なぁ、と詩子

 おまはんひとり
 幸せに出来なんだあての
 ディルドみたいな痛ポエム
 何処に何を挿入しても
 ほんとうの天上へさえ行ける切符には
 ならしまへん
 あての心の処女膜は
 もう誰にも破れんのどす
 童貞と中二病だけやおまへん
 シスコンも入れてトリプルで
 銀河の果てまでこじらせてます
 せやから言いましたやろ
 これは詩やおまへん
 痛ポエムや
 ただの
 妄想スケッチや
 て


あ、お客はん、ちょいと待っておくれやす
『百合イカ』買うておくんなはれ
姉妹誌の季刊誌『百合詩ーズ』もありますえ……



 *****



『ジューンリリイブライズ(シックスナイン)』


 永遠を誓うなら6月
 雨に咲いて
 双子の様に死のうと決めた。
 ソックスガーターを脱がせ
 白い足首に
 口づけすると
 桜桃の匂いがしたから。

 ━━ねえ、姦パネルラ、何処を歩いて来たの?

 ━━薄氷。

 トゥシューズの乙女のように
 爪先立ちで歩いて来た
 私たち、
 白鳥の停車場まで

 ━━見て、女バンニ。

 姦パネルラの足首から脹ら脛
 膝の裏から内腿へと
 舌を這わす
 薄紅色の花芯の脇に
 小さな蟹のような痣がある。

 69

 ケンタウル、露を降らせ
 ケンタウル、露で濡らせ

 サウザンクロスへ
 一人で逝った姦パネルラ。

 残された私も一人
 そして迎えたSeptember
 〜サヨナラも言えずに〜

 らっこの上着を羽織り
 今夜も
 星めぐりの歌を歌う。

文学極道

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