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作品 - 20151010_464_8364p

* 著作権は各著者に帰属します。無断転載禁止。


ふっかつのじゅもん

  はかいし

『詩をやめる』

ランボー、ランボルギーニ、ごますりの回数だけ、
僕は詩をやめる、僕は詩の部屋から出て行くのだ、
カーライル、ソードマスター、あんたの額には、
かすかな傷跡が残る、腐海の底から泣き出したような、
明暗の地を行くうちに、果てのない海に漕ぎ出した、
ゲームオーバー、そこでだ。

詩ができる、僕っちの勃興を見てくれ、
なんて可愛いんだろう、カーライル、奥さん、
反逆者、そこに詩が生まれる、
詩は生まれてから光のようになり、
辺り一面に積もっていく、
勃起したみたいに、光の山ができる、
そこで伝説の言語は途切れる、
ゲームスタート。


『生きる気力がない』

生きる気力がない
だから眠る
眠ることは死の代補
その深遠なる道を
どこまでも降りていきましょう

秋がやってくる、
亜紀がやってくる、
白亜紀がやってくる、
ライフガード、ライフセービング、
かの男のいかれた頭では、
果たして美人と美人でない人のどちらを先に助けるのか、
しつこいなあ、もう
やめてくれ! もうやめてくれ!
勘弁してくれよもう!
な、感じで書けるぜ、
亜紀が通り過ぎた道のにおいを嗅ぐ、
すると春の雨のにおいがする、
亜紀なのに、秋のにおいじゃない、
亜紀のにおいじゃない、
白亜紀の恐竜たちの休息が解かれ
僕たちとなって前進する、
僕は僕でないものたちに生贄に捧げられ、
春は雨となって前進する、
存在が存在でないものと衝突する、
だが存在でないものとは?

雨は使い古された素材だ
今や語るのにも値しないだろう
プロコフィエフ、プロコフィエフ、
美しいミサイルとともに、
僕らは発射される、
厭う、痛うてならん、
あの闇の中で、ポエニークを掻き分けて、
僕が鎮座した、夢の通路を、
林に例えながら、木々を抜け、
通り雨のように、あるいはまた、
雨のように通り、
ペトルーシュカ、ペトルーシュカ、
存在の彼方に、
その青い目を差し出す、血だらけの目を、
あの人形のことを考える、
そして憂鬱になる、僕は、僕は、
生きる気力がない、
だから眠る、
眠ることは死の代補、
その深遠なる道を、
どこまでも降りていきましょう、

生きる気力がないものたちへ、
僕は君と同じ感情を共有してなどいない、
君はただそのけだもののような感情を、
抑え込まず、ただ吐き出しさえすればよいのだ、
だから眠る、
眠ることは死の代補、
その深遠なる道を、
どこまでも降りていきましょう、
そして夢を見ましょう、
時間と空間が分離せず一緒になった世界の夢
カントを読んで音楽がただの快楽に聞こえるようになる夢
垂れ流しの青い空のような何かを掴み取ろうとする夢
愛と平和と鳩と手品が順番に繰り出される夢

生きる気力がない、
だから眠る、
眠ることは死の代補、
その深遠なる道を、
どこまでも降りていきましょう。


『』
まどかマギカのブレスの音が聞こえる、
アルヴァ・ノトの音楽のように、
あるいは〜のように、と言い表されるすべてのものたちに、
捧げられた愛と愛の無効と、そ
して彼らははかなく閉じた、とい
うことは無効とは思われず、すな
わち伝説は電設となってしまう。

クラフトワークを聞こう、機構のような音楽、
音楽のような機構、アンビエント、電気、機
械屋、村雲、叢雲、雲の村に住んで、わたし
はわたしではなくなる、青の洞窟に入り込ん
で、わたしは瞑想してゆく、心の隅から隅ま
で青くなる、さらに青さへと向かう、アオサ
の茎のように、目も青くなる、顔も青く、
胸の傷を隠したまま(「夜明け生まれくる少女」より引用)

血を、
青く染める、あお、あお、
ああ、おおい、ああ、おおいおおい、
あおいあおいあおい、葵ちゃん、

殿下、電化製品を制圧致しました、電荷を
電解しながら、天下統一へ向かいましょう、
向山先生、むらさきのケムリが暴れていますよ、
返して、返してよ、
ね、ね。

ニーソックスはknee-socksと綴る
膝まで続く星の流れのように、いやこれは比喩ではなく
異次元のように魔界を見渡したのだ、いやこれも比喩ではなく
ではなんなんだ? さあ知らない、さあこれからだ、これから始まるのだ

ロックは死んだ。
神は死んだ。
は死んだ。
ハシンダ、ハシンダ、

ように、ように、
月に向かう髪のように、紙のように、

「のーくにー」
「おお、イイぞぅ」
byドラゴン桜


『Windows』

窓ども
が砕け散る


のように
ノイズを祝う
のい

っと好きだよ
のように
     ばら


ばら。         の

ふらん        したい

     のように
  腐乱

したい。

     あい

  それは    何?

      それは    悲しみ?     憎しみ?
  できれば
遠ざけて     おきたい
                          反射の

ように

       (ように)

               (ように)

夢を
語るとき
いつも
一人だった
僕は
窓ガラスを
粉々に
砕き
その破片で     (飛沫で)
血を
流しながら
       ふく         しゅう
              を
誓うのだった

文学極道

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