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作品 - 20150209_043_7902p

* 著作権は各著者に帰属します。無断転載禁止。


名もない朝

  山人



失意を助長させるように
朝は無造作に切りひらかれて
風とともに雪が舞っている
わたしの前で理想は裸に剥かれ
細く小さく哭いている
風の圧力があらゆる隙間に入り込む音
体の底から口までまっすぐ空いた管の中を
冷たい季節風が流れ込み
刃物のように音は鳴っている

差し迫る年末の気配に
急かされるように
日没は容赦がない
体内の、そのまた体内の、さらにその奥の
そこに潜り込むように夜を迎える
宇宙のひと粒の日常が黒く塗りつぶされる

記号のような日
背中を押される囚人のように
その扉を開ける

文学極道

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