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作品 - 20140521_047_7462p

* 著作権は各著者に帰属します。無断転載禁止。


17時発熱海行き

  はかいし

失われた時を求めて、どこまでも旅をする私がいた、私はカッパに出会ったばかりの少年、私は山へ消えゆく少年、私は川へ流れゆく少年、夜、ブログのところはもう少し削ったほうがいいと思った、(この詩は旅の物語なのに、カッパの話が出てくる)(もう終わらせてもいいかい? まだだよ)(このコメントは管理人だけが閲覧できます)(それというのも作者がカッパの出てくるアニメを見たからで。もうしばらく付き合って欲しい)(嫌だなあ)(旅の途中に見た夢の夢のまた夢夢)(覚書によれば十二月二十日)(燃える火の中を通り抜けても平気な化け物になって何度も通り抜けた)(はじめから終わりまで一本道だった)(プルーストのように長い回廊を通り抜けて)(今私はごろごろしている、布団の上で)(プルーストのように)(ごろごろしている)(終わることのない流行り病がまたやってくる)(戦士のポーズをとった人々が近づいてくる)(釘宮君が部屋を出ていく)(胡桃谷君が部屋に入っていく)(あやめが出ていく)(ありがとうございました間もなく東田子の浦 田子の浦です)(隣に座っていた人の本の中にある「そのことから、一つの疑惑が生まれた」という文)(ドアを閉めます ご注意下さい)(自由にもってこれない)(余白とかも両端3ミリずつ自分で決めたら使えますよ)(英語もよくわかんない)(すごいな)(一人で行って動ける?)(明るい)(やべえやべえ)(冷蔵庫入って)(めちゃくちゃ勉強したっつってたから)(違うんじゃない?)(日本へそ攻撃)(人工衛星)(何を話しているのかよくわからない)(ご飯美味しいところ行きたいなあ)(これが列車の中での会話だと誰がわかるだろう)(喫茶店)(オリジナル)(静岡行って帰ってくる)(キャラとかやっちゃったら)(それしか使えない)(次は沼津 沼津です)(誰かわかるよね)(アンケート)(一階に大きな……(……のところはよく聞き取れなかった))(三時間!)(お出口は右側です)(前方と左右から会話の声を感じる)(お疲れ様です)(右側の集団が消えた)(オレンジっつった)(列車の出入りがあった)(リクルートスーツを身にまとった人々の群れ)(が前方から左手にかけて見える)(不審な荷物などございましたら……車掌までお申し付け下さい)(間もなく三島 三島)(階段上らされてる)(階段)(階段使えてるんでしょうか)(リクルートスーツを身にまとった人々が降りていった)(電車が線路の上を過ぎていく音が心地よい)(間もなく函南 函南です)(バイバイ)(ドアを閉めます ご注意下さい)(僕はどうしてこんなことをしているんだろう)(次は終点 熱海 終点 熱海です)(前に座っていた学生がセーターを着こんだ)(携帯の電波表示が圏外になった(トンネルをくぐっているせいだろう))(僕はしたいからこういうことをしているんだ)(学生がセーターの腕を捲って時計を見た)(17:38)(こう表示されたことだろう)(あるいは少なくともそれに近い値が出たろう)(というのも僕の携帯がそうだからだ)(あの学生もじきに降りるだろう)(僕も降りて乗り継ぎの列車を探すだろう)(そして降りた学生と一緒に東京行きに乗った)(というよりは偶然一緒になってしまった)(坊主頭のその学生と目が合った)(威圧するような、そして意志のこもった目だった)(彼はスマートホンをいじくっていた。きっとラインでもやっているのだろう)(何を話しているのか)(いいや僕が気にすることじゃない)(さて列車は湯河原へ向かっている)(湯河原でその学生が降りた)(そのまましばらく眠りこけていた。気がつくと列車は二宮に向かっていた)(ふと山手線のことを考える。あの循環する線路はきっと退屈ではないか?)(窓の向こうを見る。人、人、人、目に写るのは人ばかり)(屋根、ビニールハウス、竹林、畑、家、家、列車、家、家、……)(次は平塚)()(いったい何を書いたらいいんだ!)(何を書いたら気がすむんだ)(気は休まることがない)(気、気、気、気は休まる気配がない)(ちょっとだけ気になる)(一日一行……くらい……)(喋らないと息が臭くなる)(喋らなければならない)(Green Card)(Gracias a la vida)(次は茅ヶ崎 茅ヶ崎)(笑い)(……笑うと思うけど……)(あれ……)(四月と……)(終電……)(で頭なんか……)(違う違う……)(……ろしく)(……でもまだ……)(……トレーニング……)(君は何を目指しているんだ)(重い言葉がきたね)(笑い)(顔が怖い)(話してみて)(総合的な)(ああでもちょっと似てるかも確かに)(いい人だよ)(……)(期待されても……)(それ大事だよ)(……スナックは……)(ここで途切れている。作者の体力が限界だったのだろう)(さて、カッパはどこへ行ったんだろうか?)(答えはどこからも返ってこない)

文学極道

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