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作品 - 20150924_106_8328p

* 著作権は各著者に帰属します。無断転載禁止。


鳩よ! 夜明け前

  GENKOU

戦慄の墜ちる雷イカズチを            
 詩的に完全無防備に言語世界は
  あなたの意のままに繰(ク)るのです
必至の責務に 完全無防備に 
わが胸の奥底に 広がる
 失念と失望に綴じながら  
時の伴より 送り詣でる 
あなたの伝書を届けてくれた 
      鳩
        
大陸と大海の肩に               
密約の諸事を 知ったがために
肩に触れるその霊は
ヴィジョンを走らせ美音を引き抜く
目に付随する瞬間(トキ)を宿し        
あらゆる行間から
言葉は同時に
溶かれ放たれていく
      鳩

半ばちぐはぐに踊ってみせる
ハンモックの黒い赤んぼうたち
ふたつの手のひらを握りしめ
バイバイと手を振っている
喜び哀しみ怒りを握り

幾多の先人の斜交いを滑りながら、
空の青さ 緑の萌える 
幾多の彩りを
見分ける瞳を 
笑う
      鳩


貴女の乳房を咬みながら
ぼくらは豊潤な歓びを味わう
観る瞳が
人の愛くる世界を聲の側カタエに
看ながら
呑み干されたワイングラス 
僕はクシャミをし
毛布にくるまり
耳障りな
ヘックシ、と
風邪をヒク よな
ほこりの立つ
掘っ立て小屋の街に居る
      
      鳩


あなたが送る 実りの蜜を降らせた、しークシ  
涙、ポロロヨダレ るるるh ooラララ 鼻水、ポシュン
キミがクシャンとクシャんだから
ぼくは鼻水、ポシュンだ
涙、ポロロ ロロロロロ
ヨダレ るるるhooラララ                
盲目のタクトに神経を尖らせ
両の指から半身・全身・肩身輪踊ワルツ
タクトを振っていた。
老いた男が目を閉じ 〜っと、ニッコリ そうしてゆっくり、黙り・コックリ
鈴の音が聴こえる
     
      鳩 




               

人差指の先からお前の顎と頬に滴るお前の赤く染まる過去の眠り
寝息を立てるお前と唇が絡み合う舌の音階、コンダクトしていく    
  されば フェニキア ソロモン の ルカチア 蝶の舌 翡翠の宝石 ルカチア
            
気持ちよく眠る汝の袂  わが胸の奥底に 
広がる鳩よ 青く空  森羅万象 
緋色のくちびる
 貴女の喉もとの茎に
  僕は鋏をいれ壺に挿す


※※


  夜明け前  2015 09 24 

朝の光を背にくるみ
 私の歩く かげうつす

首から頭を持ち上げ  
 黙って見下ろせ!                       

何ソレ未知か! 
 直須足下無一糸去
(−本の糸ほどの足跡も残してはいけない)              
    
素足で歩きたい、        
 地球の足ウラに撒かれた海の砂つぶ 
  泥水に溶かれた水たまり 
 
両 足 膝 が 両手一杯 地にぬかづく
 舌にまかれた蛇がいる
  泥酔の口をあけ 喉もと奥の 
   腹の虚室が むせかえり  
    つばき一滴 透明な糸を垂らす

断つつもりの酒 が!
私を ふたたび
おとしめた 
 
吐物を頬にこすりつけ
青く透明な色艶が額に輝く

朝が来る、
空が白む前から
陽がすでに昇っている
私は
立ち上る、
立ち上る前から
立ち上る

午前5時 


 

文学極道

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