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作品 - 20141022_393_7714p

* 著作権は各著者に帰属します。無断転載禁止。


ロープと完璧な列

  織田和彦



真夜中の0時に
セルフのガソリンスタンドで
車の給油口に
ホースを突っ込んでいる人を見ていた

斜め向かいのローソンで
金髪に髪を染めた少年たちがたむろする
真夜中の307号線

ぼくはポケットに手を突っ込んで
マルボロに火を点けた

3日ぶりの煙草に頭がクラクラする
パッケージに見つめる
8ミリグラムの表示

若くて金が無く
行き場所が無かった頃

思いつめてよく夜の街に出た
田んぼの中に
コンビニの明かりしかない
田舎の街だ

犬のように信号のない道路を渡り
壊れかかった心が
胸からこぼれおちてしまわないよう
時々心臓を押さえた

10キロでも20キロでも歩いた
知り尽くした街の
何度も歩いた場所をぐるぐると

今はもう
同じことはできない
20年前に抱えた絶望は
ぼくの体の一部となり
新たな希望を産んだ

途絶えたDNAの一部は
まだ過去に生きている

まるで人生の修理屋さんのように
様々なパーツを抱えながら
こっちを見ている

文学極道

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