戦慄の墜ちる雷イカズチを
詩的に完全無防備に言語世界は
あなたの意のままに繰(ク)るのです
必至の責務に 完全無防備に
わが胸の奥底に 広がる
失念と失望に綴じながら
時の伴より 送り詣でる
あなたの伝書を届けてくれた
鳩
大陸と大海の肩に
密約の諸事を 知ったがために
肩に触れるその霊は
ヴィジョンを走らせ美音を引き抜く
目に付随する瞬間(トキ)を宿し
あらゆる行間から
言葉は同時に
溶かれ放たれていく
鳩
半ばちぐはぐに踊ってみせる
ハンモックの黒い赤んぼうたち
ふたつの手のひらを握りしめ
バイバイと手を振っている
喜び哀しみ怒りを握り
幾多の先人の斜交いを滑りながら、
空の青さ 緑の萌える
幾多の彩りを
見分ける瞳を
笑う
鳩
貴女の乳房を咬みながら
ぼくらは豊潤な歓びを味わう
観る瞳が
人の愛くる世界を聲の側カタエに
看ながら
呑み干されたワイングラス
僕はクシャミをし
毛布にくるまり
耳障りな
ヘックシ、と
風邪をヒク よな
ほこりの立つ
掘っ立て小屋の街に居る
鳩
あなたが送る 実りの蜜を降らせた、しークシ
涙、ポロロヨダレ るるるh ooラララ 鼻水、ポシュン
キミがクシャンとクシャんだから
ぼくは鼻水、ポシュンだ
涙、ポロロ ロロロロロ
ヨダレ るるるhooラララ
盲目のタクトに神経を尖らせ
両の指から半身・全身・肩身輪踊ワルツ
タクトを振っていた。
老いた男が目を閉じ 〜っと、ニッコリ そうしてゆっくり、黙り・コックリ
鈴の音が聴こえる
鳩
※
人差指の先からお前の顎と頬に滴るお前の赤く染まる過去の眠り
寝息を立てるお前と唇が絡み合う舌の音階、コンダクトしていく
されば フェニキア ソロモン の ルカチア 蝶の舌 翡翠の宝石 ルカチア
気持ちよく眠る汝の袂 わが胸の奥底に
広がる鳩よ 青く空 森羅万象
緋色のくちびる
貴女の喉もとの茎に
僕は鋏をいれ壺に挿す
※※
夜明け前 2015 09 24
朝の光を背にくるみ
私の歩く かげうつす
首から頭を持ち上げ
黙って見下ろせ!
何ソレ未知か!
直須足下無一糸去
(−本の糸ほどの足跡も残してはいけない)
素足で歩きたい、
地球の足ウラに撒かれた海の砂つぶ
泥水に溶かれた水たまり
両 足 膝 が 両手一杯 地にぬかづく
舌にまかれた蛇がいる
泥酔の口をあけ 喉もと奥の
腹の虚室が むせかえり
つばき一滴 透明な糸を垂らす
断つつもりの酒 が!
私を ふたたび
おとしめた
吐物を頬にこすりつけ
青く透明な色艶が額に輝く
朝が来る、
空が白む前から
陽がすでに昇っている
私は
立ち上る、
立ち上る前から
立ち上る
午前5時
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作品 - 20150924_106_8328p
- [佳] 鳩よ! 夜明け前 - GENKOU (2015-09)
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鳩よ! 夜明け前
GENKOU