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作品 - 20140429_671_7419p

  • [佳]   - 中田満帆  (2014-04)

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  中田満帆



   かの女が何回飛んだなんて
   だれも知りはしないんだ
   けっきょくあのへんの空域がどうなってようと
   朝食のまずさには変わりないんだからね
   ほんといえばきみのことは好きじゃないし
   発動機みたいなからだもいやな感じがしてる
   だってこっちは生まれたての如雨露なんだもの
   水なんかでやしないさ
   きみが週にいくら飛んだってかの女にはなれやしないんだ
   いくらでも何度でも壁にぶつかるといいよ
   きみがこなごなになるころにはあのまずい朝食とはおさらばだから
   出会うことがいつだっていいとはかぎらない
   それはだれでも知ってることだろ?
   撲りつけられた子供たちが
   やがてだれかを撲りつけるんだってさ
   やっぱりおなじことの反復でしかないんだもの
   空飛ぶサーカスのように愉快になんかなれやしない
   どっかでねじまがったものがいまになってだれかを蝕む
   でもかの女は決してそうなりはしないんだ
   壁をいつも飛び越えていつか
   みんなのみえないところへ
   飛んでいくからだ
   ところで
   バスの時間はいつ
   それともここには来ない?

文学極道

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