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作品 - 20160315_243_8697p

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夜の重さ

  ねむのき

スプーンで海をすくう
すると
水のうえを 船が走ってゆく
船のうえでは ひとが笑っている

わたしは
暗やみに子どもを閉じこめた
しずかな波の音
とおい凪を かんじている

子どもの ひらかない口には
言葉にならないことばが 詰まっていて
ひらかない目は
水にひたされた月を 見つめていた

わたしの両手から 溢れる
夜の重さは 
やがて 十字架にかわり
すべては
ありふれた 暗やみだったと
磔にされた 小さな背中に
教えている

(誰も
教えては、くれなかった、

わたしは目を瞑り
わたしを暗がりに 閉じこめる

船のうえで
わたしの殺した 子どもたちが
遊んでいた

笑いながら
顔のある果物を 食べているのが
みえた

文学極道

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