駅のホームに
棺が置かれていた
溺れて死んだ山羊が
花に埋まっていた
触れようと手を伸ばすと
棺は燃えあがった
花の匂いと混ざりあう
生きものの焼ける匂い
わたしは知らない少年と手をつないで
うねる炎を見あげている
炎が消えてからもずっと
焼け跡をみつめている
最新情報
選出作品
作品 - 20160423_107_8772p
- [優] 火葬 - ねむのき (2016-04)
* 著作権は各著者に帰属します。無断転載禁止。
火葬
ねむのき
* 著作権は各著者に帰属します。無断転載禁止。
駅のホームに
棺が置かれていた
溺れて死んだ山羊が
花に埋まっていた
触れようと手を伸ばすと
棺は燃えあがった
花の匂いと混ざりあう
生きものの焼ける匂い
わたしは知らない少年と手をつないで
うねる炎を見あげている
炎が消えてからもずっと
焼け跡をみつめている
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