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作品 - 20150907_719_8299p

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蝉と艦隊

  Migikata

 落ちた蝉に雷神が憑依し、階層ごとの十万の世界に展開する総ての定理の根底を震撼させる。鋼鉄の艦首が海の脊髄を切り、記憶の集合体を勢威により支配せんと表音の地平へ遠征を試みるとき、蝉はおしっこを飛ばして覚醒する。肉の受胎する呪われた幻想を放電の物理で捌くのだ。
 トーチを握る手を離すな。蒙を啓け。明白な名を持つ機関に油を注し、自転の地軸をずらすな。自他ともに死すべきものは死し、生くべきものは生き、生き物は皆収縮し弛緩し、永遠にことの顛末に驚愕せねばならぬ。教皇たちが並べる艦隊に抗い、海に水の波を、地上に草の波を巻き起こせ、高く。干からびた球体の皮膚全面に神経と血管の、震える網を掛けよ。対流する純白のマントルが最深部から四千度超の興奮を持ち上げ感覚は正しく欲情の突端を研磨する。
 真鍮の六分儀が砲の射程を定める。砲弾はきりきり回転しつつ愛と破壊の諸相を夥しく糾合する。ねじり巻く空気の層の奥から感情の胞子が原色をまぜこぜにして粒つぶと湧出するのだ。鉄環で連結された七十一億二千八百九十一隻の艦艇から集中砲撃の標的とされるのは、脚の先の鈎が樹皮からはずれ、クヌギの木から堆積する腐葉土へ仰け反り落ちたお前だ。蝉の皮を被りさらに脱皮を待つ、悪霊にも斉しいお前の、その陽にさらされカサカサに乾いた無垢な魂の残骸だ。
 猛烈な乾燥に見舞われた魂内部の擦過の、その霊的な熱が神を呼び招き、電荷の負荷が孵化し羽化し登仙し当選し当然雲を呼ぶ。六本の脚をばらばらに藻掻かせ開かせ、瀕死の性技に甘酸っぱい涎の滴りをはふうと糸曳いて漏らし、生殖能力の焼尽した卵型の未来への把手を握りしめて。雲の掌が地球という球体を鷲掴みにするとき、集束した宇宙線の筋肉繊維がごくんごくんと脈打ちラララ盛り上がるララ。

 壊滅の展開図

落雷火の菫落雷火の菫落雷火の菫落雷火の菫
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すみれ落ライヒノ菫らくライひのスミレ落雷
火の菫ラくらいひノスみれらKうラI落雷火
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 腐臭の展開図
 汚濁の展開図

文学極道

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