初めて現代詩を読んだのは、柏駅のビルにある書店で現代詩手帖を立ち読みしたときだった。当時私は19歳で、漠然と沢山の出会いを受け身で待っている孤独な少年だった。だが現代詩は私のそのような欠落を埋めるものではなかった。それは落雷のように、発火のように、刺突のように、私の空洞の底を突き破ってどこか遠くへと去っていった。私は突き破られた傷の痛みを現代詩との出会いの証拠としてその後大事に保存するようになった。
――草の種の表皮が破れて小さな芽が出てきた。真っ赤な芽が辺りに散在する宇宙に一斉に見つめられ、弱々しくその真っ赤な色を恥じた。だが芽を組成する幾何学はすべての宇宙を証明する可能性だけを持っていた。
現代詩を書くとき、それに先立つ静寂が熟していく。詩を書くということは、粘土をこねるようなもの。充満した液体が閾を超えて溢れ出していくようなもの。そこには語りえない技術が詩の源泉に介入していて、技術は否定に否定を重ねて、最終的に肯定にまでは至らない緩やかな証明を与えることで詩行が生まれる。決して治癒に至らない火傷、裂傷、骨折が、その熱ゆえに身近な道具を鎔かし尽くし、抽象的な合金を作り上げる。もっとも光り輝く憎しみが、その矛盾ゆえに生活の細々した豊かさに休息を求める。
――草はすべての方位に向かって頑なに分枝していった。いや、方位は意味を持たなかった。枝を生やすごとに周りの空間は全く別のものになり、新しい空間に突き刺す試みが必要だった。草には花の概念がなかった。
やがて、私の中の詩人は一度苛烈に死んだ。私の持っていた詩人観に私自身がそぐわなくなってしまったのである。詩人とは純粋な否定の機械でなければならなかった。伝統の重苦しさを否定し、社会の押し付けてくる責任を否定し、他者との連帯を否定し、言語を憎まなければならなかった。だが私はもはや否定の絶対性に縋ることができないほど、すべてを愛しすべてに与える人間になっていた。否定の原理が愛の原理にとってかわるとき、その原理から演繹される私の詩人観も、張り巡らされた緊張する神経が緩まるように重力を確かに感じるようになった。否定が死に孤独が死に傷が死に憎しみが死んだとき、私はその夥しい死骸の上に新しく生まれ変わっていた。さようなら、はじめまして。
――草はようやく花を咲かせた。これまで咲いていたと思っていたのは色違いの葉っぱに過ぎなかった。本物の花が、星々が蜜を吸いに来る花が、アジア・アフリカ・アメリカ・ヨーロッパ、あらゆる地域の草原を埋め尽くした。
詩は世界だった。詩は物語だった。詩は無数の人物の相克の舞台だった。詩は明確に概念を述べるものだった。詩は小説だったし、詩は評論だったし、詩は戯曲だった。立体から平面、平面から線、線から点へと分析される人生のあらゆる細部に、瞬間から出来事、出来事から物語、物語から歴史へと総合される人生のあらゆる運行が宿っている。謎を謎のまま証明し隠すことで詩は成立し、喪失の痕、獲得の痕、流れの痕の上に正確に立つことで詩は育っていく。詩は痕跡を歌うものなので、常に何かを失っていると同時にその何かの痕を必ず得ている。ひさしぶり、ひさしぶり、ひさしぶり、ひさしぶり。
――草は実を生らせた。実はそのまま熟し、草の枝に生ったまま発芽するだろう。今度の芽は緑色だ。大地と風と日光と雨とをどこまでも流れていく変化する緑色だ。草を取り巻く人生群はせわしなく生活する。草もまた内部において生活する。生活の散らばったところに宇宙の中心はささやかに宿っているのである。
最新情報
2014年04月分
月間優良作品 (投稿日時順)
- 草 - zero
- 葉 - zero
- MAXWELL'S SILVER HAMMER。 - 田中宏輔
- 猿の夢 - しんたに
- 天使の骨盤 - MANITOU
- あなたの春の一日 - 鈴屋
- STATION TO STATION。 - 田中宏輔
- 静かな氾濫をこえて―四つの断章 - 前田ふむふむ
- お化けになりたい女の子のはなし - 熊谷
- 包まれる夏の風景 - 前田ふむふむ
- 交遊記 - 夢野メチタ
次点佳作 (投稿日時順)
- 遥か彼方に浮かぶ雲を - はかいし
- 春の原因 - 深街ゆか
- アジェリッド(湧き水) - 草野大悟
- 春の座標 - Lisaco
- e・e・カミングス - 中田満帆
- 春を慈しむ - 破片
- うどんの想像力 - リンネ
- 小さな春のタチェット - 竜野息吹
- 壁 - 中田満帆
- ヒヤシンスの特徴 - 深街ゆか
* 著作権は各著者に帰属します。無断転載禁止。
草
葉
伸ばした手、求める手が落ちていく
信濃川の流れを
国道4号線を
池に沈んだ石は頭痛で回転していて
パラシュートは風の汚れを無視する
落ちるのはほんのわずか
朝焼けがいつの間にか白色に変わるように
同輩たちの贈り物は落ちていく
落ちる先にあるものと落ちる先にないものは減算されている
*
夢の中で僕はあなたに恋をしていました
あなたの面影は逆光で良く見えず
ただ部屋の中の椅子に座りひっそり佇んでいるあなたを
僕は甘やかな気持で眺めていたのです
部屋は開かれて幾つもの光が交差し
夢から覚めると
途端にあなたの性別が分からなくなりました
僕は性のない人に恋をしたのです
*
冬が好きだった
空気の冷たさは人々の冷ややかさ
葉のない木々は孤独の渇き
底の見えない夜は絶望の深さ
冬はそうあることで冷やかさ孤独絶望全てを許してくれると思った
こんなにも嫌われがちな気取った感慨を許してくれると
冬は何よりも優しかった
だが僕は今そんな冬を温める仕事をしている
*
ドアを開けると
その先にはまたドアがあって
その鍵を開けるのに一苦労し
そのドアをやっと開けてもその先にはまたドアがあることは
余りにもわかり切っていることだから
開けたドアをいったん閉めて
しばらく元の部屋にとどまってみる
時計の音を聴き
布団に身を投げ
軽く本でも読んでみる
*
人間ではなかった
人間に近くもなかったし
人間に似てもいなかった
だが人間のように呼吸し
人間のように恋をし
人間のように死んでいった
そいつを何と名づけるかは各人の自由だし
そいつも今となっては気体と液体のはざまにいるだけだが
試みにそいつを
「私」と名づけよう
*
何かをドロドロに溶かしていく
その何かは僕の体であったか
あなたの幸せであったか
彼の失敗であったか
今となっては判らない
輪郭は余りにも鬱陶しいから
言葉は余りにもやかましいから
形や言葉を逐一ドロドロに変換していき
そのドロドロをおいしく吸いながら
今日も僕は生き長らえるのだ
*
早朝、薄明が家や木に移ろいを与える頃
ガラスのような空から太陽が歌い出した
建築に重さと堅さを与え
木から秘密と悔恨を奪う
その歌声は水晶のような挨拶
僕はその挨拶に応えるために後ろを向いた
無防備な背中の広がりに歌を泳がせて
大きく息を吸って太陽に小さくごめんなさいと
*
捨てられ続ける現在を
拾い集めたら過去になっていた
この過去は未来にしたい
この過去は未来にしたくない
いつも現在はとげだらけで触りづらいから
過去になってからおもむろに未来へ差し出す
もう一度やって来い
偶然が夢の卵を割り
現在へ幸福を突き刺すように
もう一度あの密かな幸福を
*
存在するということは
いつも決まって挨拶だから
時間が渦を巻くところに
僕も決まって挨拶を返す
今日も歴史が生まれましたなあ
いえいえ単なる磁場ですよ
そうして僕は踵を返し
存在しないということは
いつも決まって慈しみだから
少しずつ存在しない身体へと化けていき
低い恍惚のさ中へ
*
政治はタケノコのようにぐんぐん伸びては掘り起こされ
経済はキノコのようにひっそりと蔓延っては摘み取られ
法律はシダの様に日陰でこそこそ葉を広げては切り落とされ
社会という植物が一掃されたところに個人という鉱物が鏤められました
いくら頑張っても政治・経済・法律が作れない
鉱物だから
*
一つのアイラブユーから次のアイラブユーへと
簡単に交換できない
同じアイラブユーでも互いに相容れないアイラブユー同士
いつまで経っても水と油が胃の中で消化できず漂っている
忘れるという美しい嘘を何度も繰り返し
新しいという悲しい嘘を何度も繰り返し
アイラブユーは異形のものになる
*
疲れるということは
何かを思い出すということだ
一日中歩き通してふと体の奥に眠っていた郷愁を思い出す
一日中働き通してふとご飯のおいしさを思い出す
一日中待ち通してふと青春の闇を思い出す
そうして僕は今日も
一日中生き通してふと
未来に投げ出されたまま取り戻せない物たちを思い出す
*
土から生まれ
土の共同体に生き
土に収斂していった
両親の土壌から生まれ
土を耕し植物を育て
植物を食べたり売ったりして生活した
火もまた土から立ち昇り
水もまた土へと還っていった
土へと収斂しないもの
例えば都市は
僕を沢山の鏡に映した
例えば空は
僕に知らない歌を教えてくれた
*
僕は宇宙の中心で
宇宙を満たす多彩な感情を逐一丁寧に断っていた
孤独は柔らかく僕は僕の胎内で眠っていた
中心性に飽きて辺境や複数の場所に同時存在したくて
多彩な感情に応答し自ら感情を振りまいた
そうして沢山傷つけ合ったがその傷は美しい模様で
模様を更新するため感情の中を生き続ける
*
柿の木に若芽が芽吹いて緑の霞のようだ
春の鳥の声に包まれながら
やがて葉は緑の濃さを増し大きさを増し
夏の日差しに陰を作る
そして小さな緑の実が風に揺すられ
やがて葉は落ち橙の実は大きく熟し
カラスたちが舞い
そんな巡りの大きな速度に接して
僕は柿と束になり歩いてきた道を振り返る
*
宇宙が僕を置き去りにして過ぎ去っていく
幼年時代も少年時代も青春も高速で僕をすり抜けていく
人々も社会も自然も言葉も僕を過ぎ去っていく
そして最後に僕が残ったかと思えば
僕もまた過ぎ去っていって
残ったこの穴のようなもの無のようなもの
疑問符と感嘆符が冷たい風を一身に浴びている
*
言葉が沢山散らばっている野原で
僕はその言葉達の背後にある哲学を編もうとした
多種多様な関係の枠組みを総動員して僕は一個の一貫した哲学を読み取ったつもりでいた
だがもう一度その野原を眺めるとその哲学もまた同じように散らばっていき
僕はまたその背後にある思想を編みそれはまた散らばり
*
人生というテクストを波打たせるものとして
今日も音楽は僕の体で屈折を繰り返す
人生というテクストを裁断するものとして
今日も路傍の花達は僕から世界の中心を奪っていく
人生というテクストを修繕するものとして
今日も人々は僕に沢山の声を置いていく
だが人生はそもそもテクストであったか
*
気付いたら本に取り囲まれいていた
自ら進んで本の牢の中に閉じ込められた僕だ
本はとても甘い果肉を持っているが
そこに微量の毒を込めることを忘れない
僕は本から逃げられず
狂ったようにその果肉を啜っては毒に冒されていく
本の装丁・活字達
本は拒絶し僕は拒絶を超えることで負けていった
*
故郷に在るということは
郷愁を呼吸し郷愁を湯水のように浴びることである
それぞれの道に隠された記憶を神秘に触れるように辿り返し
それぞれの人の過去と自分の過去を縫い合わせることである
あの山に登れば
神はどんな木陰にもどんな山陰にも存在する
僕は神に挨拶して山頂で神めく太陽を射る
*
この声は誰にも届かないと
この手は誰にも触れないと
極力理解することで自分を守ろうとした
だが声は増幅して多数の人々へと届き
手にはいつの間にか無数の糸が絡まり
僕はそれを十分感じていたが
それでもこの声は、この手は、誰にも届かないと
自分の内側に消せない烙印を押し僕は怒っていた
*
自然は緩やかに回転する衛星を内に秘めている
少しずつ木々は芽吹き花を咲かせ実を生らせ
その回転に歯車のように噛みあって
僕らは木々の実りを最も美しくするために
蕾の数や実の数をそろえ
害虫や病毒から木を守った
実りの季節
自然の回転から歯車をそっと外し
何も移ろわない喜びを沈める
*
遠からず
過去の意味がやって来る
現在の子孫がやって来る
そんな未来が来ないように
時間の流れを体で塞いでいるのだが
この体こそが時間そのものらしい
何か未来を紛らすものはないか
美しい修辞はどうだ
冷たい母音はどうだ
だが言葉こそが時間そのもので
僕は時間を円周軌道に閉じ込めた
*
人々よ
口を閉じ目を閉じ耳を閉じ
何も感じるな
そして何も発するな
そうすれば
お前たちの存在を際限のない疲労が包んでいくだろう
疲労の果てに向かって身を投げろ
意識を捨てろ
再び目を開けたとき
壁は相も変わらず垂直で
太陽は相も変わらず眩しい
そのとき訪れる微笑に身を委ねるのだ
*
「人生」なんて言葉はとっくに死語だから
大局的思考はもう時代遅れだから
そんなことを言いたくなる人生の一局面に
瞬間やその持続で人間の時計の針の音だけを聴く
時計のように正確で慈悲に満ちた通告に
僕は瞬間の応答を返し
寂れていく村の中で
僕は楽しく自分を刻み音を奏でていった
*
明けない夜は続いて
已まない雨は続いた
僕は光を灯す方法と
傘をさす方法を
非常に巧みに修得したが
その工夫には段々疲労するばかりだった
思い切って闇にも雨にも濡れてみた
体が底まで冷え入るまで濡れてみた
長い時間の経過後
再び僕は
開けない夜とやまない雨へ別の工夫を考え始めた
*
あなたはあのとき純粋に怒っていた
表情にすら出さずましてや声にすら出さず
理解されようとか理解されまいとかそんなことも考えず
ただ純粋に怒っていた
その黙された怒りについて僕は考えるのです
何の痕跡も何の発展も残さない怒りを僕だけが知っている
この秘密を誰かに明かしてよいものか
*
そんなに汚れた動機なんていらない
そう思って動機を片っ端から捨てていったら
動機は全て消えてしまった
そんなに美しい結果なんていらない
そう思って結果を片っ端から捨てていったら
結果は全て消えてしまった
動機と結果の間に残されたもの
汚れても美しくもないただ純粋な行為のみ愛する
*
詩人が死んだと電話で告げられた
誰がかけてきたのか分からないけれど
詩人が死んだとメールで告げられた
誰が送ってきたのか分からないけれど
詩人が死んだと自分に告げられた
自分が誰だか分からないけれど
葬式も要らなければ挽歌も献花も要らない
ただ詩人は死んだ
そしてもう生き返った
*
天体の動きから外れてしまった人間の動きだけれど
再び体を澄まして天体の回転や移動に釣り合うだけの平衡を取戻す
遠いところで灼熱の物質たちは激しく流動し凍てついた物質たちは宇宙線を反射する
その距離を静かに抱きしめて
その距離から再び更新されるものを
細胞の中心に確かに置いていく
*
優しさは誰にも見えなくていい
むしろ外見は恐ろしくて気味の悪い方がいい
優しさは誰に与えるものでもない
ただ内側を満たして眼を明るくしてくれるだけのもの
優しさはとても遠いもの
あなたに届かなくても遠い未来にあなたを不意に襲えばいい
僕は無色の振る舞いに判別できない優しさを込める
MAXWELL'S SILVER HAMMER。
魔術を使うのだ
(ジェラルド・カーシュ『ねじくれた骨』駒月雅子訳)
魔法さ。
(パオロ・バチガルピ『ねじまき少女』下・42、田中一江・金子 浩訳)
魔法の杖で触れること。
(ノヴァーリス『断章と研究 一七九八年』今泉文子訳)
ほら
(ジェイムズ・D・フーストン『ガスマスク』大谷圭二訳)
こうやって
(コードウェイナー・スミス『ショイヨルという星』3、井上一夫訳)
ブ!
(ウィリアム・コッツウィンクル『バドティーズ大先生のラブ・コーラス』11、寺地五一訳)
ブルブル、
(ブルワー・リットン『幽霊屋敷』平井呈一訳)
ブルルルル、
(アントニー・バージェス『時計じかけのオレンジ』2・2、乾 信一郎訳)
と突然、
(エイブラム・メリット『林の乙女』大瀧啓裕訳)
あらゆる光景が
(イアン・ワトスン『エンベディング』第二十三章、山形浩生訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
次々に
(キム・スタンリー・ロビンスン『荒れた岸辺』上・第一部・1、大西 憲訳)
何度も何度も、
(ゲイリー・ライト『氷の鏡』安田 均訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
ベティは
(アン・ビーティ『一年でいちばん長い日』亀井よし子訳)
牛を
(リチャード・マシスン『縮みゆく人間12、吉田誠一訳』
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
ルーシーは
(アン・ビーティ『愛している』16、青山 南訳)
赤ちゃんの顔を
(ロバート・A・ハインライン『未知の地平線』14、斎藤伯好訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
ロシア人夫妻が
(ナボコフ『青白い炎』註釈、富士川義之訳)
ポーランド人の女中を
(ミラン・クンデラ『小説の精神』第三部・混同、金井 裕・浅野敏夫訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
その隣では息子が
(ナボコフ『賜物』第4章、沼野充義訳)
自分自身を
(D・H・ロレンス『翼ある蛇』上巻・12、宮西豊逸訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
レジナルド卿は
(テランス・ディックス『ダレク族の逆襲!』2、関口幸男訳)
画家を
(ダン・シモンズ『エンディミオンの覚醒』下・第二部・20、酒井昭伸訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
ラモンの眉は
(D・H・ロレンス『翼ある蛇』上巻・13、宮西豊逸訳)
床を
(ダグラス・アダムス『銀河ヒッチハイク・ガイド』11、風見 潤訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
ゴールズワス館は
(ナボコフ『青白い炎』詩章 第四篇、富士川義之訳)
断崖を
(フェリクス・J・パルマ『時の地図』第三部・42、宮〓真紀訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
飲物のコップや盆は
(ウィリアム・バロウズ『裸のランチ』普通の男たちと女たち、鮎川信夫訳)
きみの顔を
(サンドバーグ『愚行』安藤一郎訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
警官は
(P・D・ジェイムズ『死の味』第一部・11、青木久恵訳)
彼の不安を
(サバト『英雄たちと墓』第IV部・3、安藤哲行訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
同じ表情を
(アンナ・カヴァン『氷』6、山田和子訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
郵便配達人が
(J・G・バラード『夢幻社会』22、増田まもる訳)
自分の名前を
(レイ・ブラッドベリ『イカルス・モンゴルフィエ・ライト』一ノ瀬直二訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
役人は
(マイクル・スワンウィック『大潮の道』12、小川 隆訳)
無意味なくり言を
(エズラ・パウンド『残りの者』新倉俊一訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
騎馬警官が
(ドナルド・バーセルミ『大統領』邦高忠二訳)
なめらかな無数のまんこを
(ウィリアム・バロウズ『裸のランチ』A・Jの例年のパーティ、鮎川信夫訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
道化は
(エズラ・パウンド『そして、怒濤』XII、小野正和・岩原康夫訳)
薄笑いを
(ナボコフ『賜物』第2章、沼野充義訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
王は
(ヴォンダ・N・マッキンタイア『太陽の王と月の妖獣』下・29、幹 遙子訳)
またもや爆発。
(ロジャー・ゼラズニイ『復讐の女神』浅倉久志訳)
タロス博士は
(ジーン・ウルフ『拷問者の影』32、岡部宏之訳)
少年を
(ウォルター・デ・ラ・メア『すばらしい技巧家』瀧口直太郎訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
バスが
(ヘンリイ・カットナー『住宅問題』宇野利泰訳)
バス停を
(R・A・ラファティ『月の裏側』伊藤典夫訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
娼婦が
(アン・ビーティ『グレニッチ・タイム』亀井よし子訳)
自分の本当の気持ちを
(ヴァージニア・ウルフ『灯台へ』第一部・4、御輿哲也訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
犬たちは
(ロジャー・ゼラズニイ『心はつめたい墓場』浅倉久志訳)
娼婦たちを
(ポール・ヴァレリー『ムッシュー・テストとの散歩』清水 徹訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
クレティアン伯は
(ヴォンダ・N・マッキンタイア『太陽の王と月の妖獣』上・12、幹 遙子訳)
詩を
(アレン・ギンズバーグ『工業化の波』高島 誠訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
ヘボ詩を
(シェイクスピア『ジュリアス・シーザー』第三幕・第三場、中野好夫訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
おかまだって
(ルーシャス・シェパード『戦時生活』第二部・7、小川 隆訳)
ものすごいおならを
(フィリップ・ホセ・ファーマー『デイワールド』8、大西 憲訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
死んだ鳥は雨を
(アゴタ・クリストフ『昨日』堀 茂樹訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
光は
(イヴ・ボヌフォワ『木々の梢の国』II、清水 茂訳)
花を
(シェイクスピア『ハムレット』第五幕・第一場、野島秀勝訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
ウサギが
(アン・ビーティ『ウィルの肖像』ジョディ・2、亀井よし子訳)
ぬいぐるみの熊を
(ハリイ・ハリスン『ステンレス・スチール・ラットの復讐』17、那岐 大訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
金魚が
(ロバート・シルヴァーバーグ『一人の中の二人』8、中村保男訳)
兎を
(ピーター・ディキンスン『緑色遺伝子』第三部・9、大瀧啓裕訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
豚が
(シオドア・スタージョン『ヴィーナス・プラスX』大久保 譲訳)
人間を
(ロバート・ネイサン『ジェニーの肖像』1、井上一夫訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
ブ!
(ウィリアム・コッツウィンクル『バドティーズ大先生のラブ・コーラス』11、寺地五一訳)
ブルブル、
(ブルワー・リットン『幽霊屋敷』平井呈一訳)
ブルルルル、
(アントニー・バージェス『時計じかけのオレンジ』2・2、乾 信一郎訳)
と突然、
(エイブラム・メリット『林の乙女』大瀧啓裕訳)
あらゆるものが
(ノヴァーリス『断章と研究 一七九八年』今泉文子訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
すべて同時に
(アゴタ・クリストフ『昨日』堀 茂樹訳)
何度も何度も、
(ゲイリー・ライト『氷の鏡』安田 均訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
瞬間が
(ルーシャス・シェパード『戦時生活』第四部・14、小川 隆訳)
永遠を
(フエンテス『脱皮』第三部、内田吉彦訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
永遠は
(エミリ・ディキンスン『作品一二九五番』新倉俊一訳)
瞬間を
(ミラン・クンデラ『笑と忘却の書』第二部・11、西永良成訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
全体が
(フレデリック・ポール『ゲイトウエイ 2』12、矢野 徹訳)
部分を
(ノヴァーリス『断章と研究 1799−1800』[559]、今泉文子訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
部分は
(ヴァージニア・ウルフ『オーランドー』第四章、杉山洋子訳)
全体を
(ラングドン・ジョーンズ『時間機械』山田和子訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
一つは
(デイヴィッド・ブリン『有意水準の石』中原尚哉訳)
多くを
(リリアン・デ・ラ・トーレ『しつこい狙撃者』斎藤数衛訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
多数からできている
(デイヴィッド・ブリン『有意水準の石』中原尚哉訳)
多であるものは
(レイ・ブラッドベリ『飛行具』一ノ瀬直二訳)
多くは
(キャロル・エムシュウィラー『浜辺に行った日』伊藤典夫訳)
一つを
(W・H・ホジスン『ウドの島』井辻朱美訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
夢は
(デニス・ダンヴァーズ『天界を翔ける夢』13、川副智子訳)
現実を
(ルーシャス・シェパード『ぼくたちの暮らしの終わり』小川 隆訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
現実は
(フィリップ・K・ディック『時は乱れて』4、山田和子訳)
夢を
(パオロ・バチガルピ『シップブレイカー』7、田中一江訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
答えが
(ルーシャス・シェパード『竜のグリオールに絵を描いた男』3、内田昌之訳)
問題を
(アン・ビーティ『女同士の話』亀井よし子訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
問題は
(A・E・ヴァン・ヴォークト『宇宙船計画』中村能三訳)
答を
(ハリイ・ハリスン『ステンレス・スチール・ラット 諸君を求む』14、那岐 大訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
時間は
(ゼナ・ヘンダースン『血は異ならず』帰郷、宇佐川晶子訳)
場所を
(ウィリアム・ギブスン『ニューロマンサー』第四部・15、黒丸 尚訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
場所は
(ティム・パワーズ『石の夢』下・第二部・第十八章、浅井 修訳)
出来事を
(アン・ビーティ『広い外の世界』道下匡子訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
出来事は
(マルクス・アウレーリウス『自省録』第八巻・四六、神谷美恵子訳)
時間を
(アン・ビーティ『ウィルの肖像』ジュディ・9、亀井よし子訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
時間は
(ゼナ・ヘンダースン『血は異ならず』帰郷、宇佐川晶子訳)
出来事を
(マイクル・スワンウィック『大潮の道』14、小川 隆訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
場所は
(ヴァージニア・ウルフ『灯台へ』第三部・11、御輿哲也訳)
時間を
(アン・ビーティ『ウィルの肖像』ジュディ・9、亀井よし子訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
出来事が
(ナボコフ『青白い炎』註釈、富士川義之訳)
場所を
(ウィリアム・ギブスン『ニューロマンサー』第四部・15、黒丸 尚訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
すべての場所が
(ロバート・シルヴァーバーグ『旅』2、岡部宏之訳)
出来事が
(ナボコフ『青白い炎』註釈、富士川義之訳)
時間が
(ゼナ・ヘンダースン『果しなき旅路』ギレアデ、深町真理子訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
現在は
(ジーン・ウルフ『新しい太陽のウールス』38、岡部宏之訳)
過去を
(フランク・ハーバート『デューン 砂丘の子供たち』第3巻、矢野 徹訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
過去は
(P・D・ジェイムズ『正義』第四部・46、青木久恵訳)
未来を
(フランク・ハーバート『デューン 砂丘の子供たち』第3巻、矢野 徹訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
未来は
(アラン・ライトマン『アインシュタインの夢』一九〇五年五月三日、浅倉久志訳)
現在を
(キム・ニューマン『ドラキュラ戦記』第一部・10、梶本靖子訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
現在は
(ジーン・ウルフ『新しい太陽のウールス』38、岡部宏之訳)
未来を
(フランク・ハーバート『デューン 砂丘の子供たち』第3巻、矢野 徹訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
未来は
(ブライアン・W・オールディス『見せかけの生命』浅倉久志訳)
過去を
(フランク・ハーバート『デューン 砂丘の子供たち』第3巻、矢野 徹訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
過去は
(P・D・ジェイムズ『正義』第四部・46、青木久恵訳)
現在を
(キム・ニューマン『ドラキュラ戦記』第一部・10、梶本靖子訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
過去も現在も未来も
(J・G・バラード『深淵』吉田誠一訳)
あらゆるものが
(ノヴァーリス『断章と研究 一七九八年』今泉文子訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
あらゆるものを
(ナサニエル・ホーソーン『ラパチーニの娘』橋本福夫訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
あらゆるものがあらゆるものとともに
(ホルヘ・ギリェン『ローマの猫』荒井正道訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
ブ!
(ウィリアム・コッツウィンクル『バドティーズ大先生のラブ・コーラス』11、寺地五一訳)
ブルブル、
(ブルワー・リットン『幽霊屋敷』平井呈一訳)
ブルルルル、
(アントニー・バージェス『時計じかけのオレンジ』2・2、乾 信一郎訳)
と突然、
(エイブラム・メリット『林の乙女』大瀧啓裕訳)
あらゆるものが
(ノヴァーリス『断章と研究 一七九八年』今泉文子訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
次々に
(キム・スタンリー・ロビンスン『荒れた岸辺』上・第一部・1、大西 憲訳)
何度も何度も、
(ゲイリー・ライト『氷の鏡』安田 均訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
詩人が
(ロバート・シルヴァーバーグ『生と死の支配者』1、宇佐川晶子訳)
言葉を
(ドナルド・バーセルミ『戦争の絵物語』邦高忠二訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
言葉が
(トマス・M・ディッシュ『M・D』上・第一部・12、松本剛史訳)
詩人を
(ノヴァーリス『断章と研究 1799−1800』[705]、今泉文子訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
詩が
(アントナン・アルトー『ヘリオガバルス』I、多田智満子訳)
新しい言葉を
(シオドア・スタージョン『めぐりあい』川村哲郎訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
新たな語彙を
(デイヴィッド・ブリン『キルン・ピープル』下・第三部・53、酒井昭伸訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
別の意味を
(ガルシア・マルケス『大佐に手紙は来ない』内田吉彦訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
形式は
(ミラン・クンデラ『小説の精神』第七部、金井 裕・浅野敏夫訳)
余白を
(ヴァージニア・ウルフ『オーランドー』第五章、杉山洋子訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
文体は
(ジュリアン・バーンズ『風呂ベールの鸚鵡』7、斎藤昌三訳)
句読点を
(スタニスワフ・レム『泰平ヨンの航星日記』第十四の旅、深見 弾訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
限界が
(ミネット・ウォルターズ『女彫刻家』8、成川裕子訳)
その定義を
(アルフレッド・ジャリ『超男性』I、澁澤龍彦訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
その意味を
(フランク・ハーバート『デューン 砂漠の異端者』第3巻、矢野 徹訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
挑戦的な精神が
(ジョン・クリストファー『トリポッド 2脱出』6、中原尚哉訳)
精神の限界を
(スティーヴン・バクスター『虚空のリング』下・第六部・34、小木曽絢子訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
言葉は
(ジョン・クロウリー『エンジン・サマー』大森 望訳)
意味を
(ウィルソン・ブライアン・キイ『メディア・レイプ』第二章、鈴木 晶・入江良平訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
概念は
(ロバート・A・ハインライン『未知の地平線』17、斎藤伯好訳)
事物を
(ウィリアム・エンプソン『曖昧の七つの型』下・8、岩崎宗治訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
自我が
(ポール・アンダースン『わが名はジョー』浅倉久志訳)
実在のものも架空のものも
(ジェラルド・カーシュ『ブライトンの怪物』吉村満美子訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
潜在意識が
(ロバート・F・ヤング『スターファインダー』伊藤典夫訳)
眠っていたもの、潜んでいたもののすべてが
(フィリップ・K・ディック『銀河の壺直し』5、汀 一弘訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
意味のわからない言葉が
(シオドー・L・トマス『衝突針路』小尾芙佐訳)
意味を
(サミュエル・R・ディレイニー『コロナ』酒井昭伸訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
潜在意識が
(アーサー・C・クラーク『犬の星』南山 宏訳)
見たものを
(K・W・ジーター『グラス・ハンマー』黒丸 尚訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
潜在意識が
(ロバート・F・ヤング『スターファインダー』伊藤典夫訳)
ぜんぜんちがった意味でその言葉を
(ゼナ・ヘンダースン『果しなき旅路』ヨルダン、深町真理子訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
言葉が
(マルティン・ハイデッガー『言葉』清水康雄訳)
視点を
(ニコラス・グリフィス『スロー・リバー』7、幹 遙子訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
新しい刺戟が
(ジョアナ・ラス『フィーメール・マン』第二部・V、友枝康子訳)
脳の各層を
(デイヴィッド・ブリン『有意水準の石』中原尚哉訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
新たな知覚は
(デイヴィッド・ブリン『キルン・ピープル』下・第三部・53、酒井昭伸訳)
記憶を
(ルーディ・ラッカー『空洞地球』7、黒丸 尚訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
未知のものが
(フランク・ハーバート『デューン 砂丘の子供たち』第2巻、矢野 徹訳)
既知のものを
(ヴァレリー『カイエ 一九一〇』村松 剛訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
芸術は
(フィリップ・ホセ・ファーマー『デイワールド』2、大西 憲訳)
新しい性格を
(R・A・ラファティ『九〇〇人のお祖母さん』浅倉久志訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
物語は
(ドナルド・モフィット『星々の聖典』上・6、冬川 亘訳)
ぼくたちの息づかいを
(ジャック・フィニイ『失踪人名簿』福島正実訳)
実在感を
(ラングドン・ジョーンズ『機関機械』山田和子訳)
現存在を
(ノヴァーリス『断章と研究 一七九八年』今泉文子訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
ぼくは
(シェイクスピア『ハムレット』第五幕・第二場、野島秀勝訳)
数えきれない詩を
(フィッツ=ジェイムズ・オブライエン『手から口へ』大瀧啓裕訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
章句を
(ポール・ヴァレリー『ムッシュー・テストとの散歩』清水 徹訳)
文章を
(ブルース・スターリング『スキズマトリックス』第二部、小川 隆訳)
言葉を
(シオドア・スタージョン『めぐりあい』川村哲郎訳)
句読点を
(スタニスワフ・レム『泰平ヨンの航星日記』第十四の旅、深見 弾訳)
余白を
(ヴァージニア・ウルフ『ダロウェイ夫人』丹治 愛訳)
その白さを
(P・D・ジェイムズ『正義』第三部・36、青木久恵訳)
その構造を
(クリフォード・D・シマック『宇宙からの訪問者』32、峰岸 久訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
空白が
(マイケル・マーシャル・スミス『ワン・オヴ・アス』第三部・17、嶋田洋一訳)
音を
(オーエン・コルファー『新銀河ヒッチハイク・・ガイド』第三章、安原和見訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
沈黙が
(シオドー・スタージョン『隔壁』深町真理子訳)
韻を
(トマス・M・ディッシュ『M・D』上・第一部・12、村松 剛訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
ブ!
(ウィリアム・コッツウィンクル『バドティーズ大先生のラブ・コーラス』11、寺地五一訳)
ブルブル、
(ブルワー・リットン『幽霊屋敷』平井呈一訳)
ブルルルル、
(アントニー・バージェス『時計じかけのオレンジ』2・2、乾 信一郎訳)
と突然、
(エイブラム・メリット『林の乙女』大瀧啓裕訳)
あらゆるものが
(ノヴァーリス『断章と研究 一七九八年』今泉文子訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
次々に
(キム・スタンリー・ロビンスン『荒れた岸辺』上・第一部・1、大西 憲訳)
何度も何度も、
(ゲイリー・ライト『氷の鏡』安田 均訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
ぼくは
(シェイクスピア『ハムレット』第五幕・第二場、野島秀勝訳)
言葉を
(シオドア・スタージョン『めぐりあい』川村哲郎訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
ぼくは
(シェイクスピア『ハムレット』第五幕・第二場、野島秀勝訳)
言葉を
(シオドア・スタージョン『めぐりあい』川村哲郎訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
ぼくは
(シェイクスピア『ハムレット』第五幕・第二場、野島秀勝訳)
言葉を
(シオドア・スタージョン『めぐりあい』川村哲郎訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
光、光、光
(アルフレッド・ベスター『分解された男』15、沼沢洽治訳)
光、光、光
(アルフレッド・ベスター『分解された男』15、沼沢洽治訳)
花、花、花
(ゲオルギー・グレーヴィッチ『創造の第一日』袋 一平訳)
花、花、花
(ゲオルギー・グレーヴィッチ『創造の第一日』袋 一平訳)
顔、顔、顔
(フランク・ハーバート『デューン 砂漠の神皇帝』第2巻、矢野 徹訳)
顔、顔、顔
(フランク・ハーバート『デューン 砂漠の神皇帝』第2巻、矢野 徹訳)
いつまで、いつまでも、いつまでも
(シェイクスピア『リア王』第五幕・第二場、斎藤 勇訳)
いつまで、いつまでも、いつまでも
(シェイクスピア『リア王』第五幕・第二場、斎藤 勇訳)
とても、とても、とても
(アルジャーノン・ブラックウッド『秘書奇譚』平井呈一訳)
とても、とても、とても
(アルジャーノン・ブラックウッド『秘書奇譚』平井呈一訳)
そう、そう、そう
(コードウェイナー・スミス『夢幻世界へ』1、伊藤典夫訳)
そう、そう、そう
(コードウェイナー・スミス『夢幻世界へ』1、伊藤典夫訳)
わかる、わかる、わかる
(ロバート・シェクリー『コードルが玉ねぎに、玉ねぎがニンジンに』酒匂真理子訳)
わかる、わかる、わかる
(ロバート・シェクリー『コードルが玉ねぎに、玉ねぎがニンジンに』酒匂真理子訳)
愛、愛、愛
(P・D・ジェイムズ『策謀と欲望』第六章・43、青木久恵訳)
愛、愛、愛
(P・D・ジェイムズ『策謀と欲望』第六章・43、青木久恵訳)
憎悪、憎悪、憎悪
(フィリップ・ホセ・ファーマー『わが夢のリバーボート』20、岡部宏之訳)
憎悪、憎悪、憎悪
(フィリップ・ホセ・ファーマー『わが夢のリバーボート』20、岡部宏之訳)
なぜ、なぜ、なぜ
(ミネット・ウォルターズ『女彫刻家』7、成川裕子訳)
なぜ、なぜ、なぜ
(ミネット・ウォルターズ『女彫刻家』7、成川裕子訳)
チ、チ、チ
(デーモン・ナイト『異星人ステーション』浅倉久志訳)
チ、チ、チ
(デーモン・ナイト『異星人ステーション』浅倉久志訳)
無意味、無意味、無意味
(リチャード・マシスン『縮みゆく人間』10、吉田誠一訳)
無意味、無意味、無意味
(リチャード・マシスン『縮みゆく人間』10、吉田誠一訳)
否定して、否定して、否定して
(ゼナ・ヘンダースン『果しなき旅路』荒野、深町真理子訳)
否定して、否定して、否定して
(ゼナ・ヘンダースン『果しなき旅路』荒野、深町真理子訳)
何もいうな、何もいうな、何もいうな
(ナンシー・クレス『プロバビリティ・スペース』7、金子 司訳)
何もいうな、何もいうな、何もいうな
(ナンシー・クレス『プロバビリティ・スペース』7、金子 司訳)
ひっこめ、ひっこめ、ひっこめ
(R・A・ラファティ『なつかしきゴールデンゲイト』井上 央訳)
ひっこめ、ひっこめ、ひっこめ
(R・A・ラファティ『なつかしきゴールデンゲイト』井上 央訳)
何もない、何もない、何もない
(フランク・ハーバート『デューン 砂丘の子供たち』第2巻、矢野 徹訳)
何もない、何もない、何もない
(フランク・ハーバート『デューン 砂丘の子供たち』第2巻、矢野 徹訳)
理由などない、理由などない、理由などない
(ルーシャス・シェパード『戦時生活』第三部・11、小川 隆訳)
理由などない、理由などない、理由などない
(ルーシャス・シェパード『戦時生活』第三部・11、小川 隆訳)
二度と、二度と、二度と
(シェイクスピア『リア王』第五幕・第三場、小田島雄志訳)
二度と、二度と、二度と
(シェイクスピア『リア王』第五幕・第三場、小田島雄志訳)
息ができない、息ができない、息ができない
(グレアム・ジョイス『鎮魂歌(レクイエム)』27、浅倉久志訳)
息ができない、息ができない、息ができない
(グレアム・ジョイス『鎮魂歌(レクイエム)』27、浅倉久志訳)
ぼくは、ぼくは、ぼくは
(コルターサル『石蹴り遊び』向う側から・28、土岐恒二訳)
ぼくは、ぼくは、ぼくは
(コルターサル『石蹴り遊び』向う側から・28、土岐恒二訳)
言葉、言葉、言葉
(シェイクスピア『ハムレット』第二幕・第二場、野島秀勝訳)
言葉、言葉、言葉
(シェイクスピア『ハムレット』第二幕・第二場、野島秀勝訳)
自我、自我、自我
(ロバート・シルヴァーバーグ『内死』17、中村保男・大谷豪見訳)
自我、自我、自我
(ロバート・シルヴァーバーグ『内死』17、中村保男・大谷豪見訳)
退屈、退屈、退屈
(フランク・ハーバート『デューン 砂漠の異端者』第3巻、矢野 徹訳)
退屈、退屈、退屈
(フランク・ハーバート『デューン 砂漠の異端者』第3巻、矢野 徹訳)
黙れ! 黙れ! 黙れ!
(フランク・ハーバート『デューン 砂丘の子供たち』第2巻、矢野 徹訳)
黙れ! 黙れ! 黙れ!
(フランク・ハーバート『デューン 砂丘の子供たち』第2巻、矢野 徹訳)
いっしょなら? いっしょなら? いっしょなら?
(ゼナ・ヘンダースン『果しなき旅路』荒野、深町真理子訳)
いっしょなら? いっしょなら? いっしょなら?
(ゼナ・ヘンダースン『果しなき旅路』荒野、深町真理子訳)
屑だ! 屑だ! 屑だ!
(トーマス・M・ディッシュ『いさましいちびのトースター』浅倉久志訳)
屑だ! 屑だ! 屑だ!
(トーマス・M・ディッシュ『いさましいちびのトースター』浅倉久志訳)
アー、アー、アー
(M・ジョン・ハリス『ライト』22、小野田和子訳)
アー、アー、アー
(M・ジョン・ハリス『ライト』22、小野田和子訳)
然り、然り、然り
(ロバート・シルヴァーバーグ『内死』25、中村保男・大谷豪見訳)
然り、然り、然り
(ロバート・シルヴァーバーグ『内死』25、中村保男・大谷豪見訳)
絶対に、絶対に、絶対に
(シェイクスピア『リア王』第五幕・第三場、野島秀勝訳)
絶対に、絶対に、絶対に
(シェイクスピア『リア王』第五幕・第三場、野島秀勝訳)
なにかあれば、なにかあれば、なにかあれば
(ゼナ・ヘンダースン『血は異ならず』大洪水、宇佐川晶子訳)
なにかあれば、なにかあれば、なにかあれば
(ゼナ・ヘンダースン『血は異ならず』大洪水、宇佐川晶子訳)
請求書、請求書、請求書
(エルマー・ライス『良心』永井 淳訳)
請求書、請求書、請求書
(エルマー・ライス『良心』永井 淳訳)
いや! いや! いや!
(ウィリアム・バロウズ『裸のランチ』A・Jの例年のパーティ、鮎川信夫訳)
いや! いや! いや!
(ウィリアム・バロウズ『裸のランチ』A・Jの例年のパーティ、鮎川信夫訳)
ブ!
(ウィリアム・コッツウィンクル『バドティーズ大先生のラブ・コーラス』11、寺地五一訳)
ブルブル、
(ブルワー・リットン『幽霊屋敷』平井呈一訳)
ブルルルル、
(アントニー・バージェス『時計じかけのオレンジ』2・2、乾 信一郎訳)
と突然、
(エイブラム・メリット『林の乙女』大瀧啓裕訳)
あらゆるものが
(ノヴァーリス『断章と研究 一七九八年』今泉文子訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
すべて同時に
(アゴタ・クリストフ『昨日』堀 茂樹訳)
何度も何度も、
(ゲイリー・ライト『氷の鏡』安田 均訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
不在は
(フランク・ハーバート『デューン 砂丘の子供たち』第2巻、矢野 徹訳)
存在を
(サルトル『嘔吐』白井浩司訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
存在は
(ヴァジニア・ウルフ『波』鈴木幸夫訳)
その実体を
(ケッセル『昼顔』二、堀口大學訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
現実は
(フィリップ・K・ディック『時は乱れて』4、山田和子訳)
非現実を
(ナンシー・クレス『プロバビリティ・ムーン』24、金子 司訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
天国が
(ノヴァーリス『青い花』第一部・第八章、青山隆夫訳)
地獄を
(ジェラルド・カーシュ『遠からぬところ』吉田誠一訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
必然性は
(ジョン・クロウリー『時の偉業』4、浅倉久志訳)
死を
(ドナルド・モフィット『創世伝説』下・第二部・9、小野田和子訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
狂気は
(カート・ヴォネガット・ジュニア『チャンピオンたちの朝食』第4章、浅倉久志訳)
ひとつの光景を
(デイヴィッド・ブリン『キルン・ピープル』下・第三部・61、酒井昭伸訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
同じ言葉を
(テア・フオン・ハルボウ『メトロポリス』5、前川道介訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
矛盾が
(ジーン・ウルフ『拷問者の影』8、岡部宏之訳)
真理を
(マルクス・アウレーリウス『自省録』第十一巻・四、神谷美恵子訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
それ自体が
(スティーヴン・バクスター『虚空のリング』下・第三部・20、小木曽絢子訳)
それを
(ブライアン・オールディス『子供の消えた惑星』2、深町真理子訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
目が
(シェリー・プリースト『ボーンシェイカー』21、市田 泉訳)
目を
(コルタサル『悪魔の涎』木村榮一訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
愛は
(デイヴィス・グラッブ『月を盗んだ少年』柿沼瑛子訳)
憎しみを
(イエイツ『まだらな鳥』第一編・14、島津彬郎訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
憎しみは
(コードウェイナー・スミス『夢幻世界へ』伊藤典夫訳)
愛を
(ロバート・シルヴァーバーグ『いばらの旅路』5、三田村 裕訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
数字、記号といったものが
(ジェームズ・ハーバート『ムーン』竹生淑子訳)
すべてを
(ロバート・シルヴァーバーグ『いばらの旅路』9、三田村 裕訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
ブ!
(ウィリアム・コッツウィンクル『バドティーズ大先生のラブ・コーラス』11、寺地五一訳)
ブルブル、
(ブルワー・リットン『幽霊屋敷』平井呈一訳)
ブルルルル、
(アントニー・バージェス『時計じかけのオレンジ』2・2、乾 信一郎訳)
と突然、
(エイブラム・メリット『林の乙女』大瀧啓裕訳)
あらゆるものが
(ノヴァーリス『断章と研究 一七九八年』今泉文子訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
次々に
(キム・スタンリー・ロビンスン『荒れた岸辺』上・第一部・1、大西 憲訳)
何度も何度も、
(ゲイリー・ライト『氷の鏡』安田 均訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
彼は
(ブライアン・オールディス『子供の消えた惑星』6、深町真理子訳)
ぼくの名前を
(ルーシャス・シェパード『ぼくたちの暮らしの終わり』小川 隆訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
ぼくは
(シェイクスピア『ハムレット』第五幕・第二場、野島秀勝訳)
彼の名前を
(レイ・ブラッドベリ『イカルス・モンゴルフィエ・ライト』一ノ瀬直二訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
愛は
(デイヴィス・グラッブ『月を盗んだ少年』柿沼瑛子訳)
体を
(シルヴィア・プラス『チューリップ』徳永暢三訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
時間は
(ゼナ・ヘンダースン『血は異ならず』帰郷、宇佐川晶子訳)
秘密を
(ジョン・クロウリー『エンジン・サマー』大森 望訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
肉体は
(ロバート・フロスト『不変のシンボル』安藤一郎訳)
ひとつの名前を
(フィリップ・リーヴ『略奪都市の黄金』第二部・28、安野 玲訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
ちがう名前を
(アーシュラ・K・ル・グイン『記憶への旅』小尾芙佐訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
ぼくは
(シェイクスピア『ハムレット』第五幕・第二場、野島秀勝訳)
恋人の顔を
(ゼナ・ヘンダースン『血は異ならず』大洪水、宇佐川晶子訳)
声を
(P・D・ジェイムズ『策謀と欲望』第六章・52、青木久恵訳)
会話を
(ブライアン・オールディス『子供の消えた惑星』1、深町真理子訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
コーヒーを
(フィリップ・ホセ・ファーマー『デイワールド』8、大西 憲訳)
ハンバーガーを
(ウィリアム・コッツウィンクル『バドティーズ大先生のラブ・コーラス』5、寺地五一訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
サンドイッチも
(クリフォード・D・シマック『宇宙からの訪問者』4、峰岸 久訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
いろいろな光景を
(ブライアン・オールディス『死の賛歌』井上一夫訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
その場の情景のすべてを
(ポール・ヴァレリー『ムッシュー・テストとの散歩』清水 徹訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
自分の記憶を
(アルジス・バドリス『アメリカ鉄仮面』第九章、仁賀克雄訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
自分の人生を
(キッド・リード『ぶどうの木』浅倉久志訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
数百万のぼくを
(ジョン・クロウリー『エンジン・サマー』大森 望訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
ドリブルする
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
幾百もの顔。
(ウィリアム・ギブスン『ニューロマンサー』第一部・2、黒丸 尚訳)
ドリブルする
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
あらゆる可能性
(J・G・バラード『神と生と死と』野口幸夫訳)
ドリブルする
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
同じ夢
(イタロ・ズヴェーヴォ『トリエステの謝肉祭』8、堤 康徳訳)
ドリブルする
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
願い事
(ロッド・サーリング『大いなる願い』矢野浩三郎訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
ぼくは
(シェイクスピア『ハムレット』第五幕・第二場、野島秀勝訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
ぼくは
(シェイクスピア『ハムレット』第五幕・第二場、野島秀勝訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
ぼくは
(シェイクスピア『ハムレット』第五幕・第二場、野島秀勝訳)
信行のことを
(志賀直哉『暗夜行路』第一・二)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
ぼくは
(ゼナ・ヘンダースン『果しなき旅路』ヨルダン、深町真理子訳)
彼を
(フィリクス・J・パルマ『時の地図』第一部・5、宮〓真紀訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
信行は
(志賀直哉『暗夜行路』第一・十二)
ぼくのことを
(フエンテス『脱皮』第二部、内田吉彦訳)
ドリブルして
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
くれるかな?
(ウィリアム・バロウズ『夢の書 わが教育』山形浩生訳)
ブ!
(ウィリアム・コッツウィンクル『バドティーズ大先生のラブ・コーラス』11、寺地五一訳)
ブルブル、
(ブルワー・リットン『幽霊屋敷』平井呈一訳)
ブルルルル、
(アントニー・バージェス『時計じかけのオレンジ』2・2、乾 信一郎訳)
と突然、
(エイブラム・メリット『林の乙女』大瀧啓裕訳)
あらゆるものが
(ノヴァーリス『断章と研究 一七九八年』今泉文子訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
次々に
(キム・スタンリー・ロビンスン『荒れた岸辺』上・第一部・1、大西 憲訳)
何度も何度も、
(ゲイリー・ライト『氷の鏡』安田 均訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
ドリブルする
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
経験
(フランク・ハーバート『デューン 砂漠の異端者』第3巻、矢野 徹訳)
ドリブルする
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
過去
(シオドー・スタージョン『隔壁』深町真理子訳)
ドリブルする
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
記憶の断片
(シオドー・L・トマス『衝突針路』小尾芙佐訳)
ドリブルする
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
時間
(シオドー・L・トマス『衝突針路』小尾芙佐訳)
ドリブルする
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
場所
(シオドー・L・トマス『衝突針路』小尾芙佐訳)
ドリブルする
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
出来事
(シオドー・スタージョン『隔壁』深町真理子訳)
ドリブルする
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
情景
(マーシャル・キング『海浜の情景』中村保男訳)
ドリブルする
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
窓
(ジョージ・パイラム『驚異の馬』井上一夫訳)
ドリブルする
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
窓の外
(クリフォード・D・シマック『孤独な死』小尾芙佐訳)
ドリブルする
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
土曜日
(リチャード・M・マッケナ『闘士ケイシー』浅倉久志訳)
ドリブルする
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
雨
(ウィル・ワーシントン『プレニチュード』井上一夫訳)
ドリブルする
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
魂
(シオドー・スタージョン『隔壁』深町真理子訳)
ドリブルする
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
視線
(マーク・クリフトン『思考と離れた感覚』井上一夫訳)
ドリブルする
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
浴室
(ロバート・シェクリー『危険の報酬』井上一夫訳)
ドリブルする
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
石鹸
(ロバート・アバーナシイ『ジュニア』小尾芙佐訳)
ドリブルする
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
彼の背中
(デーモン・ナイト『異星人ステーション』浅倉久志訳)
ドリブルする
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
下半身
(ロバート・アバーナシイ『ジュニア』小尾芙佐訳)
ドリブルする
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
お尻
(マーク・クリフトン『思考と離れた感覚』井上一夫訳)
ドリブルする
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
くぼめた手のなか
(ゼナ・ヘンダースン『なんでも箱』深町真理子訳)
ドリブルする
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
あの神経過敏なところ
(ゼナ・ヘンダースン『なんでも箱』深町真理子訳)
ドリブルする
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
長いキス
(キャロル・エムシュウィラー『浜辺に行った日』伊藤典夫訳)
ドリブルする
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
寝室
(フリッツ・ライバー『跳躍者の時空』深町真理子訳)
ドリブルする
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
ベッド
(クリフォード・D・シマック『孤独な死』小尾芙佐訳)
ドリブルする
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
空間
(シオドー・スタージョン『隔壁』深町真理子訳)
ドリブルする
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
地面
(キャロル・エムシュウィラー『狩人』小尾芙佐訳)
ドリブルする
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
地球
(イアンド・バインダー『火星からの教師』中村能三訳)
ドリブルする
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
埠頭
(アルジス・バドリス『隠れ家』浅倉久志訳)
ドリブルする
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
溪谷
(ロバート・シェクリー『危険の報酬』井上一夫訳)
ドリブルする
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
草原
(ジョージ・パイラム『驚異の馬』井上一夫訳)
ドリブルする
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
平原
(フリッツ・ライバー『マリアーナ』浅倉久志訳)
ドリブルする
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
砂浜
(キャロル・エムシュウィラー『浜辺に行った日』伊藤典夫訳)
ドリブルする
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
太陽
(アイザック・アシモフ『ロボットAL76行方不明』中村能三訳)
ドリブルする
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
日没
(エリザベス・エメット『魅惑』中村保男訳)
ドリブルする
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
月
(エドモンド・ハミルトン『世界の外のはたごや』中村能三訳)
ドリブルする
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
月光
(フリッツ・ライバー『跳躍者の時空』深町真理子訳)
ドリブルする
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
夜明け
(ウィル・ワーシントン『プレニチュード』井上一夫訳)
ドリブルする
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
日射し
(シャーリー・ジャクスン『ある晴れた日に』吉田誠一訳)
ドリブルする
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
テーブル
(マーク・クリフトン『思考と離れた感覚』井上一夫訳)
ドリブルする
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
トーストとコーヒー
(エリザベス・エメット『魅惑』中村保男訳)
ドリブルする
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
語尾
(マック・レナルズ『時は金』浅倉久志訳)
ドリブルする
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
笑み
(アブラム・デイヴィッドスン『ゴーレム』吉田誠一訳)
ドリブルする
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
手違い
(ウォルター・M・ミラー・ジュニア『帰郷』深町真理子訳)
ドリブルする
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
うそ偽り
(シャーリー・ジャクスン『ある晴れた日に』吉田誠一訳)
ドリブルする
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
二人のきみ
(シオドー・スタージョン『隔壁』深町真理子訳)
ドリブルする
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
言葉
(ウィル・ワーシントン『プレニチュード』井上一夫訳)
ドリブルする
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
言葉の最後
(シオドー・スタージョン『隔壁』深町真理子訳)
ドリブルする
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
さよなら
(アルジス・バドリス『隠れ家』浅倉久志訳)
ブ!
(ウィリアム・コッツウィンクル『バドティーズ大先生のラブ・コーラス』11、寺地五一訳)
ブルブル、
(ブルワー・リットン『幽霊屋敷』平井呈一訳)
ブルルルル、
(アントニー・バージェス『時計じかけのオレンジ』2・2、乾 信一郎訳)
と突然、
(エイブラム・メリット『林の乙女』大瀧啓裕訳)
あらゆるものが
(ノヴァーリス『断章と研究 一七九八年』今泉文子訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
次々に
(キム・スタンリー・ロビンスン『荒れた岸辺』上・第一部・1、大西 憲訳)
何度も何度も、
(ゲイリー・ライト『氷の鏡』安田 均訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
ドリブルする
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
ガラガラ蛇
(ウィル・ワーシントン『プレニチュード』井上一夫訳)
ドリブルする
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
思考
(シオドー・スタージョン『隔壁』深町真理子訳)
ドリブルする
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
数式
(マーク・クリフトン『思考と離れた感覚』井上一夫訳)
ドリブルする
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
符号
(R・C・フェラン『わたしを創(つく)ったもの』中村保男訳)
ドリブルする
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
平方根
(マイケル・シェイボン『シャーロック・ホームズ最後の解決』黒原敏行訳)
ドリブルする
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
数
(マーク・クリフトン『思考と離れた感覚』井上一夫訳)
ドリブルする
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
平行線
(マーク・クリフトン『思考と離れた感覚』井上一夫訳)
ドリブルする
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
点
(マーク・クリフトン『思考と離れた感覚』井上一夫訳)
ドリブルする
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
三角形
(シオドー・スタージョン『隔壁』深町真理子訳)
ドリブルする
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
凹み
(ロバート・シェクリー『危険の報酬』井上一夫訳)
ドリブルする
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
渦
(シオドー・スタージョン『隔壁』深町真理子訳)
ドリブルする
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
穴
(マーク・クリフトン『思考と離れた感覚』井上一夫訳)
ドリブルする
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
点
(マーク・クリフトン『思考と離れた感覚』井上一夫訳)
ドリブルする
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
ゴボゴボ
(リチャード・M・マッケナ『闘士ケイシー』浅倉久志訳)
ドリブルする
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
ポキポキ
(リチャード・M・マッケナ『闘士ケイシー』浅倉久志訳)
ドリブルする
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
バス
(シオドー・スタージョン『隔壁』深町真理子訳)
ドリブルする
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
バスのなかで
(シオドー・スタージョン『隔壁』深町真理子訳)
ドリブルする
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
乗客
(ウォルター・M・ミラー・ジュニア『帰郷』深町真理子訳)
ドリブルする
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
バス
(シオドー・スタージョン『隔壁』深町真理子訳)
ドリブルする
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
バスのなかで
(シオドー・スタージョン『隔壁』深町真理子訳)
ドリブルする
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
バスの運転手
(シャーリー・ジャクスン『ある晴れた日に』吉田誠一訳)
ドリブルする
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
バス
(シオドー・スタージョン『隔壁』深町真理子訳)
ドリブルする
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
バスのなかで
(シオドー・スタージョン『隔壁』深町真理子訳)
ドリブルする
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
となりの男
(デーモン・ナイト『異星人ステーション』浅倉久志訳)
ドリブルする
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
日に焼けたうなじ
(ウォルター・M・ミラー・ジュニア『帰郷』深町真理子訳)
ドリブルする
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
禿頭
(デーモン・ナイト『人形使い』伊藤典夫訳)
ドリブルする
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
後頭部
(コードウェイナー・スミス『夢幻世界へ』6、伊藤典夫訳)
ドリブルする
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
その上に
(クリフォード・D・シマック『孤独な死』
ドリブルする
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
ハンマー
(キャロル・エムシュウィラー『浜辺に行った日』伊藤典夫訳)
ドリブルする
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
遠いむかし
(シオドー・スタージョン『隔壁』深町真理子訳)
ドリブルする
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
小さいときの記憶
(デーモン・ナイト『異星人ステーション』浅倉久志訳)
ドリブルする
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
玄関
(アルジス・バドリス『隠れ家』浅倉久志訳)
ドリブルする
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
金魚鉢
(デーモン・ナイト『人形使い』伊藤典夫訳)
ドリブルする
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
教室
(ゼナ・ヘンダースン『なんでも箱』深町真理子訳)
ドリブルする
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
便所
(リチャード・M・マッケナ『闘士ケイシー』浅倉久志訳)
ドリブルする
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
便器
(リチャード・M・マッケナ『闘士ケイシー』浅倉久志訳)
ドリブルする
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
無意識
(シャーリー・ジャクスン『ある晴れた日に』吉田誠一訳)
ドリブルする
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
潜在意識
(アイザック・アシモフ『緑夢業』吉田誠一訳)
ドリブルする
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
神さま
(リチャード・M・マッケナ『闘士ケイシー』浅倉久志訳)
ドリブルする
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
ふうっ
(フリッツ・ライバー『跳躍者の時空』深町真理子訳)
ドリブルする
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
ぱっ
(シオドア・R・コグズウェル『変身』吉田誠一訳)
ドリブルする
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
ソクラテス
(フリッツ・ライバー『跳躍者の時空』深町真理子訳)
ドリブルする
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
スターリン
(コードウェイナー・スミス『夢幻世界へ』2、伊藤典夫訳)
ドリブルする
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
三人の独身のおばたち
(ロバート・アナーバシイ『ジュニア』小尾芙佐訳)
ドリブルする
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
お母さん
(シオドー・スタージョン『隔壁』深町真理子訳)
ドリブルする
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
看護婦
(リチャード・M・マッケナ『闘士ケイシー』浅倉久志訳)
ドリブルする
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
牧師
(クリフォード・D・シマック『孤独な死』小尾芙佐訳)
ドリブルする
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
群衆
(ジョージ・パイラム『驚異の馬』井上一夫訳)
ドリブルする
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
何千という人間
(ジョージ・パイラム『驚異の馬』井上一夫訳)
ドリブルする
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
何億人という人間
(ブライアン・W・オールディス『率直(フランク)にいこう』井上一夫訳)
ブ!
(ウィリアム・コッツウィンクル『バドティーズ大先生のラブ・コーラス』11、寺地五一訳)
ブルブル、
(ブルワー・リットン『幽霊屋敷』平井呈一訳)
ブルルルル、
(アントニー・バージェス『時計じかけのオレンジ』2・2、乾 信一郎訳)
と突然、
(エイブラム・メリット『林の乙女』大瀧啓裕訳)
あらゆるものが
(ノヴァーリス『断章と研究 一七九八年』今泉文子訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
次々に
(キム・スタンリー・ロビンスン『荒れた岸辺』上・第一部・1、大西 憲訳)
何度も何度も、
(ゲイリー・ライト『氷の鏡』安田 均訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
ドリブルする
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
ぼくは
(シェイクスピア『ハムレット』第五幕・第二場、野島秀勝訳)
たえず何かを
(ロジェ・カイヨワ『妖精物語からSFへ』第三部・一、三好郁朗訳)
ドリブルする
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
自然の法則を
(タビサ・キング『スモール・ワールド』14、みき 遙訳)
ドリブルする
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
論理を
(R・A・ラファティ『超絶の虎』伊藤典夫訳)
ドリブルする
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
対称性を
(スティーヴン・バクスター『虚空のリング』上・第三部・17、小木曽絢子訳)
ドリブルする
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
連続性を
(ケン・マクラウド『ニュートンズ・ウェイク』B面12、嶋田洋一訳)
ドリブルする
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
関連性を
(アン・ビーティ『貯水池に風が吹く日』6、亀井よし子訳)
ドリブルする
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
多義性を
(ジェイムズ・サリス『蟋蟀の目の不安』野口幸夫訳)
ドリブルする
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
類似を
(ロジェ・カイヨワ『妖精物語からSFへ』第三部・二、三好郁朗訳)
ドリブルする
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
何もかも
(ケリー・リンク『妖精のハンドバッグ』柴田元幸訳)
ドリブルする
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
偶然だって
(ガデンヌ『スヘヴェニンゲンの浜辺』20、菅野昭正訳)
ドリブルする
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
ぼくは
(シェイクスピア『ハムレット』第五幕・第二場、野島秀勝訳)
この見捨てられた土地の歴史や神話を
(ブライアン・オールディス『死の賛歌』井上一夫訳)
ドリブルする
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
神々を
(イアン・ワトスン『バビロンの記憶』佐藤高子訳)
ドリブルする
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
聖書を
(シェイクスピア『ヴェニスの商人』第一幕・第三場、中野好夫訳)
ドリブルする
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
同じ物語を
(ノーマン・メイラー『ライターズ・アット・ワーク』より、岩本 厳訳)
ドリブルする
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
話を
(フィリップ・ホセ・ファーマー『飛翔せよ、遙かなる空へ』下・46、岡部宏之訳)
ドリブルする
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
話の続きを
(シオドア・スタージョン『コスミック・レイプ』4、鈴木 晶訳)
ドリブルする
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
ぼくは
(シェイクスピア『ハムレット』第五幕・第二場、野島秀勝訳)
水を
(フレッド・セイバーヘーゲン『ゲーム』浅倉久志訳)
ドリブルする
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
水たまりを
(コルターサル『石蹴り遊び』その他もろもろの側から・107、土岐恒二訳)
ドリブルする
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
道を
(フランク・ハーバート『デューン 砂丘の子供たち』第3巻、矢野 徹訳)
ドリブルする
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
空を
(マーヴィン・ピーク『海賊船長スローターボード氏』高木国寿訳)
ドリブルする
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
雲を
(スティーヴン・バクスター『虚空のリング』上・第一部・4、小木曽絢子訳)
ドリブルする
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
海を
(アストゥリアス『グアテマラ伝説集』春嵐の妖術師たち 1、牛島信明訳)
ドリブルする
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
ぼくは
(シェイクスピア『ハムレット』第五幕・第二場、野島秀勝訳)
光を
(ソーニャ・ドーマン『ぼくがムス・ダウであったとき』大谷圭二訳)
ドリブルする
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
闇を
(R・A・ラファティ『地球礁』6、柳下毅一郎訳)
ドリブルする
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
星ぼしを
(マイクル・スワンウィック『ウォールデン・スリー』小川 隆訳)
ドリブルする
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
夜を
(ウィリアム・S・バロウズ『爆発した切符』シャッフル・カット、飯田隆昭訳)
ドリブルする
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
真実を
(D・H・ロレンス『翼ある蛇』上巻・7、宮西豊逸訳)
ドリブルする
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
嘘を
(シェリー・プリースト『ボーンシェイカー』15、市田 泉訳)
ドリブルする
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
ぼくは
(シェイクスピア『ハムレット』第五幕・第二場、野島秀勝訳)
サンドイッチを頬張りながら
(カルロス・フエンテス『二人のエレーナ』安藤哲行訳)
誰もが持っていることさえ拒むような考えを
(ダン・シモンズ『大いなる恋人』嶋田洋一訳)
ドリブルする
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
矛盾する考えを
(ジョン・T・ウィルアムズ『プーさんの哲学』2、小田島雄志・小田島則子訳)
ドリブルする
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
ぼくは
(シェイクスピア『ハムレット』第五幕・第二場、野島秀勝訳)
夢を
(コルタサル『牡牛』木村榮一訳)
ドリブルする
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
霊感を
(ノヴァーリス『対話・独白』今泉文子訳)
ドリブルする
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
ぼくは
(シェイクスピア『ハムレット』第五幕・第二場、野島秀勝訳)
人間を
(オースン・スコット・カード『人間の熱い眠り』8、大森 望訳)
ドリブルする
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
物事を
(イアン・ワトスン『スロー・バード』佐藤高子訳)
ドリブルする
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
世界を
(ケリー・リンク『しばしの沈黙』柴田元幸訳)
ドリブルする
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
宇宙を
(ダグラス・アダムス『宇宙の果てのレストラン』29、風見 潤訳)
ドリブルする
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
自分自身を
(J・G・バラード『低空飛行機』野口幸夫訳)
ドリブルする
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
ブ!
(ウィリアム・コッツウィンクル『バドティーズ大先生のラブ・コーラス』11、寺地五一訳)
ブルブル、
(ブルワー・リットン『幽霊屋敷』平井呈一訳)
ブルルルル、
(アントニー・バージェス『時計じかけのオレンジ』2・2、乾 信一郎訳)
と突然、
(エイブラム・メリット『林の乙女』大瀧啓裕訳)
あらゆるものが
(ノヴァーリス『断章と研究 一七九八年』今泉文子訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
次々に
(キム・スタンリー・ロビンスン『荒れた岸辺』上・第一部・1、大西 憲訳)
何度も何度も、
(ゲイリー・ライト『氷の鏡』安田 均訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
一つひとつの表情が
(E・ピーターズ『死者の代金』10、岡本浜江訳)
きみのことを
(ルーシャス・シェパード『竜のグリオールに絵を描いた男』3、内田昌之訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
人はみな
(エズラ・パウンド『カンツォ』IV、小野田正和・岩原康夫訳)
歳月を
(ノヴァーリス『断章と研究 1799−1800』[677]、今泉文子訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
起こった出来事を
(P・D・ジェイムズ『ナイチンゲールの屍衣』第四章・4、隅田たけ子訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
後悔とそのすべての細部を
(ブライアン・W・オールディス『見せかけの生命』浅倉久志訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
涙を
(キム・ニューマン『ドラキュラ崩御』第二部・12、梶元靖子訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
孤独を
(P・D・ジェイムズ『ある殺意』1、山室まりや訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
人の親切を
(H・G・ウェルズ『解放された世界』第三章・3、浜野 輝訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
愛を
(シオドア・スタージョン『ヴィーナス・プラスX』大久保 譲訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
意味のないものが
(ブライアン・W・オールディス『暗い光年』10、中桐雅夫訳)
人々を
(ポール・ヴァレリー『ムッシュー・テストとの散歩』清水 徹訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
人々の断片を
(ポール・ヴァレリー『ムッシュー・テストとの散歩』清水 徹訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
人々の顔を
(ジョセフィン・テイ『時の娘』2、小泉喜美子訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
目を
(ウィリアム・コッツウィンクル『バドティーズ大先生のラブ・コーラス』13、寺地五一訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
耳を
(マックス・コメレル『拒否された「あとがき」』川村二郎訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
頬を
(ナボコフ『青白い炎』註釈、富士川義之訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
唇を
(リチャード・マシスン『縮みゆく人間』12、吉田誠一訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
手を
(シェイクスピア『オセロウ』第三幕・第四場、菅 泰男訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
両の手のひらを
(ゼナ・ヘンダースン『果しなき旅路』5、深町真理子訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
足を
(デイヴィッド・マルセク『ウェディング・アルバム』浅倉久志訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
首を
(ウィリアム・S・バロウズ『爆発した切符』メンバーはすべて最低の世紀、飯田隆昭訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
体を
(マーヴィン・ピーク『同じ時間に、この場所で』高木国寿訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
死体だって
(フィリップ・ホセ・ファーマー『気まぐれな仮面』29、宇佐川晶子訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
世界が
(ミシェル・トゥルニエ『メテオール(気象)』第十四章、榊原晃三・南條郁子訳)
ぼくらを
(J・G・バラード『最終都市』野口幸夫訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
人の心を
(ロジェ・カイヨワ『妖精物語からSFへ』第三部・二、三好郁朗訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
胸の内を
(アン・ビーティ『貯水池に風が吹く日』4、亀井よし子訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
精神を
(ノヴァーリス『花粉』87、今泉文子訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
魂を
(シェリー『鎖を解かれたプロメテウス』第二幕・第一場、石川重俊訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
人間を
(シルヴィア・プラス『マリアの歌』徳永暢三訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
人間を
(シルヴィア・プラス『マリアの歌』徳永暢三訳)
ドリブルする。
(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
猿の夢
水平線に乗ってあなたが踊っている。耳元で囁いて、聴いたことのない歌だ。波が歩調を
狂わせて、夕日のように沈み込みながら、その目に映るものは、遠く遠く離れていく。あ
なたの名前は***。からだを描くように指先で触れる。琴の音に耳を傾けるのは、長い
黒髪は風に揺れて濡れて、もしくは***でも、への侵入を許さずに、桜が咲くのは別れ
際。植物と道端に転がる石で、別になんだっていい。砂浜では子供達が遊んでいる。あな
たの着けているパールのネックレスは、思考と喫煙は分かち難く、床の上に積み上げられ
た事物が時刻を告げている。鐘が鳴ったら家に帰ると、あなたのおしゃべりに相槌を打つ。
恋人達は新しい音調を信じ、は融解を始め、ポップミュージックのように軽やかに、差異
の分だけ遅れた話を、花は使わなくなったグラスに入れて飾り、球体をつくることにした。
部屋は世界の果てまで地続きで、幾つもの点が光を出し合い、恋人の横顔や車内の空気を
あなたは、後方に陣取っているおば様方を思い出させる。海に出かけた。男と女のように
結びついている。枯れ木だと思ったら腕だった。肺を病んだ暴力を飛び越えて、あなたは空
を泳いでいる。居場所を告げて、雪が降ってくるのを待つ。元気にしているだろうか。鍬
で畑を耕すように、せめて想像の中だけはと、根を無くした煙が風に吹かれて揺れて、ま
だ続くのかと嘆き、目尻の下の小さな皺の一つになる。臆病なので家には帰らない。これ
じゃ出来の悪い模倣だな。なくなる前に歌っていたと、雪だるまに煙草を二本刺して腕をつ
くる。太陽は役目を終えて袖へと消えた。陽炎のように美しく、最後の季節だ。さよなら
か、甘い。
天使の骨盤
〔骨盤は左右一対の寛骨および仙骨と尾骨によって構成され、
寛骨は腸骨と坐骨と恥骨によって構成されている。左右の
腸骨の上外方に広がる扁平な部分を腸骨翼という〕
天使の骨盤は、単独で自立生活が可能であるから、幼生期には他の身体部位と離れて、
火星に骨盤だけのコミュニティを形成している。火星の北極冠の広大な氷原を群れをなし
て滑走しながら、左右の腸骨から翼が生えて来るのを待つのである。将来翼となる骨芽細
胞の増殖が始まり、十分に成長発達して翼になった暁には、天使の骨盤は氷原を次々に離
陸して、火星の重力圏外へ飛び出し、尾骨の方向舵を巧みに操りながら、大挙して地球に
飛来するのである。ところが、大気圏突入時の空気との摩擦熱で、翼はあっさりと燃え尽
きてしまい、その痕跡として左右の腸骨翼だけが残される。翼を失った天使の骨盤は、当
然ながら地上にボトボト落下するが、間髪を置かずに私や貴女の頭部に襲い掛かり、それ
らを咥え込んで、自らの骨盤腔に内蔵するのである。
そのような次第で、私の頭部はメスの天使の骨盤に、下方からズッポリと嵌まり込んで
いる。メスの天使の骨盤腔は、ヒトの女性のそれと同様、上方から見ると楕円形をした筒
状空間であるから、私の間脳の、左右のちょうど外側膝状体あたりが楕円軌道の二つの焦
点となり、その周りを役立たずのフェアリーどもが、ピコピコ発光しながら公転している
のである。メスの天使の骨盤は、しばしば前触れなくフンムッと息み出し、私の頭部を膣
口から外界に分娩する。出産された私の顔面は産道の粘液にまみれ、湯上がりのウミウシ
となって産声を発する。お、ギギ、ギア! ところが、外界に産み出された私の頭部は、
またすぐに膣口から骨盤腔内にズルッと引き戻され、元の位置に収納されると、再び役立
たずのフェアリーどもがピコピコ公転し始めるのである。
では、貴女の頭部とオスの天使の骨盤の場合はどうであろうか。貴女の頭部も、オスの
天使の骨盤に下方からズッポリと嵌まり込んでいる。オスの天使の骨盤腔は、ヒトの男性
のそれと同様、上方から見るとハート形をした筒状空間であるから、思うに古来より女性
がハートのシンボルマークを偏愛するのは、このあたりに由来する郷愁の一種ではなかろ
うか。心臓の形の抽象化という俗説は、我々から天使の骨盤の存在を隠蔽するための策略
である。それはさておき、オスの天使の骨盤も、メスの場合と同様、いきなりウオオオッ
と息み出すと、貴女の頭部を肛門から外界にひり出す。その時、貴女の顔面は当然ながら
糞便と腸内粘液にまみれている。だがこの次第は、決して貴女の女性及びヒトとしての尊
厳を貶めるものではない。なぜなら膣よりも肛門の方が、精神性と抽象性において優れて
いることは、古来より詩人の間では常識であるからだ。いわんや天使の肛門においておや。
外界にひり出された貴女の頭部は、私の場合と違って湯上がりのウミウシに変態するこ
とはなく、糞便まみれにも関わらず、気分の方はすこぶるスッキリ爽やかである。しかし
それも束の間、私の場合と同様、貴女の頭部はすぐに肛門に引き戻され、再び骨盤腔に収
納される。この時はいささか無理やりにであり、貴女の顔面は相当なストレスを蒙るのだ
が、思うに肛門の方もかなりの疼痛があるのではないか。何にせよ、いったん内部に嵌ま
り込んでしまえば、骨盤腔のハート形が貴女を癒してくれるわけだ。
雌雄の天使の骨盤が、何ゆえこのような、一見して無意味なことを繰り返すのか、実は
現代の科学はおろか、星間天使学においても何一つ確かなことは分かっていない。解明に
はまだまだ時間がかかるのであろうが、一説によると、私達の心身のリフレッシュに関係
しているのではないかとも言われている。しかしそれにしては、貴女の場合に見られるよ
うに、再び外界から肛門を経て骨盤腔に戻る時の、少なからぬストレスは不可解である。
男性である私の場合は特に問題は無い。何故なら、かねてより私の頭部は、湯上がりのウ
ミウシになりたいと切に願っていたからだ。もっと言えば、男性で頭部が湯上がりのウミ
ウシになれたならと願ったことのない者は、まず一人もいないだろう。積年の願いが叶っ
たわけである。もっともごく短時間の変態を繰り返すという形でしかないが。
いささか長くなってしまったが、以上が天使の骨盤の活動のあらましである。最後に次
のことを付け加えて、この項を終わりとしたい。
天使の骨盤は、七色に透きとおったピスキス・アウストリヌス座ウエハースに似て、美
しく脆く儚い風情をしており、生温かく柔らかな海豚座マシュマロウに似た、大・小腸及
び膀胱・子宮等の骨盤内臓器と共に、珍味としてグルメ愛好家にたいそう好まれると言わ
れてきた。しかしこれは、名状し難い根本偶然に直面すると、あたかも催眠術にかかった
ようにコロリと夢見がちになってしまい、あらぬ妄想でしばしば道を踏み間違える人類の
呆れた大俗説である。奴らは幼生の頃からイリコやチリメンジャコが大好きで、しょっち
ゅう貪り食っているため、思いのほか骨が硬く、骨盤は相撲取りよりも遥かにガッチリし
ていて頑丈である。いやその硬いこと硬いこと。こんなの食べようにもどうにも歯が立た
ない。グルメ愛好家が食べたと信じているのは、恐らくピスキス・アウストリヌス座ウエ
ハースを成形加工した偽物であろう。悪質なネット直販業者に騙されないためにも、江湖
に注意を喚起しておきたい。そもそも股間に食われているのはこちらなわけだし、天使の
骨盤は食用には適さない。
あなたの春の一日
朝
ベッドを降りて すぐ窓辺に向かうのは ごく自然なあなたの
習わし 目覚めるまぎわの 夢の中で負った新鮮な傷口が春を
染めあげ 「生まれたばかりの幼い蜥蜴に会いたく」は 行く
春の謂われとしては 姑息なもの言い 庭に一輪 咲き初めた
白薔薇に 「おまえを切る」と鋏を入れ グラスに挿したテー
ブルに頬杖ついて見つめていても しょせんは成就しない美と
いうもの 紅茶は冷えていたずらに紅い
昼
河口と雲だけが輝き 突堤の先端では 日傘を傾けるあなたも
あなたが連れたトイプードルも 記憶のように瞬きながら翳る
毛細管が急速に繁茂していく青空 やがて暗黒へとゆらいでい
く青空 水平線が飛沫をあげて垂直に立ち上がり 目盛られる
来し方100年 さらに100年 「戦争は宴だった?」 初夏を思わ
す太陽の下で あなたは質素だった食卓のことばかり思い出す
そこに居たはずの わずかな係累のことも
夕
あなたにとって星は 呼びかけうる最も近しい隣人 窓が閉じ
られカーテンがひかれ そそくさと踵を返すキッチンでは 一
枚の肉が夕焼けのように焼けていく 皿を並べたテーブルの上
では 白薔薇の首が刻々死へと落ちていく 肉の油で汚れた唇
をぬぐい 膝に前肢を掛ける三毛をたしなめ なにより無事を
尊ぶあなたの生活 きょう一日のことを 「あれ?」と こと
もなげに忘れてしまえば 忘れたことはあしたまで見る夢の糧
STATION TO STATION。
言葉、言葉、言葉。
(シェイクスピア『ハムレット』第二幕・第二場、野島秀勝訳)
言葉にならなかった何かを言おうとして、
(アストゥリアス『グアテマラ伝説集』春嵐の妖術師たち 3、牛島信明訳)
言葉、言葉と思っている彼の前に、バスが止まった。
(リチャード・マシスン『狂った部屋』小鷹信光訳)
バスが停まっても誰も乗らない。
(アゴタ・クリストフ『昨日』堀 茂樹訳)
たぐいなく美しい一輪の花が、おだやかな波にゆられて、輝きながら漂ってきた。
(ノヴァーリス『青い花』第一部・第九章、青山隆夫訳)
水が水と出会うように、
(エマソン『償い』酒本雅之訳)
言葉と水が混じり合う
(ディラン・トマス『ぼくがノックし』松田幸雄訳)
波はあなたの足を濡らした。
(レイナルド・アレナス『めくるめく世界』9、鼓 直・杉山 晃訳)
花じゃないの?
(ブライアン・W・オールディス『唾の樹』中村 融訳)
花?
(ジーン・ウルフ『拷問者の影』10、岡部宏之訳)
きれいな花ね。なんというの?
(ジョン・ウィンダム『野の花』大西尹明訳)
魚さ。
(ギブスン&スターリング『ディファレンス・エンジン』上・第二の反復、黒丸 尚訳)
何という名前だったかな、
(ナボコフ『賜物』第5章、沼野充義訳)
名前を教えてくれ、それがきっかけで
(チャールズ・ディケンズ『手袋』中村保男訳)
忘れていたことが思いだされてくる。
(グレゴリイ・ベンフォード『夜の大海の中で』第二部・14、山高 昭訳)
新しい名が新しい性格をひきだすこともある。
(R・A・ラファティ『九百人のお祖母さん』浅倉久志訳)
古い名前を残せば、古い意味も残り伝わる
(レイ・ブラッドベリ『浅黒い顔、金色の目』一ノ瀬直二訳)
水の中に答えはない。
(ロジャー・ゼラズニイ『ユニコーンの徴(しるし)』10、岡部宏之訳)
その水は、ちらちらと見える魚の住むひとつの夢であり、
(フランク・ハーバート『デューン砂漠の神皇帝』第3巻、矢野 徹訳)
夢自体、影にすぎない。
(シェイクスピア『ハムレット』第二幕・第二場、野島秀勝訳)
でも
(ゴンブローヴィッチ『フェルディドゥルケ』1、米川和夫訳)
この夢から醒めることは、またこの夢のなかにとびこむことだ、
(シオドア・スタージョン『コスミック・レイプ』19、鈴木 晶訳)
われわれ人間は夢と同じもので作られている。
(シェイクスピア『テンペスト』第四幕・第一場、伊東杏里訳)
ぼくはなにを見つけられると思っていたのだろう?
(グレッグ・イーガン『ワンの絨毯』山岸 真訳)
幾千匹もの魚たち、
(J・G・バラード『夢幻会社』21、増田まもる訳)
枝にかへらぬ花々よ。
(金子光晴『わが生に与ふ』四)
その忘れがたい素晴らしい思い出に
(ブライス=エチェニケ『幾たびもペドロ』1、野谷文昭訳)
夢に、さまざまな声にひきよせられたのだ。
(ルーシャス・シェパード『戦時生活』第四部・13、小川 隆訳)
光がまぶしかった。
(ロバート・F・ヤング『時が新しかったころ』11、中村 融訳)
一つ一つのものは自分の意味を持っている
(リルケ『フィレンツェだより』森 有正訳)
だがそのすべてが贋物でありうるのだ。
(ジョン・スラデック『使徒たち──経営の冒険』野口幸夫訳)
なぜ「きみを愛している」といえなかったのか?
(リチャード・コールダー『アルーア』浅倉久志訳)
顔、顔、顔。
(フランク・ハーバート『デューン砂漠の神皇帝』第2巻、矢野 徹訳)
記憶の記憶の記憶。
(オースン・スコット・カード『神の熱い眠り』2、大森 望訳)
水に変化する
(ウィリアム・バロウズ『ノヴァ急報』では、身支度を……、諏訪 優訳)
自我
(ロバート・シルヴァーバーグ『内死』17、中村保男・大谷豪見訳)
水とは生まれてきた魂でなくて何か?
(イェイツ『クール荘園とバリリー、一九三一年』高松雄一訳)
眠ることのない潜在意識が、
(アーサー・C・クラーク『犬の星』南山 宏訳)
世界中のあらゆる記憶が宿っているのだ。
(ロア=バストス『汝、人の子よ』VII・7、吉田秀太郎訳)
自分の記憶だけではなく、あらゆる人々の記憶が。
(マイケル・マーシャル・スミス『スペアーズ』第二部・13、嶋田洋一訳)
水を愛し、
(紫 式部『源氏物語』蜻蛉、与謝野晶子訳)
水へはいってしまった人は
(紫 式部『源氏物語』蜻蛉、与謝野晶子訳)
すべて
(ジョン・スラデック『使徒たち──経営の冒険』野口幸夫訳)
溺れる
(パメラ・ゾリーン『心のオランダ』野口幸夫訳)
人がよく死ぬ水だ
(紫 式部『源氏物語』浮舟、与謝野晶子訳)
同じ水だけれど、
(フェリスベルト・エルナンデス『水に浮かんだ家』平田 渡訳)
この考える水も永劫には流れない
(西脇順三郎『旅人かえらず』)
魚はみんないなくなっていた。
(アルフレッド・ベスター『コンピューター・コネクション』3、野口幸夫訳)
同じ夢を見ていたのだろうか?
(イタロ・ズヴェーヴォ『トリエステの謝肉祭』8、堤 泰徳訳)
ちひさき魚は眼(め)にもとまらず。
(萩原朔太郎『広瀬川』)
その詩なら知っている
(P・D・ジェイムズ『黒い塔』3・2、小泉喜美子訳)
引用さ
(ゼナ・ヘンダースン『血は異ならず』知らずして御(み)使(つか)いを舎(やど)したり、宇佐川晶子訳)
すべて本から仕入れたものさ。
(P・D・ジェイムズ『不自然な死体』第二部・1、青木久恵訳)
思考はあらゆるものを、利用可能なものに変える。
(エマソン『詩人』酒本雅之訳)
どのような自我の排出が行なわれ、そしてどのような自我の再充填が行なわれているのか。
(ロバート・シルヴァーバーグ『一人の中の二人』7、中村保男訳)
言葉、言葉、言葉。
(シェイクスピア『ハムレット』第二幕・第二場、野島秀勝訳)
ぼくらはそれに奉仕せねばならないんだ。さもなければ、それはぼくらに奉仕してはくれないだろう。
(ブライアン・オールディス『子供の消えた惑星』2、深町真理子訳)
言葉は力だ。
(マキャフリー&ナイ『魔法の船』3、嶋田洋一訳)
魂を広げてくれる
(ロバート・シルヴァーバーグ『内側の世界』6、大久保そりや・小川みよ訳)
おのれの思考と意志の活力に応じて、彼は世界を自分のなかへ吸収する。
(エマソン『自然』三、酒本雅之訳)
だが、
(トマス・テッシアー『ブランカ』添野知生訳)
意志の力で愛することはできない
(P・D・ジェイムズ『殺人展示室』第三部・7、青木久恵訳)
ただ愛さなければいけないというだけで、愛することなどできない
(イエイツ『まだらの鳥』第三編・1、島津彬郎訳)
しかしロゴスの論理を、われわれはどこにさがせばいいのか?
(R・A・ラファティ『超絶の虎』伊藤典夫訳)
すべてを解釈しようとする心
(ロジェ・カイヨワ『妖精物語からSFへ』第三部・二、三好郁朗訳)
人間の心は説明をもとめつづける。
(ジョージ・アレック・エフィンジャー『重力が衰えるとき』6、浅倉久志訳)
偶然かもしれない。
(ウォルター・テヴィス『運がない』黒丸 尚訳)
聞こえもせず、見えもしないものが後ろにある。
(シェリー『鎖を解かれたプロメテウス』第一幕、石川重俊訳)
ふだん、存在は隠れている。存在はそこに、私たちの周囲に、また私たちの内部にある。
(サルトル『嘔吐』白井浩司訳)
思考は、演算のなかに存在し、結論は、命題のなかに存在する。
(ノヴァーリス『一般草稿』[1022]、今泉文子訳)
ある場所、ある時間、ある不思議な類似性、ある錯誤、
(ノヴァーリス『断章と研究 1799-1800年』[559]、今泉文子訳)
なんらかの偶然などを介して、最も異質なもの同士が遭遇する。
(ノヴァーリス『断章と研究 1799-1800年』[559]、今泉文子訳)
小魚の群れが一つになってさっと動いてはとまり、
(ルーシャス・シェパード『黒珊瑚』小川 隆訳)
またさーっと動いて枝の中にはいったりでたりしている。
(ルーシャス・シェパード『黒珊瑚』小川 隆訳)
すばやく、詩句がとびかった。
(M・ジョン・ハリス『パステル都市』第四章、大和田 始訳)
人間たちの夢を見るんだ。
(ジェラルド・カーシュ『骨のない人間』西崎 憲訳)
だけど、
(イアン・マクドナルド『キャサリン・ホイール(タルジスの聖女)』古沢嘉通訳)
だれがだれの夢なのか。
(デイヴィッド・ブリン『有意水準の石』中原尚哉訳)
一つ一つの単語の意味は理解できるが、その総和はちんぷんかんぷん
(コードウェイナー・スミス『星の海に魂の帆をかけた女』5、伊藤典夫訳)
言葉がいかに迅速に交差するか、
(エズラ・パウンド『グイード・カヴァルカンティに』小野田正和・岩原康夫訳)
ぼくなど、記憶と誤解のちらつきでしかない。
(ジョン・クロウリー『エンジン・サマー』大森 望訳)
ちらちらと見える魚
(フランク・ハーバート『デューン 砂漠の神皇帝』第3巻、矢野 徹訳)
幾千匹もの魚たち、
(J・G・バラード『夢幻会社』21、増田まもる訳)
感情の元素とは内的な光なのだが、その内的な光は屈折して、
(ノヴァーリス『サイスの弟子たち』二、今泉文子訳)
より美しく、より強烈な色彩となる。
(ノヴァーリス『サイスの弟子たち』二、今泉文子訳)
光は尽きることなく次から次へあふれてくる。
(ルーシャス・シェパード『竜のグリオールに絵を描いた男』1、内田昌之訳)
光のかけら一つ一つがそれぞれ人間の命なのだ。
(ブルース・スターリング『スキズマトリックス』第三部、小川 隆訳)
どれもが千の顔のひとつであり、二度と見ることはない。
(サミュエル・R・ディレイニー『アインシュタイン交点』伊藤典夫訳)
何千何万という世界が重なっている。
(ルーシャス・シェパード『ぼくたちの暮らしの終わり』小川 隆訳)
ありとあらゆる色彩と光とがあふれていた。
(サングィネーティ『イタリア綺想曲』6、河島英昭訳)
これまでに、こんなものを見たことがあるかい?
(サミュエル・R・ディレイニー『エンパイア・スター』12、岡部宏之訳)
自分のものではないとわかっている多くの記憶のこま切れだ。
(フランク・ハーバート『デューン砂丘の大聖堂』第3巻、矢野 徹訳)
文学作品からの引用
(ジョン・スラデック『書評欄』越智道雄訳)
それは一つの純粋な詩なのだ。
(ロバート・シルヴァーバーグ『内死』1、中村保男・大谷豪見訳)
なぜこんなものを選んだのだろう。
(キム・ニューマン『ドラキュラ紀元』38、梶元靖子訳)
ほかになにがあると思っているんだい?
(ブライアン・オールディス『子供の消えた惑星』2、深町真理子訳)
ぼくらは夢と同じ生地で織られている
(ホフマンスタール『三韻詩(テルツイーネ)』川村二郎訳)
溺れる人間が立てる音はどのようなものか?
(パメラ・ゾリーン『心のオランダ』野口幸夫訳)
じつはきみの夢もためしてみたんだ
(ゼナ・ヘンダースン『果しなき旅路』ヨルダン、深町真理子訳)
ぼくは、きみが苦しんでいるのを見ると楽しいのさ。
(スティーヴン・バクスター『虚空のリング』上・第一部・2、小木曽絢子訳)
きみも詩を書いてるのか?
(ティム・パワーズ『石の夢』上・第一部・第八章、浅井 修訳)
あるいは、その逆か
(アヴラム・デイヴィッドスン『眠れ美女ポリー・チャームズ』古屋美登里訳)
詩人というものは、他者の性質を変化させるほどの内なる力の結合の産物であり、
(シェリー『鎖を解かれたプロメテウス』序文、石川重俊訳)
これらの力を刺激し、支える、外なる影響の産物なのだ。
(シェリー『鎖を解かれたプロメテウス』序文、石川重俊訳)
詩人は、その一方ではなく、両方なのだ。
(シェリー『鎖を解かれたプロメテウス』序文、石川重俊訳)
創造者であるとともに被創造物でもある。
(ブライアン・W・オールディス『讃美歌百番』浅倉久志訳)
詩人は詩による創造であり、詩は詩人による創造である。
(オクタビオ・パス『弓と竪琴』詩的啓示・インスピレーション、牛島信明訳)
記憶の記憶の記憶。
(オースン・スコット・カード『神の熱い眠り』2、大森 望訳)
また増えてるのかい?
(ボブ・ショウ『メデューサの子ら』2、菊地秀行訳)
わたしはわたしとなり、
(ゼナ・ヘンダースン『果しなき旅路』荒野、深町真理子訳)
やがて世界中すべてが、わたしの声と顔、そして手触りに満ちる。
(シオドア・スタージョン『闇の間近で』樋口真理訳)
なぜ「きみを愛している」といえなかったのか?
(リチャード・コールダー『アルーア』浅倉久志訳)
人生にはなにか見落としているものや自分の知らないものがあるだろうか?
(アンナ・カヴァン『愛の渇き』5、大谷真理子訳)
自由なのは見捨てられたものだけだ。
(ブライアン・W・オールディス『終りなき午後』5、伊東典夫訳)
創造性とは、関係の存在しないところに関係を見出す能力にほかならない。
(トマス・M・ディッシュ『334』ソクラテスの死・4、増田まもる訳)
オリジナルよりもずっとリアルなものに並びかえられたジグソーパズル。
(リチャード・コールダー『デッドガールズ』第七章、増田まもる訳)
いくつものばらばらな記憶
(デイヴィッド・ブリン『キルン・ピープル』下・第三部・61、酒井昭伸訳)
自分の記憶だけではなく、あらゆる人々の記憶が
(マイケル・マーシャル・スミス『スペアーズ』第二部・13、嶋田洋一訳)
他人の思い出が自分自身の思い出といかに簡単に混じり合うか、
(ミシェル・トゥルニエ『メテオール(気象)』第十四章、榊原晃三・南條郁子訳)
それをならべかえる
(カール・ジャコビ『水槽』中村能三訳)
好きなように世界が配列できるのだ
(スタニスワフ・レム『天の声』17、深見 弾訳)
自分自身の感性以上にリアルなものは存在しない。
(フリッツ・ライバー『ジェフを探して』深町眞理子訳)
誰があなたをここへ?
(ブライアン・W・オールディス『解放されたフランケンシュタイン』第二部・5、藤井かよ訳)
こんな場所に誰が連れてきたのだろう?
(シャルル・プリニエ『醜女の日記』一九三七年五月二十二日、関 義訳)
ほんとうのヴィジョンとはなんだろう? 現実だ、もちろん。
(アーシュラ・K・ル・グイン『視野』浅倉久志訳)
人生は解決すべき問題ではなく、経験すべき現実なのさ
(フランク・ハーバート『デューン 砂丘の子供たち』第2巻、矢野 徹訳)
作家にとって無駄な経験というものはない。
(ウィリアム・バロウズ『夢の書 わが教育』山形浩生訳)
苦労せずにすぐれたものを手にすることはできない。
(イエイツ『アダムの呪い』高松雄一訳)
生のすべての真実を、直接的な体験として知ること。
(イアン・ワトスン『エンベディング』第十三章、山形浩生訳)
人生はまず生きてみなくてはいけない。
(ホセ・ドノーソ『閉じられたドア』染田恵美子訳)
重要なのは経験だ。
(ミシェル・ジュリ『不安定な時間』鈴木 晶訳)
すべての経験にそれ自体の教えがある
(フランク・ハーバート『デューン 砂の惑星』第1巻、矢野 徹訳)
経験の外にあるものを思い出すことは不可能だ。
(バリントン・J・ベイリー『光のロボット』13、大森 望訳)
いかに記憶し、いかに思考過程をはじめるか
(ブライアン・W・オールディス『率直にいこう』井上一夫訳)
記憶とはいったい何なのか、
(コルターサル『石蹴り遊び』向う側から・21、土岐恒二訳)
記憶は個人的な感覚(、、、、、、)であり──個人化の要素である。
(ノヴァーリス『一般草稿』[859]、今泉文子訳)
結局、記憶なんてのは、純然たる選択の問題なのよね
(フエンテス『脱皮』第二部、内田吉彦訳)
しかも、物語の多くを間違って覚えている。
(ロジャー・ゼラズニイ『アヴァロンの銃』6、岡部宏之訳)
過去の現実というのは、あと知恵という強い力に照らされると違った見え方をするからだ。
(マイケル・マーシャル・スミス『ワン・オヴ・アス』第3部・21、嶋田洋一訳)
古い記憶ほど鮮明なものである。
(J・L・ボルヘス『老夫人』鼓 直訳)
別人の顔があらわれる。
(フィリップ・ホセ・ファーマー『紫年金の遊蕩者たち』大和田 始訳)
記憶は出来事の順序や人の名前をごた混ぜにする、
(カミロ・ホセ・セラ『二人の死者のためのマズルカ』有本紀明訳)
記憶は詩人の素材である。
(ロバート・リンド『遺失物』行方昭夫訳)
あらゆるものがなんとあふれんばかりに戻ってくることか──
(トマス・M・ディッシュ『334』334・第三部・24、増田まもる訳)
詩、また詩。嘘、また嘘──
(トマス・M・ディッシュ『334』334・第六部・41、増田まもる訳)
世界はものごとをほんものにする
(テリー・ビッスン『世界の果てまで何マイル』26、中村 融訳)
時はわれわれの嘘を真実に変えると、わたしはいっただろうか?
(ジーン・ウルフ『拷問者の影』17、岡部宏之訳)
われわれ自身がその媒介になるのだ。
(ミロスラフ・イサコーヴィチ『消失』波津博明訳)
多くのことを知っているが、全部ではない。そこには違いがある。
(ロジャー・ゼラズニイ『影のジャック』6、荒俣 宏訳)
もっと多くのことを知らなければならない。
(ロジャー・ゼラズニイ『オベロンの手』5、岡部宏之訳)
あらゆるものが現実だ。
(フィリップ・K・ディック『ユービック:スケリーンプレイ』34、浅倉久志訳)
あらゆる出会いが苦しい試練だ。
(フィリップ・K・ディック『ユービック:スケリーンプレイ』34、浅倉久志訳)
形と意味を与えられた苦しみ。
(サミュエル・R・ディレイニー『コロナ』酒井昭伸訳)
過去は味が深くなる。
(ヴァージニア・ウルフ『ダロウェイ夫人』富田 彬訳)
どんなものも、過去になってしまわない限り現実味を持たない。
(マイケル・マーシャル・スミス『ワン・オヴ・アス』第2部・13、嶋田洋一訳)
再び生きる、
(ロバート・シルヴァーバーグ『いまひとたびの生』1、佐藤高子訳)
あれこれ思い返しては何度もそのときを生きたのだった。
(アドルフォ・ビオイ=カサーレス『パウリーナの思い出に』平田 渡訳)
これは、心の始まりだろうか?
(フランク・ハーバート『デューン砂丘の大聖堂』第3巻、矢野 徹訳)
はじめはそんな単純なものさ。
(スタニスワフ・レム『浴槽で発見された手記』2、村手義治訳)
ぼくはここからはじめる。
(オースン・スコット・カード『キャピトルの物語』第一部・5、大森 望訳)
人間がその死性を免れる道は、笑いと絆を通してでしかない。それら二つの大いなる慰め。
(グレゴリイ・ベンフォード『輝く永遠への航海』下・第六部・5、冬川 亘訳)
だれが光を注いでくれたのか
(ジョン・ベリマン『ブラッドストリート夫人賛歌』39、澤崎順之助訳)
精神は刺激を同化吸収しようとつとめる。精神を刺激するのは、異質なものである。
(ノヴァーリス『断章と研究 一七九八年』今泉文子訳)
交わりは光りを生む
(エズラ・パウンド『詩篇』第七十四篇、新倉俊一訳)
それがまったくちがった人々や場所、出来事をむすびつけている
(イアン・ワトスン『エンベディング』第一章、山形浩生訳)
光こそ事物の根源で
(プルースト『シャルダンとレンブラント』粟津則雄訳)
すべては光でできている。
(ルーディ・ラッカー『ホワイト・ライト』第二部・10、黒丸 尚訳)
光ならずして何を心が糧にできよう?
(トマス・M・ディッシュ『キャンプ・コンセントレーション』二冊目・27、野口幸夫訳)
瞬間的でしかない意識
(ブライアン・オールディス『橋の上の男』井上一夫訳)
きみが生きている限り、きみはまさに瞬間だ、
(H・G・ウェルズ『解放された世界』第三章・3、浜野 輝訳)
永遠の中のただの一瞬、
(ヴァン・ヴォークト『フィルム・ライブラリー』沼沢洽治訳)
瞬間は永遠に繰り返す。
(イアン・ワトスン『バビロンの記憶』佐藤高子訳)
光、光、光。
(R・A・ラファティ『深色ガラスの物語』井上 央訳)
その光を、どうやって手に入れる?
(アイザック・アシモフ『夜来たる』川村哲郎訳)
交わりは光りを生む
(エズラ・パウンド『詩篇』第七十四篇、新倉俊一訳)
ぼくらは多くのものに影響を受け、共鳴する。
(フランク・ハーバート『デューン砂丘の子供たち』第3巻、矢野 徹訳)
多くのほかの精神につながっている
(ルーシャス・シェパード『戦時生活』第四部・14、小川 隆訳)
どのような自我の排出が行なわれ、そしてどのような自我の再充填が行なわれているのか。
(ロバート・シルヴァーバーグ『一人の中の二人』7、中村保男訳)
砂漠に沈む太陽は、ぼくの魂に沈んでゆく太陽だ。
(フランク・ハーバート『デューン砂丘の子供たち』第2巻、矢野 徹訳)
事物を離れて観念はない
(ウィリアム・カーロス・ウィリアムズ『パターソン』第一巻・巨人の輪郭・I、沢崎順之助訳)
外界の事物は、人間の頭脳にほんとうに影響をおよぼすものである。
(ジュール・ヴェルヌ『地底旅行』26、窪田般弥訳)
だが
(フランク・ハーバート『デューン 砂漠の異端者』第2巻、矢野 徹訳)
現実の事物は刺(し)激(げき)が強すぎる。用心しなければならない。
(ヴァージニア・ウルフ『ダロウェイ夫人』冨田 彬訳)
偽の光
(ジョン・スラデック『非12月』越智道雄訳)
偽の記憶
(ハリイ・ハリスン『ステンレス・スチール・ラットの復讐』17、那岐 大訳)
光は過剰な秩序であり、致命的なものになり得る。
(フランク・ハーバート『デューン砂丘の子供たち』第二巻、矢野 徹訳)
太陽は人をあざむくからね。
(アントニイ・バージェス『アバ、アバ』4、大社淑子訳)
用心したまえよ、事物のやさしさに、
(ポール・ジャン・トゥーレ『コントリーム』入沢康夫訳)
虚偽は言葉のなかにではなく、事物のなかにある
(イタロ・カルヴィーノ『マルコ・ポーロの見えない都市』IV・都市と記号5、米川良夫訳)
実在するものはすべて、絶えず同時に現われたり消えたりしてるのよ。
(イアン・ワトスン『存在の書』第三部、細美遙子訳)
それらすべてがわれわれの周囲に渦巻いている。可能性だ
(ジョージ・R・R・マーティン『フィーヴァードリーム』10、増田まもる訳)
可能性の影は物体であり、事物であり、事象である。
(イアン・ワトスン『存在の書』第二部・細美遙子訳)
世界、──魂の投げかけるこの影、あるいはべつのわたし(、、、、、、)」
(エマソン『アメリカの学者』酒本雅之訳)
どんな悦びも一瞬のあいだしかつづかないのではなかろうか?
(シャルル・プリニエ『醜女の日記』一九三六年一月二十七日、関 義訳)
生けるものは誰一人、苦しみを味わうものなかれと願う。
(シェリー『鎖を解かれたプロメテウス』第一幕、石川重俊訳)
心は、わたしを苦しめる以外にどんな役に立ったというのだろう?
(シャルル・プリニエ『醜女の日記』一九三七年四月八日、関 義訳)
なぜ人は自分を傷つけるのが好きなんだろう?
(J・ティプトリー・ジュニア『ヴィヴィアンの安息』伊藤典夫訳)
いったい人は、いつかは誰かを理解するものなのだろうか? そして自分自身のことも?
(シャルル・プリニエ『醜女の日記』一九三七年三月十七日、関 義訳)
多分ぼくは苦しむのが好きなのだろう。これまでも人をさんざん苦しめてきたし、
(フィリップ・ホセ・ファーマー『わが内なる廃墟の断章』9、伊藤典夫訳)
見聞するところでは、人を苦しめるのが好きな人間は、苦しめられることを無意識に願っている。
(フィリップ・ホセ・ファーマー『わが内なる廃墟の断章』9、伊藤典夫訳)
苦しみは自我の根拠であり、自我の唯一の疑うべからざる存在論的証拠である
(ミラン・クンデラ『不滅』第四部・11、菅野昭正訳)
痛覚がわれわれの肉体を保持するために欠くことのできない条件であるように、
(トルストイ『ことばの日めくり』十月二十八日、小沼文彦訳)
苦悩もまたわれわれの霊を保持するためにどうしても必要な条件である。
(トルストイ『ことばの日めくり』十月二十八日、小沼文彦訳)
人生に意味を与える
(レイナルド・アレナス『夜になるまえに』レサマ=リマ、安藤哲行訳)
苦痛こそ教育の効果なので、新たな知識が誕生するにつれて、
(J・K・ユイスマンス『さかしま』第六章、澁澤龍彦訳)
苦痛はいよいよ大きくなり、刃(やいば)のように鋭くなるのだ。
(J・K・ユイスマンス『さかしま』第六章、澁澤龍彦訳)
自我は単なる勝利だけでは満足しないのだ──試されつづけねばならない……
(ゲイリー・ライト『氷の鏡』安田 均訳)
だけど、
(イアン・マクドナルド『キャサリン・ホイール(タルジスの聖女)』古沢嘉通訳)
なぜ苦痛なんだ?
(グレッグ・ベア『ナイトランド─<冠毛の>一神話』7、酒井昭伸訳)
なぜ苦痛なのか?
(J・ティプトリー・ジュニア『大きいけれど遊び好き』伊藤典夫訳)
正しく評価されないことが苦痛なのだ
(フランク・ハーバート『デューン 砂漠の神皇帝』第3巻、矢野 徹訳)
芸術家気質というものをよく知っている
(ゴア・ヴィダール『マイラ』35、永井 淳訳)
ぼくはいつも夢みて生きているんだからね
(カミロ・ホセ・セラ『二人の死者のためのマズルカ』有本紀明訳)
このコーヒー茶碗、このナイフ、このフォーク、本質のままの事物
(ヴァジニア・ウルフ『波』鈴木幸夫訳)
単に存在するだけということはできないのか?
(フランク・ハーバート『デューン 砂漠の神皇帝』第3巻、矢野 徹訳)
色彩の下には形(シエイプ)があった。
(ヴァジニア・ウルフ『波』鈴木幸夫訳)
まるでわたしの顔だちの一つ一つが、その形に苦しんでいるかのように。
(シャルル・プリニエ『醜女の日記』一九三七年四月十日、関 義訳)
笑ったりゆがめたりしないと、人の顔には個性なんて生まれてこないのよ
(トマス・M・ディッシュ『M・D』下・第五部・68、松本剛史訳)
具体性こそが基本である。
(オリバー・サックス『妻を帽子とまちがえた男』第四部、高見幸郎・金沢泰子訳)
現実を生き生きとさせ、「リアル」たらしめ、個人的に意味のあるものにするのは「具体性」なのである
(オリバー・サックス『妻を帽子とまちがえた男』第四部、高見幸郎・金沢泰子訳)
いかにすばらしくたって、夢はけっきょく夢だからね
(アーサー・マッケン『パンの大神』1、平井呈一訳)
夢想で作り上げたものは現実で償われなければならない
(ジェイムズ・メリル『イーフレイムの書』I、志村正雄訳)
不幸は情熱の糧なのだ。
(ターハル・ベン=ジェルーン『聖なる夜』9、菊地有子訳)
情熱こそは人間性の全部である。
(バルザック『人間喜劇』序、中島健蔵訳)
不幸はしばしばもっと大きな苦しみによって報いられる。
(ルネ・シャール『砕けやすい年(抄)』水田喜一朗訳)
おそらく、苦悩はつねに最強のものなのだ。
(マルロー『アルテンブルクのくるみの木』シャルトル捕虜収容所、橋本一明訳)
苦しみは人生で出会いうる最良のものである
(プルースト『失われた時を求めて』第六篇・逃げさる女、井上究一郎訳)
魂の他のどんな状態にもまして、悲しみは、人間の性格や運命を深く洞察させる。
(スタール夫人『北方文学と南方文学』加藤晴久訳)
増大する苦痛が苦痛の観察を強いるのです。
(ヴァレリー『テスト氏』テスト氏との一夜、村松 剛・菅野昭正訳)
悲しみは、一回ごとに一つの法則をわれわれにあかすわけではないにしても、
(プルースト『失われた時を求めて』第七篇・見出された時、井上究一郎訳)
そのたびにわれわれを真実のなかにひきもどし、物事を真剣に解釈するようにさせる
(プルースト『失われた時を求めて』第七篇・見出された時、井上究一郎訳)
世界はすべての人間を痛めつけるが、のちには多くの人がその痛めつけられた場所で、かえって強くなることもある。
(ヘミングウェイ『武器よさらば』第三四章、鈴木幸夫訳)
苦悩(くるしみ)は祝福されるのだ。
(フロベール『聖アントワヌの誘惑』第三章、渡辺一夫訳)
苦痛の深部を経て、人は神秘に、真髄に達するのだ。
(プルースト『失われた時を求めて』第六篇・逃げさる女、井上究一郎訳)
悲哀のあるところには聖地がある。
(ワイルド『獄中記』田部重治訳)
苦悩はいとも永い一つの瞬間である。
(ワイルド『獄中記』田部重治訳)
創造する者が生まれ出るために、苦悩と多くの変身が必要なのである。
(ニーチェ『ツァラトゥストラ』第二部、手塚富雄訳)
苦しみは焦点を現在にしぼり、懸命(、、、)な闘いを要求する。
(カミュ『手帖』第四部、高畠正明訳)
苦しむこと、教えられること、変化すること。
(シモーヌ・ヴェイユ『重力と恩寵』不幸、田辺 保訳)
海が消えた。
(ウィリアム・ギブスン『カウント・ゼロ』23、黒丸 尚訳)
花はなかったし、
(紫 式部『源氏物語』東屋、与謝野晶子訳)
バスもなかった。
(P・D・ジェイムズ『黒い塔』7・2、小泉喜美子訳)
何もない。
(アイザック・アシモフ『ミクロの決死圏』1、高橋泰邦訳)
決してあったことのない記憶、頭の外にはなかったものだ。
(ハリイ・ハリスン『ステンレス・スチール・ラット諸君を求む』12、那岐 大訳)
魔術を使うのだ
(ジェラルド・カーシュ『ねじくれた骨』駒月雅子訳)
魔法さ。
(パオロ・バチガルピ『ねじまき少女』下・42、田中一江・金子 浩訳)
魔法の杖で触れること。
(ノヴァーリス『断章と研究 一七九八年』今泉文子訳)
ほら
(ジェイムズ・D・フーストン『ガスマスク』大谷圭二訳)
そのひと言で、
(カブレラ=インファンテ『亡き王子のためのハバーナ』女戦士(アマゾネス)、木村榮一訳)
太陽をこわしたり、作ったりできる
(スタニスワフ・レム『泰平ヨンの航星日記』第二十一回の旅、深見 弾訳)
詩というのは
(J・L・ボルヘス『月』鼓 直訳)
現実を変えてしまうのさ。
(K・W・ジーター『グラス・ハンマー』黒丸 尚訳)
ああ、ぼくの頭はどうしたんだろう?
(シオドア・スタージョン『人間以上』第三章、矢野 徹訳)
頭のまわりで世界が回転する。
(ダグラス・アダムス『ほとんど無害』12、安原和見訳)
ぼくの頭もぐるぐるまわりはじめた。
(ジョン・クリストファー『トリポッド 2 脱出』2、中原尚哉訳)
頭がぐるぐる回っている、
(ドナルド・バーセルミ『アリス』邦高忠二訳)
私は頭の回転がよくなっているのだろう。
(トマス・M・ディッシュ『キャンプ・コンセントレーション』二冊目・3、野口幸夫訳)
ああ、世界がぐるぐる廻るわ!
(レイ・ブラッドベリ『メランコリイの妙薬』吉田誠一訳)
この世界がぐるぐるまわっているからさ。
(ボブ・ショウ『メデューサの子ら』5、菊地秀行訳)
世界ははたと動きをとめた。
(アルフレッド・ベスター『祈り』稲葉明雄訳)
いったい、この世界はどうなっているんだろう。
(ガルシア=マルケス『族長の秋』鼓 直訳)
どうして人生を込み入ったものにしちゃうんだろうな?
(フエンテス『脱皮』第二部、内田吉彦訳)
深い知恵は無知を恐れない。
(トルストイ『ことばの日めくり』十月一日、小沼文彦訳)
愚かさがなければ、さらなる理解への刺激はどこにあるというのだ?
(ジャック・ヴァンス『なみ以下のサーディン』米村秀雄訳)
なんのための芸術か?
(ホフマンスタール『一人の死者の影が……』川村二郎訳)
世界は私の傷だ、
(ディラン・トマス『黄昏の明かりに祭壇のごとく』VIII、松田幸雄訳)
音楽や性行為、文学や芸術、それは今やすべて、楽しみの源ではなくて苦痛の源にされてしまってるんだね
(アントニイ・バージェス『時計じかけのオレンジ』3・4、乾 信一郎訳)
でも
(オースン・スコット・カード『神の熱い眠り』8、大森 望訳)
世界はそのままきみのものではないのか。
(リルケ『マルテの手記』高安国世訳)
きみはどんどん使い捨てて、いつも手をさし出しては新しい世界を求めた。
(リルケ『マルテの手記』高安国世訳)
なにがほしいの?
(ロジャー・ゼラズニイ『ユニコーンの徴(しるし)』3、岡部宏之訳)
物語だよ、フローラ。
(ロジャー・ゼラズニイ『ユニコーンの徴(しるし)』3、岡部宏之訳)
「花は?」
(フロベール『感情教育』第一部・五、生島遼一訳)
「花は」
「Flora.」
たしかに「Flower.」とは云はなかつた。
(梶井基次郎『城のある町にて』手品と花火)
汝は花となるであろう。
(バルザック『セラフィタ』五、蛯原〓夫訳)
花となり、香となるだろう。
(サバト『英雄たちと墓』第IV部・7、安藤哲行訳)
それにしても、なぜいつもきまってあのことに立ちかえってしまうのでしょう……。
(モーリヤック『ホテルでのテレーズ』藤井史郎訳)
どこであれ、帰ってくるということはどこにも出かけなかったということだ。
(フエンテス『脱皮』第三部、内田吉彦訳)
あれは白い花だった……(それとも黄色だったか?
(ブライス=エチェニケ『幾たびもペドロ』3、野谷文昭訳)
「青い花ではなかったですか」
(ノヴァーリス『青い花』第一部・第一章、青山隆夫訳)
見覚えました花ですが、私(わたし)はもう忘れました。
(泉 鏡花『海神別荘』)
真(まつ)黄(き)色(いろ)な花の
(泉 鏡花『春昼後刻』三十三)
淡い青色の花だったが、
(ノヴァーリス『青い花』第一部・第一章、青山隆夫訳)
世界は物語でいっぱい
(オースン・スコット・カード『エンダーのゲーム』15、野口幸夫訳)
じつを言えば、たいていなにをやっていても楽しいのだ。
(ダグラス・アダムス『ほとんど無害』13、安原和見訳)
人生とはほとんどいつもおもしろいものだ。
(タビサ・キング『スモール・ワールド』5、みき 遙訳)
いつも何かが起きてしまうのだ。
(A・A・ミルン『自然科学』行方昭夫訳)
幸福でないものがあるだろうか?
(ブライアン・W・オールディス『暗い光年』1、中桐雅夫訳)
すべてが喜びなのである。
(ジョン・ダン『秋のような顔』湯浅信之訳)
太陽はけっしていかなる影をも見ない。
(『レオナルド・ダ・ヴィンチの手記』科学論、杉浦明平訳)
愛よ おまえは何を夢見ているのか?
(ヘッセ『カーネーション』岡田朝雄訳)
愛はそんなものじゃない
(デイヴィス・グラッブ『月を盗んだ少年』柿沼瑛子訳)
もともとの本質からして愛が永続するはずがない
(リサ・タトル『きず』幹 遙子訳)
もちろんさ。
(アイザック・アシモフ『ミクロの決死圏』5、高橋泰邦訳)
もちろんよ。
(ヘンリー・ジェイムズ『エドマンド・オーム卿』平井呈一訳)
だけど、まず最初に、もう一度夢を見なければならない
(イアン・マクドナルド『キャサリン・ホイール(タルジスの聖女)』古沢嘉通訳)
真に肝要なるは完成することであって完成ではなかった。
(岡倉覚三『茶の本』第二章、村岡 博訳)
どんな秘密も、そこへ至る道ほどの値うちはないのですよ。
(ゲルハルト・ケップフ『ふくろうの眼』第二十二章、園田みどり訳)
きみは実在しているものについて語る、セヴェリアン。
(ジーン・ウルフ『新しい太陽のウールス』50、岡部宏之訳)
こうして、きみはまだ実在しているものを保持しているんだよ。
(ジーン・ウルフ『新しい太陽のウールス』50、岡部宏之訳)
創造者がどれだけ多くのものを被造物と分かちもっているか、
(トマス・M・ディッシュ『M・D』下・第五部・67、松本剛史訳)
今、わたしの存在を維持しているのはだれか?
(ジーン・ウルフ『新しい太陽のウールス』50、岡部宏之訳)
あるひとつの思考は、どのくらいの時間、持続するものなのだろうか?
(ガデンヌ『スヘヴェニンゲンの浜辺』12、菅野昭正訳)
人間の精神は、ほんのわずかのあいだしか、ひとつの考えに、とどまっていることをしない
(アーサー・C・クラーク『銀河帝国の崩壊』10、井上 勇訳)
瞬間的でしかない意識
(ブライアン・オールディス『橋の上の男』井上一夫訳)
心はひとりでに動いてしまう。
(フランク・ハーバート『デューン砂丘の子供たち』第1巻、矢野 徹訳)
運動は一切の生命の源である。
(『レオナルド・ダ・ヴィンチの手記』「繪の本」から、杉浦明平訳)
言葉同士がぶつかり、くっつきあう。
(ルーディ・ラッカー『ホワイト・ライト』第四部・22、黒丸 尚訳)
ああ、これがあらゆることのもとだったんだ。
(アントニイ・バージェス『ビアドのローマの女たち』7、大社淑子訳)
変化だけがわたしを満足させる。
(モンテーニュ『エセー』第III巻・第9章、荒木昭太郎訳)
結局、精神構造とは、一個の複雑な出来事ではなかろうか?
(バリントン・J・ベイリー『王様の家来がみんな寄っても』浅倉久志訳)
世界中で価値のあるものはただひとつ、活動的な魂です。
(エマソン『アメリカの学者』酒本雅之訳)
大切なのは活発に動くことだ。
(D・G・コンプトン『人生ゲーム』2、斎藤数衛訳)
ぼくたちのバスは止まる、
(ジャック・フィニイ『失踪人名簿』福島正実訳)
私たちは言葉や指でさし示すことによってだんだん世界をわがものとしてゆく、
(リルケ『オルフォイスに寄せるソネット』第一部・16、高安国世訳)
人は手に触れるもの、愛するもの、夢見るものばかりではなく、
(フエンテス『脱皮』第二部、内田吉彦訳)
恐れ、拒否するものさえも祝福できるようにならなければいけないということだ。
(フエンテス『脱皮』第二部、内田吉彦訳)
わたしが目にしているのはなにか?
(ロバート・シルヴァーバーグ『予言者トーマス』4、佐藤高子訳)
水はたえず流れ去るが、イメージ自体は消えることがない。
(ウィリアム・ピーター・ブラッティ『エクソシスト』IV、宇野利泰訳)
別の道
(マイケル・マーシャル・スミス『スペアーズ』第三部・21、嶋田洋一訳)
べつの場所
(アルフレッド・ベスター『願い星、叶い星』中村 融訳)
別の物語
(リチャード・コールダー『デッドボーイズ』第5章、増田まもる訳)
無数の名前を記録する
(イタロ・カルヴィーノ『見えない都市』I 都市と記号1、米川良夫訳)
自我、自我、自我。
(ロバート・シルヴァーバーグ『内死』17、中村保男・大谷豪見訳)
精神的引力はさまざまな出来事を自分のところへ惹きつける
(フィリップ・ホセ・ファーマー『気まぐれな仮面』20、宇佐川晶子訳)
蜜蜂は蜜の収集家である。
(バリントン・J・ベイリー『知識の蜜蜂』岡部宏之訳)
ナポレオンの象徴は、ハチだった
(ベルナール・ウェルベル『蟻』第2部、小中陽太郎・森山 隆訳)
詩人というものは、
(ジャック・ヴァンス『愛の宮殿』8、浅倉久志訳)
蜜蜂の運命をもつ者なのだ。
(『デモクリトス断片』227、廣川洋一訳)
この蜂たちは一匹ずつごくわずかにちがう蜂蜜のしずくをもって帰ってくる
(ジェラルド・カーシュ『不死身の伍長』小川 隆訳)
口のなかは、花や蜜や花粉でいっぱいだ。
(T・J・バス『神鯨』10、日夏 響訳)
どこかで、蜂のとんでいるようなぶんぶんいう音がしている。いつもこの音だ。
(トーマス・M・ディッシュ『虚像のエコー』4、中桐雅夫訳)
多くの響きでありながら一つに聞こえる、
(シェイクスピア『ソネット8』高松雄一訳)
蜂の巣のなかの完全共同作業。
(ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア『ヒューストン、ヒューストン、聞こえるか?』伊藤典夫訳)
蜂蜜といっても、巣によってそれぞれちがう
(ジェラルド・カーシュ『不死身の伍長』小川 隆訳)
せっせと蜜を集めては、
厄介な詩を作っている
(ホラティウス『歌集』第四巻・二、鈴木一郎訳)
蜜蜂が勝手にあんなものを作るのである
(稲垣足穂『放熱器』)
さ、あの音楽をお聴き。
(シェイクスピア『ヴェニスの商人』第五幕・第一場、中野好夫訳)
しかし
(ノヴァーリス『対話・独白』今泉文子訳)
人類は客観的事実に縛られてはいない。
(フレデリック・ポール『マン・プラス』3、矢野 徹訳)
頭のなかには現実の場所よりも
はるかに多くの回廊がある
(エミリ・ディキンスン『作品六七〇』新倉俊一訳)
偽の記憶
(ハリイ・ハリスン『ステンレス・スチール・ラットの復讐』17、那岐 大訳)
架空の記憶
(J・G・バラード『ある日の午後御、突然に』伊藤 哲訳)
記憶というものはなんと二股の働きをするものだろう。一方では現わし、他方では隠す。
(ハリイ・ハリスン『ステンレス・スチール・ラットの復讐』4、那岐 大訳)
記憶というものも、それの不完全さということがやはり天の恵みなのだ。
(ウィル・ワーシントン『プレニチュード』井上一夫訳)
二すじに割れた水も手の背後ではまたひとつに結び合う。
(エマソン『償い』酒本雅之訳)
瀬をはやみ 岩にせかるる 滝川の われても末に 逢わむとぞ思ふ
(崇徳院『詞花集』恋)
魂の流出は、幸福である、ここには幸福がある、
(ホイットマン『大道の歌』8、木島 始訳)
なにも知らないことを心から楽しんでいた。自分の無知が彼を興奮させた。
(ロバート・シェクリー『トリップアウト』4、酒匂真理子訳)
つまり、学ぶことがたくさんあるということだ。
(ロバート・シェクリー『トリップアウト』4、酒匂真理子訳)
一つの現実からもう一つの現実へと
(シオドア・スタージョン『[ウィジェット]と[ワジェット]とボブ』7、若島 正訳)
名前はさらなる名前へと、どんどん遡る、最後には名前のない者へと。
(フランク・ハーバート『デューン砂丘の大聖堂』第3巻、矢野 徹訳)
すべてがはじまる場所へ。
(コードウェイナー・スミス『クラウン・タウンの死婦人』1、伊藤典夫訳)
バスはいつもと違うコースをとった。
(リサ・タトル『きず』幹 遙子訳)
きみはまたぼくと会うことになる
(ジェイムズ・P・ブレイロック『ホムンクルス』4、友枝康子訳)
あるいは、その逆か
(アヴラム・デイヴィッドスン『眠れる美女ポリー・チャームズ』古屋美登里訳)
あらゆるものは、始まったところにもどるもの
(ゼナ・ヘンダースン『果しなき旅路』2、深町真理子訳)
「愛」が覚えている先の一瞥(いちべつ)のごとく、
(シェリー『鎖を解かれたプロメテウス』第二幕・第五場、石川重俊訳)
いまぼくはあの数瞬間をふたたび発見し、それがきみを永遠にぼくに結びつけているのだ。
(ビュトール『時間割』第四部・四、清水 徹訳)
映像また映像がたわむところ
(チャールズ・トムリンソン『水の上に』土岐恒二訳)
夢はうごいている。
(サンドバーグ『赤い銃のあいだで』安藤一郎訳)
眠っているあいだも、頭ははたらいている。
(ロバート・ブロック『死の収穫者』白石 朗訳)
寝ている間も脳は動いているんだわ。
(サルトル『嘔吐』白井浩司訳)
眠ることのない潜在意識
(アーサー・C・クラーク『犬の星』南山 宏訳)
一人の人間の夢は、万人の記憶の一部なのだ。
(J・L・ボルヘス『マルティン・フィエロ』鼓 直訳)
われわれ人間は夢と同じもので作られている。
(シェイクスピア『テンペスト』第四幕・第一場、伊東杏里訳)
「夢」が知となる。
(ポール・ヴァレリー『海辺の墓地』安藤元雄訳)
心の中では数々の夢が力を持っている。
(ヴァジニア・ウルフ『波』鈴木幸夫訳)
夢がまちがってることだってあるのよ
(チャールズ・ブコウスキー『狂った生きもの』青野 聰訳)
間違っているかどうかなんて、そんなことが問題じゃないんだ、
(トンマーゾ・ランドルフィ『幽霊』米川良夫訳)
絶対に間違いのないようにするなんてことは、何の役にも立ちはしない、
(トンマーゾ・ランドルフィ『幽霊』米川良夫訳)
人生にはなにか見落としているものや自分の知らないものがあるのだろうか?
(アンナ・カヴァン『愛の渇き』5、大谷真理子訳)
われわれのかかわりを持つものが、すべてわれわれに向かって道を説く。
(エマソン『自然』五、酒本雅之訳)
その構造を知ること。
(クリフォード・D・シマック『宇宙からの訪問者』32、峰岸 久訳)
構造?
(スティーヴン・バクスター『虚空のリング』上・第二部・9、小木曽絢子訳)
啓示の瞬間が長く続くことはない。たちまちのうちにまたいつもの見方にとらわれてしまう。
(ロバート・シェクリー『隣は何をする人ぞ』米村秀雄訳)
別の雲。
(コードウェイナー・スミス『アルファ・ラルファ大通り』浅倉久志訳)
別の曲
(ウィリアム・カーロス・ウィリアムズ『砂漠の音楽』原 成吉・江田孝臣訳)
人間の通性が不意に稀有なものとなる。
(ジェフリー・ヒル『小黙示録』富士川義之訳)
万物に輝きと昂揚を与えるこの魂
(エマソン『霊の法則』酒本雅之訳)
われわれの内部にあっては情感であるあの魂が、外部にあれば法則となる。
(エマソン『償い』酒本雅之訳)
昼がなければ夜もあるまい
(ロバート・シルヴァーバーグ『大地への下降』12、中村保男訳)
考えれば気づいたはずのこと
(アン・マキャフリイ『クリスタル・シンガー』5、浅羽莢子訳)
夜には昼に教えることがたくさんある
(レイ・ブラッドベリ『趣味の問題』中村 融訳)
太陽は昼をつくる、諸惑星がめいめいの夜をつくるのだ。
(ブライアン・W・オールディス『銀河は砂粒のように』4、中桐雅夫訳)
われわれの内部にあっては情感であるあの魂が、外部にあれば法則となる。
(エマソン『償い』酒本雅之訳)
自我という公式(、、)を発展させること。
(ノヴァーリス『一般草稿』[639]、今泉文子訳)
だが、
(アルジス・バドリス『隠れ家』浅倉久志訳)
法則に支配される創造性というようなものはないのだぞ
(フランク・ハーバート『デューン 砂漠の神皇帝』第1巻、矢野徹訳)
生きるって、感情よ。愛するって、感情なのよ。
(P・D・ジェイムズ『策謀と欲望』第一章・8、青木久恵訳)
もともとの本質からして愛が永続するはずがない
(リサ・タトル『きず』幹 遙子訳)
愛はたえずとびまわらなければならぬ。
(ノヴァーリス『青い花』遺稿、青山隆夫訳)
すべては同じようにはかなく移ろいやすいものだ。
(サバト『英雄たちと墓』第II部・IV、安藤哲行訳)
少なくともそのために、束の間のものを普遍化するために書く。たぶん、それは愛。
(サバト『英雄たちと墓』第II部・IV、安藤哲行訳)
愛の驚き、
(ハート・クレイン『橋』四、ハテラス岬、東 雄一郎訳)
驚きあってこその人生ではないか。
(デイヴィッド・ブリン『スタータイド・ライジング』上・第三部・32、酒井昭伸訳)
varietas delectat.
變化は人を〓ばす。
(『ギリシア・ラテン引用語辭典』)
変化は嬉しいものなのだ。
(ホラティウス『歌集』第三巻・二九、鈴木一郎訳)
人生を意義あるものにしてくれるのは、危うさだ。人生という地雷源を躍りぬけること。
(ジャック・ウォマック『ヒーザーン』1、黒丸 尚訳)
わたしたちは、わたしたちを知らぬ多くのものによってつくられているのではないかしら。
(ヴァレリー『ムッシュー・テスト』友の手紙、清水 徹訳)
だからこそ、わたしたちはわたしたち自身を知らないのだ。
(ヴァレリー『ムッシュー・テスト』友の手紙、清水 徹訳)
言葉が不可解だというのは、言葉自身がみずからを理解せず、また理解しようとも思っていないからだ。
(ノヴァーリス『サイスの弟子たち』一、今泉文子訳)
よく見るのだ。
(フエンテス『脱皮』第二部、内田吉彦訳)
人生を楽しむ秘訣は、細部に注意を払うこと。
(シオドア・スタージョン『君微笑めば』大森 望訳)
知覚されないかぎり何一つ存在できない。もし一瞬でも知覚をしくじると、それは永遠に消え去ってしまう
(R・A・ラファティ『宇宙舟歌』第四章、柳下毅一郎訳)
人生のあらゆる瞬間はかならずなにかを物語っている、
(ジェイムズ・エルロイ『キラー・オン・ザ・ロード』四・16、小林宏明訳)
表現者は、あらゆることが表現でき、また表現しようと思わなければならない。
(ノヴァーリス『花粉』25、今泉文子訳)
思考はあらゆるものを、利用可能なものに変える。
(エマソン『詩人』酒本雅之訳)
自分の作り出すものであって初めて見えもする。
(エマソン『霊の法則』酒本雅之訳)
経験や行為は場面や戦慄となって表現されるのである。
(オリバー・サックス『妻を帽子とまちがえた男』第三部・15、高見幸郎・金沢泰子訳)
なぜ人は、互いに話がしたいのかしら? つまり人は、相手のどんなことを、いつも知りたいと思うものなの?
(シャーリイ・ジャクスン『たたり』第六章・1、渡辺庸子訳)
いったい人間を理解するすべなどあるのだろうか?
(R・A・ラファティ『悪魔は死んだ』第十九章、井上 央訳)
じっくりと観察すること、それがアーティストにとっての至上命題であることはいうまでもない。
(アン・ビーティ『ウィルの肖像』ジョディ・9、亀井よし子訳)
生きて、読んで、考えることだ。
(ナボコフ『賜物』第4章、沼野充義訳)
考えよ。たえず考えるんだ。いろいろなことを。
(レイ・ブラッドベリ『浅黒い顔、金色の目』一ノ瀬直二訳)
人間についてのすべてのことはわからなくても、すべての人間がわかってくるよ
(R・A・ラファティ『一切衆生』浅倉久志訳)
世界というのは一つだけではないのですよ。
(フィリップ・ホセ・ファーマー『紫年金の遊蕩者たち』大和田 始訳)
コーヒーのお代りは?
(ロジャー・ゼズニイ『ドリームマスター』1、浅倉久志訳)
コーヒー?
(ロバート・B・パーカー『約束の地』12、菊池 光訳)
だって、
(コレット『青い麦』一五、堀口大學訳、読点加筆)
コーヒーを飲むまでは、機嫌が悪いんだもの。
(フィリップ・ホセ・ファーマー『デイワールド』8、大西 憲訳)
愛するとは受け取ることの極致である。
(シオドア・スタージョン『一角獣の泉』小笠原豊樹訳)
in omnibus caritas.
萬事において愛。
(『ギリシア・ラテン引用語辭典』)
すべてのものが
(バリントン・J・ベイリー『ロボットの魂』6、大森 望訳)
わたしという
(ジーン・ウルフ『拷問者の影』11、岡部宏之訳)
存在になる
(ブライアン・W・オールディス『銀河は砂粒のごとく』5、中桐雅夫訳)
作りうる組合せは無数にあり、その大部分はぜんぜん的外(まとはず)れのものである。
(E・T・ベル『数学をつくった人びとIII』28、田中 勇・銀林 浩訳)
無用な組合せを避け、ほんの少数の有用な組合わせを作ること、これこそが創造するということなのである。
(E・T・ベル『数学をつくった人びとIII』28、田中 勇・銀林 浩訳)
発見とは、識別であり選択である。
(E・T・ベル『数学をつくった人びとIII』28、田中 勇・銀林 浩訳)
とらえがたい選択こそが、成功の秘訣であることを知らない芸術家が一人でもいるだろうか。
(E・T・ベル『数学をつくった人びとIII』28、田中 勇・銀林 浩訳)
創造性とは、関係の存在しないところに関係を見出す能力にほかならない。
(トマス・M・ディッシュ『334』ソクラテスの死・4、増田まもる訳)
世界は、必ずしもわれわれに意味を与えてくれてはいない。
(サミュエル・R・ディレイニー『ノヴァ』5、伊藤典夫訳)
あるものにとっての知恵は、他のものの知恵ではありません。
(リチャード・カウパー『クローン』34、鈴木 晶訳)
詩はつねに新しい関係をもとめる。
(ウォレス・スティヴンズ『アデージア』片桐ユズル訳)
新しいものはいい
(ジェローム・ビクスビー『日々是好日』矢野浩三郎訳)
目に映るすべてのものが新しいとでもいうように、
(バリントン・J・ベイリー『ロボットの魂』6、大森 望訳)
意味が新しくなる。
(ポール・ヴァレリー『ムッシュー・テストと劇場で』清水 徹訳)
驚かされる(、、、、、)こと、新しいものを生じさせること、それこそ(、、、、)、わたしが最も欲していることなのだ
(フランク・ハーバート『デューン砂漠の神皇帝』第1巻、矢野 徹訳)
自分の気持ちを憶えているかね?
(ジョン・クリストファー『トリポッド 3 潜入』1、中原尚哉訳)
むかしというのはいろんな出来事がよく迷子になるところでね
(ロバート・ホールドストック『アースウィンド』4、島岡潤平訳)
ぼくらは人生に迷い子となるが、人生はぼくらの居所を知っている。
(ジョン・アッシュベリー『更に快い冒険』佐藤紘彰訳)
論理的には全世界が自分の名前になるということが理解できるか?
(イアン・ワトスン『乳のごとききみの血潮』野村芳夫訳)
この世界が、自分自身なのだ
(ウィリアム・バロウズ『ノヴァ急報』諏訪 優訳)
失われるものは何もなく、役に立たないものもない。
(マイケル・マーシャル・スミス『スペアーズ』第三部・21、嶋田洋一訳)
おれのしてきたすべてのことが、視線も、息も、ことごとく輝き、巨大に、無限におれ自身になる。
(マイケル・マーシャル・スミス『スペアーズ』第三部・21、嶋田洋一訳)
やがて世界中すべてが、わたしの声と顔、そして手触りに満ちる。
(シオドア・スタージョン『闇の間近で』樋口真理訳)
人間が自らを理解すること、人生のあらゆる瞬間を静かな喜びでもって豊かにすること──
(エドモンド・ハミルトン『虚空の遺産』20、安田 均訳)
これこそ、われわれの真の目標だ。
(エドモンド・ハミルトン『虚空の遺産』20、安田 均訳)
そして人生は生きるためにある。
(P・D・ジェイムズ『わが職業は死』第三部・2、青木久恵訳)
まだコーヒーが残ってるかな?
(クリフォード・D・シマック『宇宙からの訪問者』4、峰岸 久訳)
サンドイッチも残ってる
(クリフォード・D・シマック『宇宙からの訪問者』4、峰岸 久訳)
感情にいい悪いはないよ。感じるものは感じるんだよ。
(P・D・ジェイムズ『原罪』第二章・24、青木久恵訳)
世界は結局、心情(、、)になるのではないか。
(ノヴァーリス『断章と研究 1799-1800』[577]、今泉文子訳)
正しく質問すれば答えは得られたも同然、
(シオドア・スタージョン『ゆるやかな彫刻』伊藤典夫訳)
重要な答えはすべて自己に関係があるものだからね。
(ルーシャス・シェパード『ぼくたちの暮らしの終わり』小川 隆訳)
なにもかもがそこにある。
(ロバート・シルヴァーバーグ『内側の世界』6、大久保そりや・小川みよ訳)
信行のことを思った。
(志賀直哉『暗夜行路』第一・二)
で、彼を愛していた?
(ジョン・ヴァーリイ『ブルー・シャンペン』浅倉久志訳)
愛情だろうか。敢えて愛情と呼べるだろうか?
(ジョン・クロウリー『リトル、ビッグ』I・〔1〕・V、鈴木克昌訳)
そして恋は? あれは果して恋だったのだろうか?
(W・M・ミラー・ジュニア『時代おくれの名優』志摩 隆訳)
幸せだったのだろうか?
(サバト『英雄たちと墓』第I部・20、安藤哲行訳)
"愛"とか"欲望"とか呼ぶものがどこから生まれるかは、だれにもわからない。
(ジーン・ウルフ『拷問者の影』26、岡部宏之訳)
単純な答えなどない。はげしく誰かを愛しながら、きらうこともできる。
(アルフレッド・ベスター『虎よ、虎よ!』第二部・14、中田耕治訳)
幸せな苦痛だった、いまでもそうだ、
(シェリー『鎖を解かれたプロメテウス』第三幕・第四場、石川重俊訳)
忘れたことなんかないさ。
(ジェイムズ・P・ブレイロック『リバイアサン』第三部・16、友枝康子訳)
今でもきみのことを夢に見るよ。
(ルーシャス・シェパード『竜のグリオールに絵を描いた男』3、内田昌之訳)
きみはまたぼくと会うことになる
(ジェイムズ・P・ブレイロック『ホムンクルス』4、友枝康子訳)
夢のひとつさ。
(アダム=トロイ・カストロ&ジェリイ・オルション『ワイオミング生まれの宇宙飛行士』浅倉久志訳)
憎しみこそこの世でもっとも破壊的な力だと人は言うだろう。
(P・D・ジェイムズ『わが職業は死』第四部・1、青木久恵訳)
だが、そんなことを信じてはいかん。一番破壊的なのは愛さ。
(P・D・ジェイムズ『わが職業は死』第四部・1、青木久恵訳)
みんな自分の亡ぼすものを愛している。
(ジーン・ウルフ『拷問者の影』4、岡部宏之訳)
愛することを怖れる必要はないとわかるまで、どうしてこんなに時間がかかったのだろう。
(P・D・ジェイムズ『罪なき血』第三部・7、青木久恵訳)
いいえ。あなたは私と同じよ。愛し方を知らないわ。
(P・D・ジェイムズ『罪なき血』第三部・8、青木久恵訳)
さあ、教えてくれ。
(ジーン・ウルフ『拷問者の影』22、岡部宏之訳)
この苦しみは、いったいいつまで続くのか?
(アンナ・カヴァン『召喚』山田和子訳)
大体苦しみのない愛情が存在すると思う方がおかしい。
(P・D・ジェイムズ『罪なき血』第三部・11、青木久恵訳)
迷うことはない。
(シオドア・スタージョン『ヴィーナス・プラスX』大久保 譲訳)
愛して
(ジョン・ヴァーリイ『ブルー・シャンペン』浅倉久志訳)
憎む相手を見つけるのだ。そうすればすぐに自分を取り戻せる。
(オーエン・コルファー『新銀河ヒッチハイク・ガイド』下・第11章、安原和見訳)
そしておまえたちにさらなる裏切りの機会をあたえるのか?
(リチャード・コールダー『デッドボーイズ』第4章、増田まもる訳)
裏切りは裏切りを生む、
(フランク・ハーバート『デューン 砂丘の子供たち』第2巻、矢野 徹訳)
裏切りには裏切りが返ってくる
(ヴォンダ・N・マッキンタイア『太陽の王と月の妖獣』下・29、幹 遙子訳)
偽の光
(ジョン・スラデック『非12月』越智道雄訳)
いまは偽の光以外なにひとつ残ってはいない。
(ジョン・スラデック『非12月』越智道雄訳)
期待のもたらす苦い味を嚙みしめているのだ
(コルタサル『悪魔の涎』木村榮一訳)
それは苦痛をもたらすが、同時に知恵をも生むのだ。
(グレゴリイ・ベンフォード『光の潮流』上・第二部・7、山高 昭訳)
定義し理解するためには定義され理解されるものの外にいなければならない
(コルターサル『石蹴り遊び』向う側から・28、土岐恒二訳)
ぼくも以前は金魚鉢が大好きでした。
(コルターサル『石蹴り遊び』向う側から・25、土岐恒二訳)
詩はもっぱらペンによる所産、一連のイマージュと音との集まりではなく、ひとつの生き方(、、、、、、、)である。
(トリスタン・ツァラ『詩の堰』シュルレアリスムと戦後、宮原庸太郎訳)
それは矛盾しているためにかえって真実そのものに違いなかった。
(コルターサル『石蹴り遊び』向う側から・9、土岐恒二訳)
大半の真理は循環パラドックスでしか表現されえない、
(オースン・スコット・カード『死者の代弁者』下・18、塚本淳二訳)
原因も結果も、ひとつの事実にそなわる二つの側面なのだ。
(エマソン『円』酒本雅之訳)
人間はみんな同一じゃない。
(ポール・アンダースン『タウ・ゼロ』12、浅倉久志訳)
それぞれ異なることばを聞いたのね、わたしたち
(グレッグ・ベア『ナイトランド──<冠毛>の一神話』4、酒井昭伸訳)
それがあなたの魂の夢なのね、
(ブライアン・オールディス『子供の消えた惑星』5、深町真理子訳)
これがぼくの魂なんだよ
(イアン・ワトスン『我が魂は金魚鉢の中を泳ぎ』美濃 透訳)
夢はいつまでもつきまとう。
(シオドア・スタージョン『火星人と脳なし』霜島義明訳)
それは夢ではなかったのだよ
(ストルガツキー兄弟『神様はつらい』4、太田多耕訳)
裏切りに基づく生は生とはいえない。
(ノサック『ルキウス・エウリヌスの遺書』圓子修平訳)
裏切りは人間の本性ではなかったかな?
(ソムトウ・スチャリトクル『スターシップと俳句』第一部・7、冬川 亘訳)
私たちの魂は裏切りによって生きている。
(リルケ『東洋風のきぬぎぬの歌』高安国世訳)
だれもが自分を裏切るんだ
(コニー・ウィリス『リメイク』大森 望訳)
花から花へ
(テニスン『イン・メモリアム』22、入江直祐訳)
指一本で花にさわってみる。
(ナンシー・クレス『ベガーズ・イン・スペース』2、金子 司訳)
すべてがもとどおりになる。
(ジーン・ウルフ『拷問者の影』4、岡部宏之訳)
花はみんな約束を果たす。
(ナンシー・クレス『ベガーズ・イン・スペース』2、金子 司訳)
どう、この花は?
(ジェフリイ・コンヴィッツ『悪魔の見張り』8、高橋 豊訳)
いったいなんという花なのだろう?
(ゼナ・ヘンダースン『血は異ならず』知らずして御(み)使(つか)いは舎(やど)したり、宇佐川晶子訳)
この花びら!
(レイ・ブラッドベリ『浅黒い顔、金色の目』一ノ瀬直二訳)
この花たちに目を覚まされたのか?
(J・G・バラード『夢幻社会』22、増田まもる訳)
これほど愚かな花もないだろう。
(ナボコフ『賜物』第3章、沼野充義訳)
思いだしたかい?
(ピーター・フィリップス『夢は神聖』浅倉久志訳)
ああ、
(レイ・ブラッドベリ『メランコリイの妙薬』吉田誠一訳)
そうだ、
(シェリー『鎖を解かれたプロメテウス』第三幕・第四場、石川重俊訳)
幾つもの名前のことを思いだした。
(レイ・ブラッドベリ『浅黒い顔、金色の目』一ノ瀬直二訳)
どれもこれも昔の思い出につながっていたのだ。
(ノヴァーリス『青い花』第二部、青山隆夫訳)
しかし、
(デイヴィッド・ブリン『キルン・ピープル』下・第三部・49、酒井昭伸訳)
以前知らなかった一つの存在を認識したために思考が豊かになっているので、
(ノサック『滅亡』神品芳夫訳)
心が新しい感覚で鋭くなっていった。
(イアン・ワトスン『アイダホがダイヴしたとき』黒丸 尚訳)
あらゆるものがわれわれに向かって流れ込んでくるように見える
(ノヴァーリス『断章と研究 一七九八年』今泉文子訳)
今まで忘れていたことが思い出され、頭の中で次から次へと鎖の和のようにつながっていく。
(ポール・アンダースン『脳波』2、林 克己訳)
きみの中で眠っていたもの、潜んでいたもののすべてが現われるのだよ。
(フィリップ・K・ディック『銀河の壺直し』5、汀 一弘訳)
何もかも以前とは違って新しくなっているのよ。
(ロバート・シルヴァーバーグ『大地への下降』11、中村保男訳)
すべてのディテールが相互に結びついたヴィジョン。
(R・A・ラファティ『他人の目』2、浅倉久志訳)
あらゆる細部が生き生きしていた。
(R・A・ラファティ『他人の目』2、浅倉久志訳)
この世でひとたび掴み得た一つのものは、多くのものに匹敵しよう。
(リルケ『ドゥイノの悲歌』第七の悲歌、高安国世訳)
芸術のおいて当然栄誉に値するものは、何はさておき勇気である。
(バルザック『従妹ベット』二一、水野 亮訳)
芸術家にとっての限界はたった一つだけで、それはあらゆるもののなかで最も大きなもの、つまり形式です。
(ディラン・トマスの手紙、パメラ・ハンスフォード・ジョンソン宛、一九三三年一〇月一五日、徳永暢三・太田直也訳)
内容は形式として生まれてくるほかない
(オスカー・レルケ『詩の冒険』神品芳夫訳)
重要なのは形式なのである。
(P・D・ジェイムズ『ナイチンゲールの屍衣』第四章・8、隅田たけ子訳)
このような芸術作品に変えられてしまった自分自身の姿をわが目で眺めるというのは、いったいどんな経験なのか。
(ロバート・シルヴァーバーグ『一人の中の二人』7、中村保男訳)
持続する唯一の過去は、そなたの中に言葉によることなく存在する。
(フランク・ハーバート『デューン砂漠の神皇帝』第1巻、矢野 徹訳)
魂の中にほんとうの意味で書きこまれる言葉、
(プラトン『パイドロス』藤沢令夫訳)
意識からは失われるが、つねに存在する記憶として。
(フランク・ハーバート『デューン砂漠の神皇帝』第2巻、矢野 徹訳)
記憶はあらゆるものを含む
(ジョン・アッシュベリー『波ひとつ』佐藤紘彰訳)
すべての真の詩、すべての真の芸術の起源は無意識にある。
(コリン・ウィルソン『ユング』4、安田一郎訳)
感受性の強い者や想像力のたくましい者は、通常の意識よりも潜在意識を働かせている
(ウィリアム・F・テンプル『恐怖の三角形』若林玲子訳)
芸術は意識と無意識の結婚なのだ。
(ジャン・コクトー『ライターズ・アット・ワーク』より、村岡和子訳)
専門用語に気をつけることよ。それはたいてい無知を隠し、知識を運ばないものだから
(フランク・ハーバート『デューン砂丘の大聖堂』第3巻、矢野 徹訳)
真の知識にとってなによりも有害なのはあまり明瞭でない知識や言葉を使用することである。
(トルストイ『ことばの日めくり』四月十八日、小沼文彦訳)
何かを知っていると考えるときは、それが学習に対して最も完璧な障壁になるのだ
(フランク・ハーバート『デューン砂漠の神皇帝』第2巻、矢野 徹訳)
<知性>の第一の義務は自己に対する懐疑である。これは自己軽蔑とは別物だ。
(スタニスワフ・レム『虚数』GOLEM XIV、長谷見一雄訳)
創造性とは、関係の存在しないところに関係を見出す能力にほかならない。
(トマス・M・ディッシュ『334』ソクラテスの死・4、増田まもる訳)
ねぇ、きみ、きみは知らねばならないよ、その瞬間に発せられた言葉だけが、あらゆるもののうちで
(ミラン・クンデラ『ハヴェル先生の二十年後』12、沼野充義訳)
もっとも平凡なその瞬間を光で照らし、その瞬間を忘れがたいものにしてくれるんだってことを。
(ミラン・クンデラ『ハヴェル先生の二十年後』12、沼野充義訳)
人生で起こる偶然はみな、われわれが自分の欲するものを作り出すための材料となる。
(『花粉』 66、今泉文子訳)
精神の豊かな人は、人生から多くのものを作り出す。
(『花粉』 66、今泉文子訳)
まったく精神的な人にとっては、どんな知遇、どんな出来事も、無限級数の第一項となり、
(『花粉』 66、今泉文子訳)
終わりなき小説の発端となるだろう。
(『花粉』 66、今泉文子訳)
あらゆるものが芸術になりうるのだ。
(ノヴァーリス『信仰と愛』39、今泉文子訳)
偶然とはなんだと思う?
(グレアム・チャーノック『フルウッド網(ウエツブ)』美濃 透訳)
偶然だって?
(ガデンヌ『スヘヴェニンゲンの浜辺』20、菅野昭正訳)
偶然は本質と同じように貴重なのだ
(コルターサル『石蹴り遊び』その他もろもろの側から・133、土岐恒二訳)
人間もまた偶然の存在だ。
(ダン・シモンズ『真夜中のエントロピー・ベッド』嶋田洋一訳)
偶然こそ、私たちの生の偉大な創造者というべき神である。
(プリニウス『博物誌』第二十七巻・第二章、澁澤龍彦訳)
愛とは驚愕のことではないか。
(ジョン・ダン『綴り換え』湯浅信之訳)
人生は驚きの連続だ。
(エマソン『円』酒本雅之訳)
ぶつかることのできる場所のようだ。
(リルケ『黒猫』高安国世訳)
存在の大鍋の中の一瞬のきらめき。
(フィリップ・ホセ・ファーマー『紫年金の遊蕩者たち』大和田 始訳)
創造の鍋の中から生き残るのはほんのひと握りなんだよ。
(アン・マキャフリイ『竜の夜明け』上・第一部・6、浅羽莢子訳)
新しいものはいい
(ジェローム・ビクスビー『日々是好日』矢野浩三郎訳)
新しい感覚には新しい言葉が必要だ。
(ジュール・ヴェルヌ『地底旅行』29、窪田般弥訳)
つねに先がある。その先にもさらに先がある。
(M・ジョン・ハリスン『ライト』27、小野田和子訳)
絶えず作り直されねばならない。
(ウィリアム・バロウズ『夢の書 わが教育』山形浩生訳)
何度でも生まれ直すんだ。
(ロバート・シルヴァーバーグ『いまひとたびの生』1、佐藤高子訳)
詩はもっぱらペンによる所産、一連のイマージュと音との集まりではなく、ひとつの生き方(、、、、、、、)である。
(トリスタン・ツァラ『詩の堰』シュルレアリスムと戦後、宮原庸太郎訳)
作品と同時に自分を生みだす。というか、自分を生みだすために作品を書くんだ
(オースン・スコット・カード『エンダーの子どもたち』上・4、田中一江訳)
自分自身の感情以上にリアルなものは存在しない。
(フリッツ・ライバー『ジェフを探して』深町眞理子訳)
唯一大事なのは、自分の真実の知覚だ。
(ウィリアム・バロウズ『夢の書 わが教育』山形浩生訳)
生きること、世界のいたるところに自分の苦しむ自我を運びまわること。
(ミラン・クンデラ『不滅』第五部・六、菅野昭正訳)
おそらく、苦悩はつねに最強のものなのだ。
(マルロー『アルテンブルクのくるみの木』シャルトル捕虜収容所、橋本一明訳)
苦しみは人生で出会いうる最良のものである
(プルースト『失われた時を求めて』第六篇・逃げさる女、井上究一郎訳)
魂の他のどんな状態にもまして、悲しみは、人間の性格や運命を深く洞察させる。
(スタール夫人『北方文学と南方文学』加藤晴久訳)
増大する苦痛が苦痛の観察を強いるのです。
(ヴァレリー『テスト氏』テスト氏との一夜、村松 剛・菅野昭正訳)
悲しみは、一回ごとに一つの法則をわれわれにあかすわけではないにしても、
(プルースト『失われた時を求めて』第七篇・見出された時、井上究一郎訳)
そのたびにわれわれを真実のなかにひきもどし、物事を真剣に解釈するようにさせる
(プルースト『失われた時を求めて』第七篇・見出された時、井上究一郎訳)
世界はすべての人間を痛めつけるが、のちには多くの人がその痛めつけられた場所で、かえって強くなることもある。
(ヘミングウェイ『武器よさらば』第三四章、鈴木幸夫訳)
苦悩(くるしみ)は祝福されるのだ。
(フロベール『聖アントワヌの誘惑』第三章、渡辺一夫訳)
名前には意味がある。
(オースン・スコット・カード『神の熱い眠り』2、大森 望訳)
いやいや、
(ジェラルド・カーシュ『破滅の種子』西崎 憲訳)
意味はないよ。
(グレゴリイ・ベンフォード『時の迷宮』上・第二部・8、山高 昭訳)
あらゆるものに意味があったのではないかな?
(A・バートラム・チャンドラー『左まわりのネジ』乗越和義訳)
いったいどっちだろうね。
(ジェラルド・カーシュ『狂える花』駒月雅子訳)
もしかしたら世界それ自体に意味がないのかもしれない。
(ヴァージニア・ウルフ『ダロウェイ夫人』丹治 愛訳)
意味のあるものはない。ということは意味のあるものは無なのだ。
(ジェフ・ヌーン『未来少女アリス』風見賢二訳)
夢には意味があるって思わない?
(サバト『英雄たちと墓』第I部・17、安藤哲行訳)
あるいはね。
(J・G・バラード『砂の檻』永井 淳訳)
名前っていったい何なのか?
(シェイクスピア『ロミオとジューリエット』第二幕・第二場、平井正穂訳)
なぜ名前をもっていなくちゃいけないと思う?
(ダグラス・アダムス『宇宙の果てのレストラン』29、風見 潤訳)
名前が大事なのかい?
(ジョン・ヴァーリイ『汝、コンピューターの夢』小隅 黎訳)
名前には意味がある。
(オースン・スコット・カード『神の熱い眠り』2、大森 望訳)
意味?
(マイケル・ムアコック『北京交点』6、野口幸夫訳)
名前と結びつけて考える。
(ウィリアム・バロウズ『ダッチ・シュルツ最後のことば』196、山形浩生訳)
名前を持つことが自立した実体として存在することである。
(ベルナール・ウェルベル『蟻』第3部、小中陽太郎・森山 隆訳)
どうしてそんなことがわかる?
(ゴア・ヴィダール『マイラ』36、永井 淳訳)
なんでそんなに名前にこだわるんだ?
(R・A・ラファティ『イースター・ワインに到着』8、越智道雄訳)
ぜんぜん別なことじゃないのかな。
(ゴーゴリ『妖女(ヴィイ)』原 卓也訳)
名前なんかどうでもいい
(シオドア・スタージョン『コスミック・レイプ』6、鈴木 晶訳)
べつに意味はないんだよ。
(ルーシャス・シェパード『竜のグリオールに絵を描いた男』1、内田昌之訳)
何の意味もない。
(ケリー・リンク『しばしの沈黙』柴田元幸訳)
嘘をついているわ。なぜ嘘をつくのかしら?
(フランク・ハーバート『デューン 砂丘の子供たち』第2巻、矢野 徹訳)
嘘をつくのは、そうする甲斐があるからさ。
(シェリー・プリースト『ボーンシェイカー』15、市田 泉訳)
りっぱな嘘つきだわ。
(エリス・ピーターズ『聖なる泥棒』7、岡本浜江訳)
永遠に名前を呼びつづける
(エリス・ピーターズ『聖女の遺骨求む』10、大出 健訳)
あのかわいらしいさかなを見なかったの?
(A・E・コッパード『アダムとイヴ』橋本福夫訳)
ああ。覚えてるとも。
(クリフォード・D・シマック『宇宙からの訪問者』33、峰岸 久訳)
名前ない体験のなり止(や)まぬのはなぜだらう
(伊東静雄『田舎道にて』)
感受性の強い者や想像力のたくましい者は、通常の意識よりも潜在意識を働かせている
(ウィリアム・F・テンプル『恐怖の三角形』若林玲子訳)
意識からは失われるが、常に存在する記憶として
(フランク・ハーバート『デューン 砂漠の神皇帝』第2巻、矢野徹訳)
意味のないものが
(ブライアン・W・オールディス『暗い光年』10、中桐雅夫訳)
無意識に反復されている
(ジーン・ウルフ『拷問者の影』4、岡部宏之訳)
それは
(テリー・ビッスン『世界の果てまで何マイル』26、中村 融訳)
潜在意識の雑音よ。
(アーシュラ・K・ル・グイン『定刻よりも大きくゆるやかに』小尾芙佐訳)
無意識というものには、それ自体の論理がある。
(ロバート・A・ハインライン『フライデイ』1、矢野徹訳)
名もなく顔もない生き生きとした一なるもの、
(カトリーヌ・ポッジ『祝詞(アーヴエ)』渋沢孝輔訳)
「貫通するものは一なり。」と芭蕉は言つた。
(川端康成『日本美の展開』)
ああ、これがあらゆることのもとだったんだ。
(アントニイ・バージェス『ビアドのローマの女たち』7、大社淑子訳)
名前はない。
(ギブスン&スターリング『ディファレンス・エンジン』上・第三の反復、黒丸 尚訳)
名前なんてどうだっていいよ
(ダグラス・アダムス『銀河ヒッチハイク・ガイド』16、風見 潤訳)
名前なんてのは、忘れられるものだ。
(ニールス・スティーヴンスン『スノウ・クラッシュ』上・23、日暮雅通訳)
いずれ無意識が何かのヒントか、すばらしい啓示をもたらしてくれるかもしれない。
(ケン・マクラウド『ニュートンズ・ウェイク』A面4、嶋田洋一訳)
海は潜在意識とよく似ている。潜在意識そのものかもしれん──
(R・A・ラファティ『みにくい海』伊藤典夫訳)
目を覚ますと、夢が問題を整理してくれている。
(アン・ビーティ『女同士の話』亀井よし子訳)
ああ、意味と無意味が入り混じっている!
(シェイクスピア『リア王』第四幕・第六場、野島秀勝訳)
まさに理解不能な世界こそ──その不合理な周縁ばかりでなく、おそらくその中心においても──
(フエンテス『脱皮』第二部、内田吉彦訳)
意志が力を発揮すべき対象であり、成熟に至る力なのであった。
(フエンテス『脱皮』第二部、内田吉彦訳)
一つ一つのものは自分の意味を持っている。
(リルケ『フィレンツェだより』森 有正訳)
その時々、それぞれの場所はその意味を保っている。
(リルケ『フィレンツェだより』森 有正訳)
断片はそれぞれに、そうしたものの性質に従って形を求めた。
(ウィリアム・ギブスン『モナリザ・オーヴァドライヴ』36、黒丸 尚訳)
オリジナルよりもずっとリアルなものに並びかえられたジグソーパズル。
(リチャード・コールダー『デッドガールズ』第七章、増田まもる訳)
肝心なことはね、人生がすごくリアル(、、、)に感じられるようになったことでしてね。
(ジョン・スラデック『平面俯瞰図』越智道雄訳)
文体とは、まさに作家の思考が、現実に対して加える変形のしるしです。
(プルースト『サント=ブーヴに反論する』サント=ブーヴとバルザック、出口裕弘・吉川一義訳)
断片だけがわたしの信頼する唯一の形式。
(ドナルド・バーセルミ『月が見えるだろう?』邦高忠二訳)
首尾一貫など、偉大な魂にはまったくかかわりのないことだ。
(エマソン『自己信頼』酒本雅之訳)
すべて詩の中には本質的な矛盾が存在する。
(アントナン・アルトー『ヘリオガバルス』III、多田智満子訳)
矛盾ほど確実な土台はない
(ジーン・ウルフ『拷問者の影』8、岡部宏之訳)
まさに理解不能な世界こそ──その不合理な周縁ばかりでなく、
(フエンテス『脱皮』第二部、内田吉彦訳)
おそらくその中心においても──意志が力を発揮すべき対象であり、成熟に至る力なのであった。
(フエンテス『脱皮』第二部、内田吉彦訳)
驚きあってこその人生ではないか。
(デイヴィッド・ブリン『スタータイド・ライジング』上・第三部・32、酒井昭伸訳)
人生はほとんどいつもおもしろいものだ。
(タビサ・キング『スモール・ワールド』5、みき 遥訳)
優れた詩のように
(ジェイムズ・P・ブレイロック『ホムンクルス』2、友枝康子訳)
きみは生きている限り、きみはまさに瞬間だ
(H・G・ウェルズ『解放された世界』第三章・3、浜野 輝訳)
芸術家にとっての限界はたった一つだけで、それはあらゆるもののなかで最も大きなもの、つまり形式です。
(ディラン・トマスの手紙、パメラ・ハンフフォード・ジョンソン宛、一九三三年一〇月一五日、徳永暢三・大田直也訳)
重要なのは形式なのである。
(P・D・ジェイムズ『ナイチンゲールの屍衣』第四章・8、隅田たけ子訳)
世界は新しい形のものだ
(ギブスン&スターリング『ディファレンス・エンジン』上・第二の反復、黒丸 尚訳)
無情も情である
(紫 式部『源氏物語』竹河、与謝野晶子訳)
独創とはくりかえしからの脱出だ。
(ウォレス・スティヴンズ『アデージア』片桐ユズル訳)
内容は形式として生まれてくるほかない
(オスカー・レルケ『詩の冒険』神品芳夫訳)
芸術は感覚の仕事ではなくて、表現の仕事だ。
(ピエール・ルヴェルディ『私の航海日誌』高橋彦明訳)
偶然の成功を増やしていき、(…)それらの成功を結びつける当人が、それらに心をとめ、
(ヴァレリー『『パンセ』の一句を主題とする変奏曲』安井源治訳)
大切にすることが必要である。
(ヴァレリー『『パンセ』の一句を主題とする変奏曲』安井源治訳)
芸術は偶然の終るところに始まる。しかし芸術を富ませるのは偶然が芸術にもたらすすべてのものなのだ。
(ピエール・ルヴェルディ 『私の航海日誌』高橋彦明訳)
しかし
(ノヴァーリス『対話・独白』今泉文子訳)
用心したまえよ、事物のやさしさに、
(ポール・ジャン・トゥーレ『コントリーム』入沢康夫訳)
現実の事物は刺(し)激(げき)が強すぎる。用心しなければならない。
(ヴァージニア・ウルフ『ダロウェイ夫人』冨田 彬訳)
光は過剰な秩序であり、致命的なものになり得る。
(フランク・ハーバート『デューン砂丘の子供たち』第2巻、矢野 徹訳)
太陽は人をあざむくからね。
(アントニイ・バージェス『アバ、アバ』4、大社淑子訳)
慣れることと
(アルジス・バドリス『隠れ家』浅倉久志訳)
美は批判力を堕落させる。
(P・D・ジェイムズ『死の味』第三部・4、青木久恵訳)
私らはたえず自分が一度好きになったものにしがみついて、しがみついていることを忠実と考えるけれど、
(ヘッセ『夢の家』岡田朝雄訳)
それは怠惰にすぎない。
(ヘッセ『夢の家』岡田朝雄訳)
我々の思考は発展しなければならないし、同時に保存されなければならない。
(ヴァレリー『精神の危機』恒川邦夫訳)
思考は極端なものによってしか前進しないが、存続するのは平均的なものによってである。
(ヴァレリー『精神の危機』恒川邦夫訳)
事物や存在を支える偶然
(イヴ・ボンヌフォア『詩の行為と場所(抄)』宮川 淳訳)
この世でひとたび掴み得た一つのものは、多くのものに匹敵しよう。
(リルケ『ドゥイノの悲歌』第七の悲歌、高安国世訳)
考えよ、たえず考えるんだ。いろいろなことを。
(レイ・ブラッドベリ『浅黒い顔、金色の目』一ノ瀬直二訳)
詩は存在を救わねばならぬ、ついで、存在がわれわれを救わねばならぬ。
(イヴ・ボンヌフォア『詩の行為と場所(抄)』宮川 淳訳)
生きつづけることであり、幸せに生きること
(フランシス・ポンジュ『プロエーム(抄)』VII、平岡篤頼訳)
一つの現実からもう一つの現実へと
(シオドア・スタージョン『[ウィジェット]と[ワジェット]とボブ』16、若島 正訳)
別の関連の中へ
(リルケ『ドゥイノの悲歌』第九の悲歌、高安国世訳)
ほんの少し視点を変えるだけで、世界はすっかり変貌するのだ。
(ニコラス・グリフィス『スロー・リバー』7、幹 遙子訳)
意味が新しくなる。
(ポール・ヴァレリー『ムッシュウ・テストと劇場で』清水 徹訳)
そうして言葉が世界をつくるのだ。言葉が現実を構築する。
(イアン・ワトスン『星の書』第四部、細美遙子訳)
現実を変えてしまうのさ。
(K・W・ジーター『グラス・ハンマー』黒丸 尚訳)
芸術作品はすべて美しい嘘である。
(スタンダール『ウォルター・スコットと『クレーヴの奥方』』小林 正訳)
といってもそこにはなんらかの真実がある。
(プルースト『失われた時を求めて』第四篇・ソドムとゴモラI、井上究一郎訳)
どんな巧妙な嘘にも、真実は含まれている
(A・E・ヴァン・ヴォクト『スラン』10、浅倉久志訳)
このうえなく深い虚偽からかがやくような新しい真実が生まれるにちがいない、
(ブロッホ『ウェルギリウスの死』第III部、川村二郎訳)
それはわたしをどこまで連れ去るのか?
(ジュール・ヴェルヌ『地底旅行』32、窪田般弥訳)
あらたいへん、ビールを冷やすのを忘れてた。
(イアン・ワトスン『オルガスマシン』第一部、大森 望訳)
サンドイッチ召し上がる?
(ジョン・スラデック『見えないグリーン』10、真野明裕訳)
今日のサンドイッチの具はなに?
(オーエン・コルファー『新銀河ヒッチハイク・ガイド』下・第12章、安原和見訳)
人生を楽しむ秘訣は、細部に注意を払うこと。
(シオドア・スタージョン『君微笑めば』大森 望訳)
観察の正確さは思考の正確さに相当する。
(ウォレス・スティヴンズ『アデージア』片桐ユズル訳)
見ることはまったく能動的な──徹底して形成的な──行為なのだ。
(ノヴァーリス『断章と研究 一七九八年』今泉文子訳)
細部こそが、すべて
(ブライアン・W・オールディス『三つの謎の物語のための略図』深町眞理子訳)
魂は物質を通さずにはわれわれの物質的な眼に現われることがない
(サバト『英雄たちと墓』第I部・2、安藤哲行訳)
et parvis sua vis.
小さいものにもそれ自身の力あり。
(『ギリシア・ラテン引用語辭典』)
小さくてつまらないことでも、大きな象徴とおなじように役に立つ。
(エマソン『詩人』酒本雅之訳)
法則が表現される際の象徴がつまらないものであるほど、それだけいっそう強烈な力を帯び、
(エマソン『詩人』酒本雅之訳)
人びとの記憶のなかでそれだけ永続的なものになる。
(エマソン『詩人』酒本雅之訳)
思考はあらゆるものを、利用可能なものに変える。
(エマソン『詩人』酒本雅之訳)
卑猥とさえ思えることも、思考の新しい脈絡(みやくらく)で語られると、輝かしいものとなる。
(エマソン『詩人』酒本雅之訳)
おそらく認識や知などはすべて、比較、相似に帰せられるだろう。
(ノヴァーリス『断章と研究 一七九八年』今泉文子訳)
語りは比喩でなされるし、人間は比喩そのもので、それ以外のなにものでもない。
(R・A・ラファティ『イースターワインに到着』6、越智道雄訳)
相対的なものに極限はない。
(ポール・ヴァレリー『オリエンテム・ウェルスス』恒川邦夫訳)
われわれ人間は、類似性や対比や関係を見出すことで、自分たちの周囲のものを、
(コニー・ウィリス『航路』下・第II部・承前・34、大森 望訳)
自分が経験したことを、自分自身を理解しようとする。われわれはそれをやめられない。
(コニー・ウィリス『航路』下・第II部・承前・34、大森 望訳)
いたるところに類似を読みとろうとする
(ロジェ・カイヨワ『妖精物語からSFへ』第三部・二、三好郁朗訳)
類似が明確であればあるほど、陶酔も一層大きなものとなる。
(ロジェ・カイヨワ『妖精物語からSFへ』第三部・一、三好郁朗訳)
魂には、自己を増大させる比率(ロゴス)がそなわっている。
(『ヘラクレイトス断片』115、廣川洋一訳)
すべてはこのロゴスにしたがって生じている
(『ヘラクレイトス断片』1、廣川洋一訳)
それは精神幾何学である、なんとなれば、宇宙に対するわれわれの比例感を定義するから。
(岡倉覚三『茶の本』第一章、村岡 博訳))
相対的なものに極限はない。
(ポール・ヴァレリー『オリエンテム・ウェルスス』恒川邦夫訳)
巧みに世界を縮小することが可能であればあるほど、私たちは一層確実に世界を所有する。
(澁澤龍彦『胡桃(くるみ)の中の世界』)
聖テレサが、魚は海に、そして海は魚の中にあると言ったように
(ジョアナ・ラス『フィーメール・マン』第七部・V、友枝康子訳)
我々の内部にあるものは、やはりつねに我々の外側にもあるんだ。
(トンマーゾ・ランドルフィ『ころころ』米川良夫訳)
個人は全体のなかに生き、全体は個人のなかに生きる。
(ノヴァーリス『断章と研究 一七九八年』今泉文子訳)
抽象的なことを身近な体験に凝縮(ぎようしゆく)することだ。
(ルーディ・ラッカー『ホワイト・ライト』第二部・10、黒丸 尚訳)
ぼくは自分が理解しようと努めていたこと、探し求めていた凝縮を、正確に捉(とら)えようとする。
(ルーディ・ラッカー『ホワイト・ライト』第二部・10、黒丸 尚訳)
本質的に小さなもの。それは芸術家の求めるものよ
(フランク・ハーバート『デューン砂丘の大聖堂』第2巻、矢野 徹訳)
もっといろいろ見たいだろう?
(ロジャー・ゼラズニイ『ドリームマスター』3、浅倉久志訳)
プーははにかんで小さなおちんちんをつかんだ。
(オーガステン・バロウズ『ハサミを持って突っ走る』青野 聰訳)
こんなに小さいのははじめてだ。
(ジョン・ヴァーリイ『ウィザード』下・40、小野田和子御訳)
そうした幸せは、まさしく小さなものであるからこそ存在しているのだ
(サバト『英雄たちと墓』第II部・4、安藤哲行訳)
芸術において当然栄誉に値するものは、何はさておき勇気である。
(バルザック『従妹ベット』二一、清水 亮訳)
人間とは一体何だろう?
(ミロスラフ・イサコーヴィチ『消失』波津博明訳)
人間がその死性を免れる道は、笑いと絆を通してでしかない。それら二つの大いなる慰め。
(グレゴリイ・ベンフォード『輝く永遠への航海』下・第六部・5、冬川 亘訳)
なぜ二つなんだ?
(フィリップ・ホセ・ファーマー『異世界の門』7、浅倉久志訳)
その二つはちがうの?
(ゼナ・ヘンダースン『果しなき旅路』囚われびと、深町真理子訳)
同じことさ。
(ジョン・クロウリー『リトル、ビッグ』I〔1〕IV、鈴木克昌訳)
同じではない。
(フランク・ハーバート『デューン 砂漠の異端者』第2巻、矢野 徹訳)
どちらでもいいさ。
(ダン・シモンズ『ハイペリオンの没落』上・第二部・20、酒井昭伸訳)
異なってはいるが本質的には同じ二つの世界
(P・D・ジェイムズ『ある殺意』4、山室まりや訳)
だいじなのはそれだけだ。
(デイヴィッド・B・シルヴァ『兄弟』1、白石 朗訳)
だが、それだけのこと。
(トマス・テッシアー『ブランカ』添野知生訳)
きみはそれを知っている人間のひとりかね?
(ノーマン・マイラー『鹿の園』第六部・28、山西英一訳)
多くの名前が人間の夜をつぶやく
(ウィリアム・バロウズ『爆発した切符』シャッフル・カット、飯田隆昭訳)
魚も泣くことができるのかしら?
(ジョン・クロウリー『リトル、ビッグ』I〔1〕I、鈴木克晶訳)
「ハンカチいるか」類猿人が言った。
(ロバート・ブロック『ノーク博士の謎の島』大瀧啓裕訳)
魚が水をどんな名前で意識するというのだ?
(フレッド・セイバーヘイゲン『ゲーム』浅倉久志訳)
「ハンカチ貸そうか?」と類猿人は言った。
(ロバート・ブロック『ノーク博士の島』伊藤典夫訳)
このハンカチを使えよ、さあ
(ジョン・ベリマン『76 ヘンリーの告白』澤崎順之助訳)
しわくちゃのハンカチ。
(ブライアン・W・オールディス『世界Aの報告』第一部・1、大和田 始訳)
宇宙は小さなハンカチでしかなかった。
(ブライアン・W・オールディス『ああ、わが麗しの月よ!』浅倉久志訳)
なんのための芸術か?
(ホフマンスタール『一人の死者の影が……』川村二郎訳)
作家は文学を破壊するためでなかったらいったい何のために奉仕するんだい?
(コルターサル『石蹴り遊び』その他もろもろの側から・99、土岐恒二訳)
言葉以外の何を使って、嫌悪する世界を消しさり、愛しうる世界を創りだせるというのか?
(フエンテス『脱皮』第三部、内田吉彦訳)
あらゆる表現は対比的なもののなかにおかれ、自由に結合することが、詩人を無制約なものにする。
(ノヴァーリス『断章と研究799-1800』[705]、今泉文子訳)
文体とは、まさに作家の思考が、現実に対して加える変形のしるしです。
(プルースト『サント=ブーヴに反論する』サント・ブーヴとバルザック、出口裕弘・吉川一義訳)
芸術家の技芸(わざ)とは、自分の道具をあらゆるものにあてがい、世界を自分流に写しとる能力にほかならない。
(ノヴァーリス『サイスの弟子たち』二、今泉文子訳)
優れた詩のように
(ジェイムズ・P・ブレイロック『ホムンクルス』2、友枝康子訳)
詩人というものは、
(ジャック・ヴァンス『愛の宮殿』8、浅倉久志訳)
他の人の人生に意味を与える
(レイナルド・アレナス『夜になるまえに』レサマ=リマ、安藤哲行訳)
ばかばかしい
(フィリップ・ホセ・ファーマー『気まぐれな仮面』5、宇佐川晶子訳)
くだらない人生だけどね、
(ガルシア=マルケス『族長の秋』鼓 直訳)
詩人の人生なんてのは糞溜めみたいなもんなんだよ
(チャールズ・ブコウスキー『詩人の人生なんてろくでもない』青野 聰訳)
数えきれない詩を書いているんだよ。
(フィッツ=ジェイムズ・オブライエン『手から口へ』大瀧啓裕訳)
書くことによって時間を現実のものとする
(グレゴリイ・ベンフォード『ミー/デイズ』大野万紀訳)
場所を
(デイヴィッド・ブリン『有意水準の石』中原尚哉訳)
出来事を
(マイクル・スワンウィック『大潮の道』14、小川 隆訳)
自分の感情を
(ゴア・ヴィダール『マイラ』30、永井 淳訳)
意識が連続性を保とうとするのは自然なことよ。
(ケン・マクラウド『ニュートンズ・ウェイク』B面12、嶋田洋一訳)
どんな人間の言葉も真実ではない。
(ペール・ラーゲルクヴィスト『星空の下で』山室 静訳)
ぼくだってどこに真実があるかなんて知っちゃいないさ。
(コルターサル『石蹴り遊び』41、土岐恒二訳)
そも人間の愛にそれほど真実がこもっているのだろうか。
(エミリ・ブロンテ『いざ、ともに歩もう』松村達雄訳)
言葉は虚偽だ。
(ヴァージニア・ウルフ『波』鈴木幸夫訳)
詩は優雅で空虚な欺瞞だった。
(ルーシャス・シェパード『緑の瞳』4、友枝康子訳)
で、
(ジョン・ヴァーリイ『ブルー・シャンペン』浅倉久志訳)
なんの夢を見てたの?
(ナンシー・クレス『プロバビリティ・ムーン』30、金子 司訳)
幸福な歳月は失われた歳月である、
(プルースト『失われた時を求めて』第七篇・見出された時、井上究一郎訳)
本当の楽園とは失われた楽園にほかならないからだ。
(プルースト『失われた時を求めて』第七篇・見出された時、鈴木道彦訳)
愛の訪れは、こうまで長い年月を待たねばならぬものか。
(ウィリアム・ピーター・ブラッティ『エクソシスト』II・1、宇野利泰訳)
すべては失われたものの中にある。
(アンナ・カヴァン『失われたものの間で』千葉 薫訳)
すべてが記憶されていたのか?
(グレッグ・ベア『女王天使』下・第二部・54、酒井昭伸訳)
記憶はあらゆる場所にある。
(ウィリアム・ギブスン原案・テリー・ビッスン作『J・M』8、嶋田洋一訳)
時と場所も、失われたもののひとつだ。
(アンナ・カヴァン『失われたものの間で』千葉 薫訳)
思い出された事実には重要なことなど何もない、大切なのは思い出すという行為それ自体なのだ。
(シオドア・スタージョン『ヴィーナス・プラスX』大久保 譲訳)
で、彼を愛してた?
(ジョン・ヴァーリイ『ブルー・シャンペン』浅倉久志訳)
幸せだったのだろうか?
(サバト『英雄たちと墓』第I部・20、安藤哲行訳)
信行のことを思った。
(志賀直哉『暗夜行路』第一・二)
夢のひとつさ。
(アダム=トロイ・カストロ&ジェリイ・オルション『ワイオミング生まれの宇宙飛行士』浅倉久志訳)
思い出の恋ほどすばらしいものもない
(アルジス・バドリス『アメリカ鉄仮面』第九章、仁賀克雄訳)
今でもきみのことを夢に見るよ。
(ルーシャス・シェパード『竜のグリオールに絵を描いた男』3、内田昌之訳)
幸せな苦痛だった、いまでもそうだ、
(シェリー『鎖を解かれたプロメテウス』第三幕・第四場、石川重俊訳)
忘れたことなんかないさ。
(ジェイムズ・P・ブレイロック『リバイアサン』第三部・16、友枝康子訳)
この苦しみは、いったいいつまで続くのか?
(アンナ・カヴァン『召喚』山田和子訳)
夢で
(ジーン・ウルフ『拷問者の影』22、岡部宏之訳)
きみはまた、ぼくに会うことになる
(ジェイムズ・P・ブレイロック『ホムンクルス』4、友枝康子訳)
潜在意識の定義は、きみの一部分が、意識的思考の意志作用なしに決定をくだすことにある。
(ジョン・ヴァーリイ『スチール・ビーチ』下・第二部・16、矢野 徹訳)
韻律とは何か?
(ディラン・トマス『黄昏の明かりに祭壇のごとく』IV、松田幸雄訳)
きみは韻をふんでいる。言葉が韻をふむというのがどういうことかわかっているかい?
(トマス・M・ディッシュ『M・D』上・第一部・12、松本剛史訳)
リズムはわれわれのあらゆる創造の泉である。
(パス『弓と竪琴』詩・リズム、牛島信明訳)
運動は一切の生命の源である。
(『レオナルド・ダ・ヴィンチの手記』「繪の本」から、杉浦明平訳)
くりかえすことによって、ある種の真実を作り出せる
(フランク・ハーバート『デューン 砂漠の神皇帝』第1巻、矢野 徹訳)
詩行の響きが意味と重なる
(ヴァージニア・ウルフ『灯台へ』第一部・6、御輿哲也訳)
シラブルの一つ一つが鼓動だった。
(ルーシャス・シェパード『ジャガー・ハンター』小川 隆訳)
経験や行為は場面や戦慄となって表現されるのである。
(オリバー・サックス『妻を帽子とまちがえた男』第三部・15、高見幸郎・金沢泰子訳)
しかし、セックスでないとすれば、いったいなんのことをいってるんだろう?
(デイヴィッド・ブリン『キルン・ピープル』下・第三部・49、酒井昭伸訳)
おもしろいものを見せてあげようか?
(ジョン・ヴァーリイ『ブルー・シャンペン』浅倉久志訳)
ちんこかい?
(バルガス=リョサ『子犬たち』I、鈴木恵子訳)
触っちゃだめよ、見るだけ。
(P・D・ジェイムズ『罪なき血』第二部・5、青木久恵訳)
オマンコしたいの?
(レイ・ガートン『ライヴ・ガールズ』9、風間賢二訳)
さわったら、殺すわよ
(フランク・ハーバート『デューン 砂漠の神皇帝』第2巻、矢野 徹訳)
なぜ、こんなことになっちゃったのかな?
(ジョー・ホールドマン『終りなき戦い』マンデラ二等兵、風見 潤訳)
ぼくはね、とりつかれているんだ。なにかにとりつかれているみたいだよ
(H・G・ウェルズ『くぐり戸の中』浜野 輝訳)
セックスは好きかい?
(ルーシャス・シェパード『戦時生活』第二部・8、小川 隆訳)
セックスはつねに尽きることなく、少しも飽きることがない。
(トマス・M・ディッシュ『歌の翼に』9、友枝康子訳)
この一瞬一瞬のよろこび
(リチャード・マシスン『縮みゆく人間』12、吉田誠一訳)
あらゆる瞬間が幻覚(ヴイジヨン)だ
(フランク・ハーバート『デューン 砂丘の子供たち』第3巻、矢野 徹訳)
楽しんだかい?
(ノーマン・スピンラッド『はざまの世界』9、久保智洋訳)
人間が真実の相において愛することができるのは、自分自身なのであり
(三島由紀夫『告白するなかれ』)
愛とはそれを媒体としてごくたまに自分自身を享受することのできる一つの感情にすぎない。
(E・M・フォースター『モーリス』第四部・44、片岡しのぶ訳)
真の原動力とは、快楽なのだよ
(デイヴィッド・ブリン『キルン・ピープル』下・第三部・50、酒井昭伸訳)
事物を離れて観念はない
(ウィリアム・カーロス・ウィリアムズ『パターソン』第一巻・巨人の輪郭・I、沢崎順之助訳)
重要なのは経験だ。
(ミシェル・ジュリ『不安定な時間』鈴木 晶訳)
経験は避けるのが困難なものである。
(フィリップ・ホセ・ファーマー『飛翔せよ、遙かなる空へ』上・15、岡部宏之訳)
人生のあらゆる瞬間はかならずなにかを物語っている、
(ジェイムズ・エルロイ『キラー・オン・ザ・ロード』四・16、小林宏明訳)
すべての経験はわたしという存在の一部になるのだから
(ジーン・ウルフ『拷問者の影』 11、岡部宏之訳)
新しさというものは、過去の残(ざん)滓(し)からだけしか組み立てることができないのである。
(J・G・バラード『燃える世界』第二部・8、中村保男訳)
あらゆるものがあらゆるものとともにある
(ホルヘ・ギリェン『ローマの猫』荒井正道訳)
言葉同士がぶつかり、くっつきあう。
(ルーディ・ラッカー『ホワイト・ライト』第四部・22、黒丸 尚訳)
新しい関係のひとつひとつが新しい言葉だ。
(エマソン『詩人』酒本雅之訳)
レサマは「覚えておくんだよ、わたしたちは言葉によってしか救われないってこと。書くんだ。」とぼくに言った。
(レイナルド・アレナス『夜になるまえに』通りで、安藤哲行訳)
われわれのかかわりを持つものすべてが、すべてわれわれに向かって道を説く。
(エマソン『自然』五、酒本雅之訳)
あらゆるものが、たとえどんなにつまらないものであろうと、あらゆるものへの入口だ。
(マイケル・マーシャル・スミス『ワン・オヴ・アス』第3部・20、嶋田洋一訳)
思考はあらゆるものを、利用可能なものに変える。
(エマソン『詩人』酒本雅之訳)
運命とは偶然に他ならないのではないか?
(フィリップ・ホセ・ファーマー『飛翔せよ、遙かなる空へ』下・48、岡部宏之訳)
だれもが自分は自由だと思っとるかもしれん。しかし、だれの人生も、たまたま知りあった人たち、
(コードウェイナー・スミス『ノーストリリア』浅倉久志訳)
たまたま居合わせた場所、たまたまでくわした仕事や趣味で作りあげられていく。
(コードウェイナー・スミス『ノーストリリア』浅倉久志訳)
すべては同じようにはかなく移ろいやすいものだ。少なくともそのために、束の間のものを普遍化するために書く。
(サバト『英雄たちと墓』第II部・四、安藤哲行訳)
たぶん、それは愛。
(サバト『英雄たちと墓』第II部・四、安藤哲行訳)
ぼくにとってこれが人生のすべてだった。
(グレッグ・イーガン『ディアスポラ』第三部・8、山岸 真訳)
人間であることは、たいへんむずかしい
(サルトル『嘔吐』白井浩司訳)
人間であることはじつに困難だよ、
(マルロー『希望』第二編・第一部・7、小松 清訳)
もしかすると、きみがこうしていることが、この宇宙に実質と生命力を与えているのかもしれない。
(バリー・N・マルツバーグ『ローマという名の島宇宙』10、浅倉久志訳)
ことによると、きみが(、、、)宇宙なのかもしれない。
(バリー・N・マルツバーグ『ローマという名の島宇宙』10、浅倉久志訳)
「困難なことが魅力的なのは」とチョークは言った。「それが世界の意味をがらりと変えてしまうからだよ」
(ロバート・シルヴァーバーグ『いばらの旅路』1、三田村 裕訳)
きみの苦しみが宇宙に目的を与えているのかもしれないよ
(バリー・N・マルツバーグ『ローマという名の島宇宙』10、浅倉久志訳)
心のなかに起っているものをめったに知ることはできない
(ノーマン・メイラー『鹿の園』第三部・10、山西英一訳)
ある場所、ある時間、ある不思議な類似性、ある錯誤、なんらかの偶然を介して、最も異質なもの同士が遭遇する。
(ノヴァーリス『断章と研究 1799-1800』[559]、今泉文子訳)
あなたの潜在意識よ、ミューシャ! なにかの記憶だったのよ!
(ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア『最後の午後に』浅倉久志訳)
すべての真の詩、すべての真の芸術の起源は無意識にある。
(コリン・ウィルソン『ユング』4、安田一郎訳)
そしてこれから、それらが新鮮で、活気があり、「驚嘆」すべき性質をもっていることが説明される。
(コリン・ウィルソン『ユング』4、安田一郎訳)
詩というのは
(J・L・ボルヘス『月』鼓 直訳)
無意識世界の無意識の象徴だ
(J・G・バラード『地球帰還の問題』永井 淳訳)
隠れている背後の自己のほうがもっと驚かす
(エミリ・ディキンスン『作品六七〇番』新倉俊一訳)
驚きあってこその人生ではないか。
(デイヴィッド・ブリン『スタータイド・ライジング』上・第三部・32、酒井昭伸訳)
きみの中で眠っていたもの、潜んでいたもののすべてが現われるのだよ。
(フィリップ・K・ディック『銀河の壺直し』5、汀 一弘訳)
意識的に受け入れたわけでもないつながりを、自分自身の中にもってるからなのよ
(フエンテス『脱皮』第二部、内田吉彦訳)
芸術は意識と無意識の結婚なのだ。
(ジャン・コクトー『ライターズ・アット・ワーク』より、村岡和子訳)
ああ、意味と無意味が入り混じっている!
(シェイクスピア『リア王』第四幕・第六場、野島秀勝訳)
このすべてに、どんな意味があるのだろう?
(フィリップ・ホセ・ファーマー『飛翔せよ、遙かなる空へ』下・47、岡部宏之訳)
コーヒーのことを、すっかり忘れていた。
(クリフォード・D・シマック『中継ステーション』19、船戸牧子訳)
もっとコーヒーを飲むかい?
(フィリップ・K・ディック&ロジャー・ゼラズニイ『怒りの神』17、仁賀克雄訳)
名前は何といったっけ?
(フィリップ・ホセ・ファーマー『わが夢のリバーボート』6、岡部宏之訳)
なんて名前だったっけ?
(テリー・ビッスン『赤い惑星への航海』第一部・1、中村 融訳)
名前なんかどうでもいい
(シオドア・スタージョン『コスミック・レイプ』6、鈴木 晶訳)
名前なんてのは、忘れられるものだ。
(ニールス・スティーヴンスン『スノウ・クラッシュ』上・23、日暮雅通訳)
なぜ名前をもっていなくちゃいけないと思うのだね?
(ダグラス・アダムズ『宇宙の果てのレストラン』29、風見 潤訳)
名前は
(フィリップ・ホセ・ファーマー『デイワールド』35、大西 憲訳)
名前は忘れてしまったけれど
(ガルシア=マルケス『族長の秋』鼓 直訳)
名前のない体験のなり止(や)まぬのはなぜだらう
(伊東静雄『田舎道』)
名前っていったい何なのか?
(シェイクスピア『ロミオとジューリエット』第二幕・第二場、平井正穂訳)
その名が何を意味するか
(トマス・アクィナス『神学大全』第一部・第二問・第二項、山田 晶訳)
いくつもの名前が
(レイ・ブラッドベリ『浅黒い顔、金色の目』一ノ瀬直二訳)
顔になる。
(アーサー・ポージズ『ビーグルの鼻』吉田誠一訳)
幾百もの顔。
(ウィリアム・ギブスン『ニューロマンサー』第一部・2、黒丸 尚訳)
無数の名前
(イタロ・カルヴィーノ『見えない都市』I 都市と記号1、米川良夫訳)
どれもが千の顔のひとつであり、二度と見ることはない。
(サミュエル・R・ディレイニー『アインシュタイン交点』伊藤典夫訳)
花は愛だったのに……
(J・ティプトリー・ジュニア『故郷へ歩いた男』伊藤典夫訳)
花から花へ
(テニスン『イン・メモリアム』22、入江直祐訳)
人間の約束
(フィリス・ゴットリーブ『オー・マスター・キャリバン!』9、藤井かよ訳)
それは夢で
(ストルガツキー兄弟『神様はつらい』4、太田多耕訳)
それは夢で
(ストルガツキー兄弟『神様はつらい』4、太田多耕訳)
花はなかったし
(紫 式部『源氏物語』東屋、与謝野晶子訳)
バスもなかった。
(P・D・ジェイムズ『黒い塔』7・2、小泉喜美子訳)
何もない。
(アイザック・アシモフ『ミクロの決死圏』1、高橋泰邦訳)
決してあったことのない記憶、頭の外にはなかったものだ。
(ハリイ・ハリスン『ステンレス・スチール・ラット諸君を求む』12、那岐 大訳)
恋愛なんて取るに足らない行為ですよ。際限なく繰り返すことができるんですからね。
(アルフレッド・ジャリ『超男性』I、澁澤龍彦訳)
風景はなぜ立止つてくれないのだらう。
(金子光春『わが生に与ふ』四)
バスはゆっくりと走り去っていった。
(ウォルター・M・ミラー・ジュニア『帰郷』深町真理子訳)
いつの日か、わたしたちはみな、いまはただの夢でしかないものになるだろう。
(ゼナ・ヘンダースン『果しなき旅路』荒野、深町真理子訳)
夢は現われるべくしてあらわれ、人間は現われた一つの夢だ。
(D・H・ロレンス『翼ある蛇』上巻・11、宮西豊逸訳)
人生というものは閃光の上に築かなければならないものだということを僕は知っていた。
(ガデンヌ『スヘヴェニンゲンの浜辺』9、菅野昭正訳)
偽りを許さない何か
(ロバート・F・ヤング『魔法の窓』伊藤典夫訳)
あの何か間違ってはいないものの響き、ずっと昔に起こった何かの経験、正しく光り輝くものであったことの?
(オラフ・ステープルドン『オッド・ジョン』10、矢野 徹訳)
人生は土壇場でできている。
(ミシェル・トゥルニエ『メテオール(気象)』第四章、榊原晃三・南條郁子訳)
人生は一瞬一瞬が崖っぷちなんだからね、
(ロバート・ルイス・スティーヴンソン『マークハイム』龍口直太郎訳)
それらが置き換えられる
(ジョン・クロウリー『リトル、ビッグ』I・〔1〕・III、鈴木克昌訳)
閉じた宇宙では、すでにあるものを並べなおすことしかできない。
(グレッグ・イーガン『プランク・ダイブ』山岸 真訳)
すると、これさえも新しい経験ではないのだ。
(グレゴリイ・ベンフォード『光の潮流』下・エピローグ、山高 昭訳)
われわれは、しばしこの世にとどまり、しかしてのち去る。
(ロバート・シルヴァーバーグ『我ら死者とともに生まれる』4、佐藤高子訳)
ここにもまた一つの思い出がある。
(ネルヴァル『火の娘たち』シルヴィ・七、入沢康夫訳)
それは君自身の記憶かね?
(アリアードナ・グロモワ『自己との決闘』草柳種雄訳)
ほかになにがあると思ってるんだい?
(ブライアン・オールディス『子供の消えた惑星』2、深町真理子訳)
思い出の恋ほどすばらしいものもない
(アルジス・バドリス『アメリカ鉄仮面』第九章、仁賀克雄訳)
あれもまた、夢だったのだろうか。
(ダン・シモンズ『ハイペリオンの没落』上・第一部・14、酒井昭伸訳)
人は人を愛するというのではなく、むしろ、人が愛するのは夢で、
(シオドア・スタージョン『火星人と脳なし』霜島義明訳)
その夢に近い相手に出会う幸運な者もいる、というのが真実ではないのだろうか。
(シオドア・スタージョン『火星人と脳なし』霜島義明訳)
同時にあらゆる場所に存在する
(フランク・ハーバート『デューン 砂丘の子供たち』第2巻、矢野 徹訳)
もうひとつの昨日にいるのかもしれない。
(ジェラルド・カーシュ『ブライトンの怪物』吉村満美子訳)
同じ夢を見ていたのだろうか?
(イタロ・ズヴェーヴォ『トリエステの謝肉祭』8、堤 康徳訳)
夢を見ているんだろうな。きみと同じだ。ほら、愛しい人。
(シェリー・プリースト『ボーンシェイカー』26、市田 泉訳)
この夢から醒めることは、またこの夢のなかにとびこむことだ、
(シオドア・スタージョン『コスミック・レイプ』19、鈴木 晶訳)
過去もそうだったし、今もそうだ。
(P・D・ジェイムズ『死の味』第五部・7、青木久恵訳)
夢はいつまでもつきまとう。
(シオドア・スタージョン『火星人と脳なし』霜島義明訳)
いつまでも、いつまでも、いつまでも、
(シェイクスピア『リア王』第五幕・第三場、斎藤 勇訳)
ぼくが夢に見るからだ
(ダン・シモンズ『ハイペリオンの没落』上・第一部・6、酒井昭伸訳)
現実を
(ハンス・エゴン・ホルトゥーゼン『詩についての試み』生野幸吉訳)
夢が
(イアン・ワトスン&ロベルト・グロリア『彼らの生涯の最愛の時』大森 望訳)
夢みているのだ、
(ギュンター・グラス『ブリキの太鼓』第一部・いかだの下、高本研一訳)
事物を
(ウィリアム・カーロス・ウィリアムズ『パターソン』第一巻・巨人の輪郭・I、沢崎順之助訳)
他者を
(フランク・ハーバート『デューン 砂漠の神皇帝』第3巻、矢野 徹訳)
ぼくのことを
(フエンテス『脱皮』内田吉彦訳)
夢はかなうのよ。
(デニス・ダンヴァーズ『天界を翔ける夢』13、川副智子訳)
夢が現実をつくるんじゃないかい?
(イアン・ワトスン&ロベルト・グロリア『彼らの生涯の最愛の時』大森 望訳)
逆もまた真なりよ。
(シェリー・プリースト『ボーンシェイカー』1、市田 泉訳)
夢じゃない。
(ウィリアム・バートン『サターン時代』中村 融訳)
それは夢ではなかったのだよ
(ストルガツキー兄弟『神様はつらい』4、太田多耕訳)
そして、ぼくは? ぼくは
(ロジャー・ゼラズニイ『混沌の迷宮』10、岡部宏之訳)
あらゆる夢を覚えている。
(ジーン・ウルフ『拷問者の影』4、岡部宏之訳)
夢のなかの夢
(J・L・ボルヘス『グアヤキル』鼓 直訳)
記憶の記憶の記憶。
(オースン・スコット・カード『神の熱い眠り』2、大森 望訳)
偽装の中の偽装の中の偽装の中の偽装……
(フランク・ハーバート『デューン 砂丘の子供たち』第2巻、矢野 徹訳)
人間よ、この行きて帰らぬ忘却よ
(アドリアン・ロゴス『確率神の祭壇』(住谷春也訳)に引用されていたイオン・バルブの言葉)
枝にかへらぬ花々よ。
(金子光春『わが生に与ふ』二)
濡れた黒い枝の先の花びらなどなし
(ジャック・ウォマック『ヒーザーン』7、黒丸 尚訳)
濡れた黒い枝の先の花びらなどなし
(ジャック・ウォマック『ヒーザーン』7、黒丸 尚訳)
静かな氾濫をこえて―四つの断章
1
逆光の眼に飛んでくる鳥を
白い壁のなかに閉じ込めて
朝食は きょうも新しい家族を創造した
晴れた日は 穏やかな口元をしているので
なみなみと注がれた貯水池を
空一杯に広げている
流れる眼差しを追いかけて
わたしは カレンダーに横たわる遊歩道を歩く
見慣れた紫陽花のうえで
ひとりの女性の生い立ちを絞殺しながら
やさしい言葉は 空を飛ぶこともあるのだと
独り言を飲みこんで
その香りあがる手土産を 母に自慢げに話した
少しやつれた母は わたしのために 一人の青年を
碧い海に旅出させた 美しい船の話をしたが
このひかりを聴いたのは 何度目だろう
母は子供のように笑っている
眩しい食卓 五つの白い曲線の声
溢れて
遠い記憶の片隅から 搾り出した破片
その草々のなかで 溺れている影を
抱きしめると
空白の砂丘を埋めて 驟雨に霞む橋梁が動く
見上げれば 鳥は見えない
灌木の春が裂けて
汗ばんだ夕暮れ
誰もいない部屋の静物が 起き上がると
退屈だったひかりは 度々 そつなく計算をして
わたしの置き場を支えるのだ
2
雨に濡れた寒々とした少女が
絵本のような眼で わたしを見ている
傘では 精神病棟の原色の色紙を
切り分けることができないのだろうか
後姿が わたしの神話のなかに溶けてゆく
仄暗い夢のなかの
古いピアノの置かれた部屋で
透きとおる唇が 翔ることがある
水底の澄んだ落ち着きを
少女は あの音階の上にだけはみせる
人形のように 瞬きもしない わたしの眼のなかで
少女が 手紙を書いている
夥しい追伸の記憶
そんなとき 遠い日の彼岸花が いま
燃えるように咲いている
3
思い出したことがある
眼が眩むデザインのイルカが 空を飛んでいる
それに 目線を合せず 眺めることが
臆病者と陰口をたたかれる時代があった
熱狂は コンピューターゲームのように
多様な遊び方の説明書が付いている
「ゲームにより 操作方法が異なります」
象が墓場を目指す歩みをなぞって
あるいは 胸のなかで気取ったポーズをして
わたしは 孤独な書架にもぐり
うすい色の心臓の鼓動を聞いていたが
深い海を泳いでいる魚のように
顔は 黒い円を掬ぼうとしていたと思う
そこで 手に付いた取れない血を 洗っている君も
そうだっただろう
あの夕立の頃は
血を探すのに 懸命だった
わたしも 君も 街角にこまめに足跡を付けている
犬も 猫も からすも
4
月が 聡明なひかりを向けているときは
到着駅の ひとつ手前の駅で
死者の笑い声を聞いて
ともに笑いながら オフ会をしよう
死者の家の間取りには 砂の数ほどの席がある
あの なつかしい歌声も
歪なざわめきも
みんな わたしの空だ
お化けになりたい女の子のはなし
お化けになりたい女の子は、いつかお化けになれることを信じている。そのうち消えると思っている右足と左足を切なく見つめて、君たちのことは忘れないからね、などと言ったりする。その割に、オリンピックよりパラリンピックに興味があって、車いすバスケットボールの試合を見ては、感動して泣いたりしている。僕がいじわるで、君の右足と左足をあげたらいいんじゃないかな、などと言うと、50m走なんか10秒もかかってしまうから、人にあげるシロモノではないし、むしろ世界中から見放された足なのよ、と言う。そうしてまた、それぞれの両足を切なく見つめて、ため息をつくのだった。そのため息がいつか雲になって、しっかりとした形になって人が乗れるくらいの大きさになったら、いつか君を見放したはずの世界中を、今度は君がその雲に乗って旅行するんだろう。君が望んでいるのは、お化けになることじゃなくて、きっとそういうことなんだろう?
※
お化けになりたい女の子は、早く大人になりたいと思っている。金曜日の夕方ドラえもんを見ながら、若い子なんて未来に置いてきて自分だけ勝手に年をとりたい、他の人より速いスピードで年をとる道具を出してくれないのかなあ、などとワガママを言ったりする。そのくせ僕が録りためていた映画を早送りで見ていたりすると、その時間の使い方は何もかも損している、と怒ったりする。燃えている家の前で金髪の女優の笑う演技が、この映画の中で一番の見どころなのよと言って、そのシーンまで巻き戻しをしたりする。不吉なその表情の何が良いのかが分からなかったが、それを見てる君の横顔はお化けというよりも、ふつうの女の子にしか見えなかった。君は不幸とか不吉とか、そういうものをいちいち確認する癖がある。つまりそれって、何よりも幸せな女の子を意味するということを、君は一体いつ気がつくのだろう。
※
お化けになりたいということと、死にたいということはイコールじゃないって君は言う。僕はそれがどっちかなんて、はっきり言ってどうでもいいと思っている。例えば、夜に君が目を閉じて開けるまでの間に、世の中で何が起きていたのかなんて知らなくていいし、脱法ハーブはどんな味がするとか、溺死した死体がどんな状態になってしまうとか、アルツハイマー型認知症になった母親がどこをどう徘徊するとか、浮気相手の性器に父親がどんな顔で自分のそれを出し入れしているかとか、君はいちいち真面目だからそういうことをちゃんと知ろうとするだろう。それを知らないでいるという選択肢があるということ、そして知らなくていい権利があるといことを、ちゃんとわかっていてほしいんだ。だって君は死にたいんじゃなくて、ただ単にお化けになりたいんだろう?そうしたらもう考えるのをやめて、早くお風呂に入って眠るといい。そうしたら、君は夢の中でお化けになれるかもしれない。
※
お化けになりたい女の子は、本当はお化けになんかなれないことを知っている。騙し騙しやって積み上げてきた自分というものに、お化けになれない女の子がふとした瞬間とり憑いて、君は不安でいっぱいの表情になる。そうして、いろいろなことを少しずつやめていっていいかなあと言って、君は泣き出す。きのう見た映画の女優ばりの演技だったけれど、君は君が望んでる早送りも巻き戻しもできない場所で生活をしているんだよ。いくら君が真面目な生活に疲れ果てて、仕事をずる休みして昼夜逆転の毎日を送ったとしても、世界は君が死ぬまで絶対に見放さないし、しっかりとした形の雲は君を乗せることなく土砂降りの雨を降らせるだろう。そんなときは、雨が上がったころに夜空を見つめて、自分の星座がその空のどこらへんに輝いているのか確かめればいい。そうしているうちにだんだん眠くなってきて、結局君は自分の星座を見つけられずに、夢も見ないで眠ってしまうんだろう。それはそれでいいと思う。そうして目が覚める頃にはまた、お化けになりたい女の子にきっと戻っているのだから。
包まれる夏の風景
暑い夏だと 手がひとりでに動く
発せられなかった声も 潮風の涙腺にとけて
装飾のための深い窪みまで
透き間なく枯れている 古い桐箱に眠るフィルムを
年代物の映写機に備え付ける
暗室の煙たさは
カラカラと音を上げる回転のなかで
父のようななつかしさを
引きだして
わたしは 昼と夜とを
見慣れた岬の断崖の端から 前に進んだ
海風が背中を押しているので
波のようにフィルムの濁流を歩けている
カウントされる数字の後に
黄砂のような皮膜が 一面塗されて
ところどころ欠落した 白い燃えつきた時間のなかから
「カルフォルニアの鉱山の街」と書かれた
寂れた片田舎の西部風の木造家屋の行列がつづく
疲れている街路灯は 崩れるように破損しており
そこに 二羽のハトがとまっている
ふくよかな肉体をクローズアップされる
二羽のハト
こうして 銃弾の物語は 日常の枕元で
やわらかく誕生した
無造作な空白が並び
やや 時間を置いて
音の無いざわめきとともに
かすれて見える 男たちの汗まみれの服に
突き刺してある饒舌な銃口
死者の数だけ 鈍くひかっている
その男たちに寄り添いながら
地味な模様の着物を着た日本髪の娼婦が
星条旗と日章旗をもって 酒場に手をひく
その遥か上流から 一台の幌馬車が
明るい色らしき帽子を被った
若い女を乗せて 坂を流れるように降りてくる
悪路をゆれている眼は えいえんに開いたまま
いつまでも 白い闇を見ている
部厚く積み上げた
黄砂も 波のように あとにつづく
1925年9月11日、撮影の付記が
おぼろげに見える
・・・・・・・・・
夏を浴びた灯台のある岬で
わたしは、立てかけたカンパスに
遠い水平線までの わたしの心象をてらした
蝋燭のようなおちついた海を描いている
やがて 燃える日差しが
光度を増してくると
仕上げのために用意した 鋭利な赤色が
海の波のカーブを覆っていく
わたしが 一面を赤く塗りつぶそうとすると
あなたが 強く筆を取る手を握って
泣いて制するのだ
動かなくなった赤い筆をもつ手を眺めながら
今日も あわい織物のような一日が終わっていく
無防備な海鳥が 傍らで 翼をやすめる
一羽 また一羽と
赤く染まった手を洗いながら
わたしは 海鳥と いっしょに
夕陽に染まる 過去となった水平線を包んで
その彩りを 翼のなかに仕舞いこむ
古いフイルムも 黄砂も カンパスも
翼のなかにいる
交遊記
逆上がりができない子どもだった。公園のワカメみたいな苔が嫌いで日当たりの
いい場所ばかりを選んで遊んだ。砂場を掘って、限界まで掘りすすめて、無くし
たビー玉。スコップでアリの侵入口をふさぐ。要塞のようなゴンドラを四人がか
りで漕ぎだして、赤錆びた接合部の上げる悲鳴に不安をおぼえた。
道ばた。わずかにすすむ日のかげ。通りすがりに引きむしる草の根は固く、水場
をさがすカマキリが渇いた空き地を駆けまわる。資材置き場でガラクタを踏み越
え、重機とモルタルのあいだ、しずかに、鬼の追跡をやり過ごした。押し殺して
いる息の白さ。でも背中には汗がにじんでいて、きっともう春なのだろう。
(春が徒党をくんでやってくる)
グラウンドをめぐる木々も真新しさを装い、ランドセルは歩く背中より大きい。
チャイムがはきだす色とりどりの喚声の中に、泣きだす声や簀の子を打つ靴音も
聴こえる。遠目からであればなおさら、垂直にのびるフェンス。鳥が身体を休め
るように、木の実を摘んだり、かかった羽根を落としたり。
指をかけて弾く。的の一点に狙いをさだめて、力んだ。緩やかなボールは空中に
ぬけて、走りだす。息を切らしても足をとめず。身体は勝手に動いてくれるから、
知らないことも知っている、ふり。ひかりの帯がこんなにも下りてくる、晴れわ
たった空だった。成長に合わせて服を着て(やはり少しだけ大きい)。
遥か彼方に浮かぶ雲を
遥か彼方に浮かぶ雲を追いかけるように、私たちは成長していく草花となって、どこまでもゆく、ゆらりゆらりと揺らめきながらさざめく、日照りの明日にあのノエシスとノエマが鳴り出す美しさは愛だと確信して、そんな風に生きていたいのを誰が知っていようか、いや誰も知らない、それでいいのです。
太陽と月とリチウムイオン電池とその光沢とを見比べながら、駆け出すのですまだ見ぬ明日の愛の日のために、荷物はすっかり赤く染まって夕暮れの街に溶け込んでいく、という夢を見たという夢をと延々と繰り返しながら、穏やかな春のざわめきを信じているのです、未だに生をうごめくものと信じているから、待つのですその先にある確かな光を。
論理実証主義とパラドックスと永遠という名の永遠と、真実という名の真実に近づき過ぎたために発狂した日の夕暮れを、腹の中で抱えながら笑っているのですいつの日にかすべてが蒸発して、トートロジーしか残らなかった日の訪れを待ちわびて、私たちの師匠アラン・フィンガーは言いました、魂はその日ごとに違う色をしている! ならばどうすればいいのでしょうか、どうしようもなくどうしようもないのでしょうか。
雨が降り始め、散文は桜の花びらのように散っていきます花冷えという言葉が似合う空の中を私たちは駆け巡り天馬の降臨を待ち受け、やがて蹄の音が世界を踏破する中を散り散りになった枯れ葉を集めて綴りながら私たちは行くのですゆく果てのない道のりを師匠! 私たちに旅をさせてくださいこの途方もないざわめきの中をこの嵐の中をこの静寂というものの静寂を静けさが静かになった無の境地を私たちは行きたいのですお願いします、師匠様!
春の原因
(1) 鈴なりに実った赤ん坊たちが風にゆれてる、ひとつもぎ取って食べたら熟れたトマトの味がして、いつかが戯れの時になるならここでお終いです、赤ん坊はそう言うとわたしの胃袋におさまった、まぐわうために飛び散る花粉でしらむけしきにあちらもこちらも曖昧になって、どのくちが言うのか、求愛にふくまれる警報音には理不尽がよくにあうと思うのです。
(2) 朱鷺色の琥珀色の花が咲きみだれ這いずりまわる春ならば、河童に尻子玉を抜かれて死んだとしても不思議じゃない、肥大した敵意が恋心になったとしてもわらいばなしになるでしょう、そんな言いわけをこしらえて、藤喜多という男がいれば藤喜多という男と柳と言う男がいれば柳という男と、昼も夜も裸で遊んだ、なにも乾かさないような風の、なににもならないような行為の、折り返し地点、遊びつかれた手のひらをひろげればびっしりと、つぶれた草花がこびりついていて、どうしようもなく、かなえられない香りがした。
(3) 予習もしないままにふくらんでいく腹をかかえて暮らす日々は、通り過ぎていくものたちの表面をなでるだけなので、あちらこちらが不足している、いぜん食べた赤ん坊の味が胃袋からぎゃくりゅうして、いつかが戯れの時になるならここでお終いですと、どのくちが言うのか、藤喜多のいやらしい喉仏に触れたい、柳のすけべな耳たぶに齧りつきたい、朝も夜も、腹はふくふくとふくらみつづけるので、もう、わたしの体に余白なんて無いです、と言えば、母があなたから生まれてごめんなさいと言う、告げぐちはしないでください、春の手ごたえがなくなってしまいます。
(4) 落としてもすぐにはしぼまないということ、生まれてきた赤ん坊は誰にもにていないものだから、まず復習をしなければならなかった、つきつめると産毛におおわれている、突起した臍が泣くたびにふるえる、ことあるごとにねがいごとが切り詰められ、たちすくみ、赤ん坊の性別も名前もAでなければBであろうというふうに決めてしまった、どちらにしてもいつか訂正され、なかったことのようになる、そんな予感だけがたよりだから、ふきげんな風がふく両どなりにはいつも恋があって、老夫婦がわたしの赤ん坊を譲ってくれと言ってきたとき、迷うことなくその場で譲った、老夫婦は赤ん坊のしろい産着に付着した黄色い花粉をふりはらうと立ち去った、あとには朱鷺色のはなびらがちらちら舞い、きのうとおなじ空が浮かんでいた、痕跡は触れるまで無いも同然なのに、いっぽにほと歩みをすすめていると、ときどき事故のように触れてしまう、あれから12年が経ちましたこれが修復と言うならば春はもうお終いです、という差出人不明の手紙が届いたとき、このことは予感していたように思えたので、おどろくこともなければよろこびもなかった。
(5) もうすぐ、この季節も終わり、夏という孕むものが多すぎる季節がわたしを置き去りにして、過ぎ去っていく、はじめから、なにもなかったみたいに
アジェリッド(湧き水)
地獄門から見えるこわれた海のかなたに入学式は待っている。
蝶たちはずいぶん長い間待たされ、いっそのこと青虫に戻ろうか
などと背負ったキャベツに相談を持ちかける。
鳥山が立つ海の深層には大きな迷いが泳いでいる。
七回忌にはたくさんの友だちが集まり
七歳の誕生日を祝った。
その席であなたは厳かに言ったのだ。
「私は死んだとき産まれているの」
あなたの言葉は魚になって海の中へと泳いでいき
海の中にいた魚たちは驚いて言葉を喋るようになり
歩き出した干潟が乳幼児の顔した永遠になった。
街では
水曜日のネコが
三日の過去と
三日の未来とを従えて
アンニュイを転がしながらリモンチェッロを舐めていた。
過去と未来がぶつかって
激しく渦巻く今日というネコの墓場で
わたしたちは
空ろな骨を食べた。
ふくっ
。
゜
○
○
。
○
。
。
○
○
。
。
かすかな声がわたしたちの奥のずっとずっと深いところから ゆらゆら昇ってきた。
ぷくっ
ふくっ
。
゜
○
○
。
○
。
。
○
○
。
。
わたしたちはそれを体に含み たくさんの幼い言葉たちを宿した。
春の座標
、
都会から片田舎の町へ引っ越した十年ほど前のこと
車で通勤する途中に梅の花が見事に咲く家があった
その家がある通りは
片側に冬枯れした田畑が続き
もう片側は山の斜面になっていた
所々樹木が覆いかぶさるような道は
対向車とやっとすれ違える道幅で
いくつものカーブを抜けた先に
湖畔に面した県道があった
田圃の遥か向こうに見える湖面は
いつもまばゆいばかりの光が湛えられているように見えた
狭い道沿いの家々は山側の僅かな平坦地に点在し
どの家も古びてひっそりとしていた
梅が咲く家は日当たりの悪い山影に位置し
今にもモノクロームな景色に溶け込んでしまいそうだったが
よく見れば荒れているわけではなく
寧ろ整然とした佇まいから
人が住んでいることがわかった
梅の木は玄関が見える板塀に沿って植えられ庭へと続いた
庭には数十本の梅の木が植えられていたと思う
その紅白に咲いた花だけが
寂れた一帯に射す冬の日差しのようだった
急にそんなことを思い出したのは
立ち寄ったホームセンターで桃の苗木を買ったからだった
店の入り口付近のガーデニングコーナーには
開きはじめた蕾をつけた苗木が何本も入荷していて
透きとおるような純白の花をつけた一本が目に止まった
ラベルには寒白桃と書かれており
小さなポットの中で
生きるエネルギーに溢れるような苗木だった
その輝かしいほどの花を見た時に
不意にあの家の梅の花を思い出し
その家の主が梅の木を植えた理由を想像した
勝手な想像ではあったが
十年前には想像すらしなかったことだった
翌日、庭に苗木を植える時に
その想像は私自身のものとなっていた
来年も、再来年も咲く、
自分の背丈よりも大きく育ってゆく苗木を植える
いつか
鳥が訪ねて来るかも知れない、と
、
もう何年もあの道を通っていないのに
もう何年もあの道を走り続けているような気がする、
e・e・カミングス
父方の祖父と会ったのは3度だけ
いちばんめは産まれてすぐ
つぎは小学生
そしておしまいは20歳の夏
かれは酒乱だった
酔ってわたしも父を撲りつけ
父はいったもの──おれの親父にそっくりだ!
夜のハイウェイを山奥へといき
さみしい田舎にきた
なにもないところで朝を迎えた
祖父の死体は暑さからか
大口をひらき
薄目をあけていたっけ
わたしはロートレアモンとニーチェを読み
眼のまえで女の子の絵がでかでかと載ったライトノヴェルを読むでぶの従兄を軽蔑してた
しかしそれだっていまにすればどんぐりの背較べだ
どちらにしたって誉められたものじゃない
──息子さん、よく本を読むのね、うちのも読書が好きで。
伯母がいって母が返した
──ええ、じぶんでも書いてるんです。
しかし母がわたしの書いたものに興味をもったことなど1度もなかった
やがて出棺のときがきた
祖父の製材所はもうなくなってて
かれの後妻は人形みたいにうごかず
なにも話さない
表情もなく
パイプ椅子に坐ってた
祖父は昔し祖母を追いだした
わたしが9つのときにかの女は死んだ
葬式で泣いたのはあれがはじめてでおしまい
腹違いの伯父がきれいな妻と
そろいの服を着たふたりの娘とともにいた
われわれのなかでいちばん清潔で幸福そうにみえた
昔しかれにもらったプラモデルをおもいだし
それからまたうつくしいかれの妻をみた
店の1軒もない通りを歩き
やがて燃え尽きる祖父の
終の烟をコンクリートの長椅子から眺めた
ひとりだけ煙突のみえるそとにいたんだ
烟が午のなかに失せていくにまかせて
犯罪小説をわたしは考えながら
蓮の花托をみた
無数の眼が
わたしをみてた
夜になってまたもハイウェイを走った
父と母たちは悶着をやりあい
べつの道をいった
途上、コンビニエンス・ストアに寄った
コーヒーを買ってでていこうとしたとき店員の女たちがいっせいに笑いだした
わたしはいった──つまりあんたらはカミングスがお好きなわけですね!
またも車に乗って
父の憤慨に身をまかせた
母と姉妹がどうなったのかは知らない
ただわたしはカミングスが好きでもきらいでもなかった。
襟がゆれてる。
襟を掴みながら手も足もそして顔も
凍傷になりかけてた
おなじ道をいきつ戻りつ
たぶん躰を温めようとしたんだとおもう
公園のベンチにたどり着くと
ヘルメットをしたまんま横になった
しばらくすると関節のすべてがぎしぎしと音を発て
凍死の危機を報せてきた
だから起きあがって
また歩きだした
眼を伏せ
狙いを定め
北インターへと
そこにはかつてのアルバイト先があった
鎖を越えて駐輪場まで来ると
塵箱があった
そいつをあけて
ビニール袋をひっぱりあげる
そしてそいつを公園まで運んだ
なかみは野菜の切り屑と生肉の切り屑
必死に唇ちに押し込みながら
おもったものだ
どこにも帰れないと
まだ若い顔でうつろで──泣くようにして──喰った
そして袋をもとのところへもどし
また歩きだした
あてどなく
ガソリンも乏しいなかで
やがて朝は来た
なんとかなりそうとおもいながら
襟を掴んで凍った手で怺えた
もうじきなにものかが連れ去ってくるように感じながら
光りがかれをつつみ
ジョルノの坐席が少しづつ温かくなっていくのがわかった
みんなはどうしてるだろうか──かれはおもいだした
会いたいひとのいるのを
しかしいまではすり切れた22歳の夢でしかない
けっきょくは国道176号を宝塚のほうへむけて走り
白旗みたく襟をゆらして
字地の実家へと
山を登った
春を慈しむ
花冷えという言葉をぐちゃぐちゃに砕いて踏みにじってから一日は始まる。きみはどうだろう。遮光できない薄っぺらなカーテンみたいな霧雨の降るこの日に季節感の損なわれた厚着をしてくる人たち全部、腐って汚らしい色した花弁の下に埋めて踏みつけにして歩いていきたいとそう思ってるんだろ。
爪先の高さに地平線。ずっと変わらない夜明け色の街並みを眺め下ろす。向こうにある何だか知れないただ高いだけの建物へと一足で飛び移る。この上空ではいろんな人たちが墜落していく。大丈夫。空も地面もなくなってる。夜明けの空と街と血管みたいな道路と、同じ色を共有している全てが融け合っていく。彼らは何でもなかったみたいにしてもう一度自分の足で立つよ。空だった場所に。空じゃなくなった場所に。彼ら自身の上に、下に。
まだ自分が喋るべき言葉を探している最中の幼い女の子がきみの頬に触れる。そこはびしょびしょだったけれど女の子は驚いただけで触れた手を引っ込めることはしなかった。大人から見たらひどく拙くそれでも最も強く真っ直ぐな言葉で、高い建物の屋上から飛び降りようとしてる場合じゃないよと言いかけたところできみが寒さに凍えて温かさをせがむような目で女の子の唇を見つめていることに気がついたから、ぼくは初めてきみに手を触れた。手を手で軽く上から押さえるだけのコンタクトが交わされて女の子は消えてなくなった。目の前のか細い金網の柵がとても高く見える。三日ぶりの晴天に温められていきながら凍え続けている。
指の間から抜き取られた一本の煙草を奪い返す。麻雀牌は強く摘むなと教える。埃をかぶらないギターには決して触らせない。この季節には部屋の空気清浄機を毎日連続稼働する。一緒にいる時スマホは見ないでほしいとお願いする。一緒にいる時コンピュータの電源は入れない。映画を見る時はホラーでなくても電気を点ける。
だから、いきなりきみに頬を張られた時、やっぱりな、と思った。
ぼくはどうしても墜落することが怖くて耐えられない。花冷えの季節が終わろうとしている。葉桜が一番乗りを高らかに宣言したら人は新緑に追い抜かれる。光がそろそろ人間にとって毒になるくらい太く眩しくなってきた。若々しい梢に砕かれた光の粒子を吸い込んだ時自殺しようと思った。今なら凍えることはないだろうって思う。ほんとうに唇が欲しかったのはいつもぼくだった。きみはそのふりが上手かったからふりだって気付かなかった。きみの唇じゃなかった。あの時きみを制止しておいてよかった。お母さんと覚えたての言葉を叫ぶ女の子が何事もなく駆けていってよかった。
きみはいつもふりだったんだ。これからはぼくも全部ふりで通す。手始めにきみに手ひどく振られて絶望と失意の内に自殺するふりをしよう。
うどんの想像力
夢うつつというでもなく、ふと日ごろの疲れよりくる眠気に足をとられ、ほんの一瞬目を閉じれば最後、のっぴきならぬ結果を生むと云うものだ。毎朝毎朝、どこに行くともしれぬ通勤電車に体をねじこみ、右も左も沸き立つ人肉に囲まれもみくちにされるしまつ。さながら煮込み饂飩である。せっかく朝起きてしゃきっとした右と左の目玉が、ごったがえしの車内で茹であがってしまう。ぬるぬるになってしまう。ともすれば輪郭がゆるくなって、自分が饂飩のように、饂飩が他人のように思われてくる。人生はごろごろと混ざり合い溶けあいしまいには何ものもしっかりとした自分らしさを持てぬまま電車のすきまからするすると這い出し、そのままレールにこびりついて気づいたら平凡な饂飩のごとき一生涯を終えてしまっている、そんなことまで起こりうるかもしれないから怖い。かかる嘘のようなこともあり得るとすれば、たとえばふと眠気に意識を失ったかと思った次の瞬間、自分がたちまちたっぷりとしたぜい肉を蓄えた、一人のまっくろな牧師へと成り変わっていたとしても、別段に驚くことはないんじゃないかとさえ思う。そしてそれがたとえばわたしの身に降りかかったとしても驚くとかなんていうかそういう意外だなあとかいうふうには感じないんじゃないかなと思う。というかじっさい全然そういうふうに思わなかったというか、むしろ本当の自分を見つけて最高にハッピーな感じである。うわ、これだよこれ。ついに分かっちゃったよわたしは。ある日とつぜんに凡百の月給稼ぎから、凡百の信仰の徒となった、まごうことなき凡百の人間であるよわたしは。
凡百の権化であるよわたしは。
例えばこういう洞察を得ることがある。すなわち、百萬の饂飩たちがわたしの説教を待っており、それは火を見るより明らかであると。というのも風の立たぬところに火は起こらない。つまり、気づけば屋内にもかかわらず一筋の風が吹いている。それは饂飩粉の香りのする風である。しかしそれがどこから吹いた風かは知れない。それが本当にいわゆる風のごときものなのかもじつは一人の凡人の憶測に過ぎない。憶測というのは怖い。しかしともかくその吹いてくる方向にあらがって進んでみよう。ポジティヴに行こう。風は強いが、足取りは軽い。爪先も踵もひょうひょうと飛び跳ねている。一介の派遣社員とて、こんな出自不明のわけのわからぬ風に対してなら立派に仕事を成し遂げるというわけだ。
ふと目を覚ますと、戯れにあくびをする間もなく重たいベッドの掛布団はひっぺがされてしまうのだ。これはつらい。いやいやながら軸のないふらつく背中を二本の頼りない足によってぎりぎりに支え、さあ歩き始めるぞといざ意気込んだところ、肝心の体のほうはといえば、これがうんともすんとも言わぬのだから始末が悪い。それでも無理やりに全身を震わせて、はるか彼方、寝室の出口扉にとうとうしがみつき、手首をくるくると回して戸を開いた。そうしてようやく壇上に上がったかと思えば、もはや息も絶え絶え、説教どころの話ではないのだ。説教のできない牧師なんて、饂飩の吸えないサラリーマンのようなものだ。
生きていくこともできない。
しかも信者など一人もいないのだ。代わりに沈黙ばかりが部屋を埋め尽くして偉ぶっている。日ごろからその身を信仰の道に捧げ、何事も疑うことなく生きてきたというくせに、しまいにはこのていたらく。信者というのも今では流行に関わらざるをえぬというわけだ。よろしい。ともかくありようはこういうことなのだ。わたしはわたしで自分の仕事を全うするだけ。今の今までたまたまそこに信者がいたればこそ、一人空っぽの一室で声を上げずに済んだというもの、こうなれば腹をくくって事をなすのみである。あれこれの道具立てはもはや無用。こうしてある日、狂気の天井はサーカステントのように遠のくのだ。ときに教会の天井のどこかまったくの暗闇から垂れ下がって誘惑してくる白い紐に対して、できることといえばどうしたってただ一つ。それもまことに簡単な仕事。しっかりと首にそれを巻きつけ、のっぴきならぬ用向きに、それ相応の準備を整えるだけのことである。
わたしの白い頸。わたしの黒い頸。天の紐に導かれるようにして、ふらふらと所在ない二本の足を揺らしながら、上へ、上へと昇っていく。信者に見限られた今となって、この身が一寸ほどの球体間接人形へと変化してしまってもなんと文句がいえよう。こうした肉体の過激きわまる変容は、どうやら精神のほうにも少なからず影響を与えるらしい。ちっぽけな身体には、ちっぽけな昆虫なみの精神があれば用は足りるというわけだ。そして他愛もない人間には、やはり他愛もない神程度がおあつらえ向き。左様、わたし自身の顔立ちが今ではいつのまにか神(うどん)の子のそれそっくりとなっている。こうも目鼻立ちがそっくりとくると、よもや信者を失うということももはやこの先あるまい。あとはわたし自身の問題だ。しかし身体は大変に熱い。目がしらは溶け出してしまいそうに煮え立っている。天井の中央にある、あの白熱灯の熱波が、わたしの身体に巣くう毒をあぶり出そうと云うばかり、真面目な目玉をこちらに向けてぎろぎろとしている。まっしろにきれいな、大きな目玉だ。まるであのルドンの妄想した巨人キュクロプスの持つ一つ目だ。ということはやはり、あの目は恋に病んだ目だとでもいうのだろうか。それゆえに熱を帯びているとすれば納得もいくというものだ。もちろん少なくともあの巨大さは、わたしが一方的に小さくなってしまったゆえのこと。いわば嘘っぱちの巨大さ。ところがその嘘っぱちが、わたしにとってはどうしようもないほんとうなのだから困ったものだ。
はっはっは! 頸にかかったこの頼りない紐は、それでも遠慮なしに上昇を続けている。その紐の先で、くるくると身体をねじったり、あるいは両手両足を無意味に伸縮することくらいしかできないわたしは、さながら、神の垂らした疑似餌に食いついた哀れな重病患者のごとき有様である。もはやなすすべなど何もない。それは先刻承知のこと。しかしこんなわたしも一人の神の子なのである。凡人にはそうそう耐えかねるこの灼熱の明かりを背に受け、無用な叫びをあげることは少なくともありえない。どうしたって目前の運命を受け入れるしかない。そんなことは承知の上。これがしかし、あるいは何かその筋の指示によって巧妙にしくまれた謀略であったとしても結果は同じ。おお。あつい。あつい。背中が焼け野原のように無言の叫びをあげている。むろん私の口は、一文字を描いたまま微動だにしない。
あ。耳の穴から火が噴くことがあるとは! 人ひとりの人生というのはほんとうに奇妙だ。ほうれ、ほれ。わたしの背中はとうとう白熱灯にぴったりと重なりあってしまった。つまりはこういうことなのだ。いつのまにか煮込み饂飩たちの叫びが、わたしのはるかかなた下の、これもいつのまにやら忍び寄るように現れた黒い魚の口蓋のような穴ぼこのほうから、耳を弄さんばかりのごつごつとした怒号となって、うなぎ上りに上ってくる。そうか。そうか。これが終末論のなれの果て! ああ! こいつはうかうかとしていた。どうやらわたしはすっかりだまされていた。磔刑というものを、わたしは少しばかり勘違いしていたというわけだ!
脚立うどんにそっと足をかけた二名の子供うどんらによって、ゆっくりと自殺者うどんが下ろされてくる。子供うどんらは顔立ちがまるでそっくりで、はた目からは区別のつかないほどだ。この場合、とかく区別をつけないというのがむしろ実際の理うどんにかなっているといえよう。自殺者うどんの頸にかかったロープは、見ればまったくその役目を果たし終えようとしてくたびれていた。とどのつまり、根元のほうはすでに業火うどんによって頼りなげに黒焦げていたのだ。そして悲劇うどんが起きた。それはまことに突然のことであったが、あながち論理うどんは通っていたようにも思える。つまり天使のごとき二名の細腕うどんが、宙ぶらりの自殺者うどんの体を自らのもとへそっと包み込もうとした間際の、瞬間の出来事であった。何の予兆うどんもなく、白熱うどん灯からとたんに炎が上がると、まるで導火線うどんを伝わる火の子のよう、首吊りのロープうどんを経て、またたく間もなく燃え広がったかと思えば、すでに炎は自殺者一名と子供二名の全身をすっかりと包みこんでしまっていた。そうして三名の体うどんは渾然一体うどんとなって墜落うどんし、この一室うどんの、ニス塗りうどんをされて光沢うどんじみた床うどんの上うどんに、胴部うどんや腕足うどんのことごとくを失った奇妙うどんなシルエットうどんで、三名うどん一様うどんその体うどんをぐったりと寝かせたのであった
ここにいたってようやく目を覚まし首を振るとすぐさま背筋に妙な悪寒を感じたがそれはすぐに身のどこかしら果てへ果てへと沈んでいき代わりに臍から湧き上がってきたものといえばそれはまったくわたしの思案の範疇外より現れたとしか言いようのない恍惚のごとき突拍子もない饂飩であった。が、それもいまでは失くなった心のうちにかすかな残り香を濁すばかりでなんともさみしい。もはや何ものもどんな意味のあるものもすべてわからないということが判然としたときそこらじゅうにぶら下がっている輪っか状の吊皮や、かたちを持ったさまざまな饂飩たちの鋭い幸福の視線がきりきりとわたしの顔をまぶしく彫刻していくように思われた。
乗客の大きな顔が、それを眺めて笑っている。
小さな春のタチェット
気まぐれの嵐は
ときおり吹き荒れて
数え切れないほど
散り始める
桜の花びらが
舞い落ちて
ゆったりと流れる
どこかの運河の水面を
一斉に薄紅色に
染めるように
この春は過ぎ去ろう
としていて
ちょうど晴れわたった空ひとつ
いつかの住み慣れた部屋には
褐色の厚紙でできた搭がそびえたつ
引越しのダンボールの
荷造りは少しずつだけれど
たくさんの楽譜や
手作りのピエロの人形や
使い古されたフライパンやらも
少し残された
春の匂いにくるまれて
箱詰めにされている
ペールグリーンの
明るい色彩の扉の向こうへと
数多くの荷物が
いつのまにか
運ばれていく
広くなる住まいの
一部屋に
恋人の弾く
グランドピアノが
トラックに装着された
クレーンで搬入されている
散り逝く桜の花びらが
舞うように
今夜は春の終わりが
幻となっては
鍵盤から
澄んだ透き通る風の音が
紡がれている
明日は新緑に萌える
初夏の前奏曲を聴けるだろうか
そう郵便局への転居届けは
近所のポストへと
確かに投函されたはずで
旧住所宛ての
電気料金の明細書が
隣町のこの住まいへと届く
まるで
見知らぬ場所に
伴侶と旅立つ前夜の
穏やかな祈りみたいに
とても忙しい春の夜空には
いくつもの灯りが
静かに移ろいながら
点っている
先日までの家路が
記されていたはずの地図には
小さな春への遠い追憶が
そっと閉じ込められている
壁
かの女が何回飛んだなんて
だれも知りはしないんだ
けっきょくあのへんの空域がどうなってようと
朝食のまずさには変わりないんだからね
ほんといえばきみのことは好きじゃないし
発動機みたいなからだもいやな感じがしてる
だってこっちは生まれたての如雨露なんだもの
水なんかでやしないさ
きみが週にいくら飛んだってかの女にはなれやしないんだ
いくらでも何度でも壁にぶつかるといいよ
きみがこなごなになるころにはあのまずい朝食とはおさらばだから
出会うことがいつだっていいとはかぎらない
それはだれでも知ってることだろ?
撲りつけられた子供たちが
やがてだれかを撲りつけるんだってさ
やっぱりおなじことの反復でしかないんだもの
空飛ぶサーカスのように愉快になんかなれやしない
どっかでねじまがったものがいまになってだれかを蝕む
でもかの女は決してそうなりはしないんだ
壁をいつも飛び越えていつか
みんなのみえないところへ
飛んでいくからだ
ところで
バスの時間はいつ
それともここには来ない?
ヒヤシンスの特徴
高架下の漂流物だったあのころのわたしの夏はオレンジジュースを飲むたびに思い出される、するどい気泡がはじけると似合うものがひとつ減って、懐かしいともだちの夢を見る。
外傷はなく内側をはげしくうちつける雨が降り続けた7月の、街をあるく子供たちの赤や黄色のレインコートは鮮やかで、ランドセルはつるんと雨粒を受け付けない、こみあげてくる大量のかわいらしさに、いつも胃薬が手離せない。五センチメートルのつま先で水溜まりを蹴れば、アメンボが逃げていく、はじかれる、レインコートと傘で高まった匿名性、傘と傘とがぶつかって、よそみをした隙にポケットに入れられていた(わたしを愛して、)すべてが底辺を五百メートルとした三角形の中の出来事、出口は見るたびに小さくなっていくから、あなたとわたし、もう再会することはないでしょう。
ほら、傘をさした人々が駅の改札口へきえていく、ミニスカートをはいた女の人のふくらはぎも丸い尻も、きえて、そこにはにぶい喧騒の痕だけが残る。
駅から三十歩はなれたガラス張りの薬局で、試供品の口紅を手の甲に擦り付ける、なにを試みても蛍光灯のなかでは定まらない、外から迷い込んできた蛾が化粧品売り場を舞って、何もなかったみたいに力尽きるところ、そこがわたしたちの生活圏なんだった、化粧品のにおい、薬品のにおい、店内の時計を見ると、わたしみたいなのはやっぱり遅刻している。
十八歳のころ分厚い風俗情報紙のランジェリー姿の女と女のあいだに、適職を見つけて、足と足のあいだのちっこい宇宙、弾力のあるそれで報酬をもらった、それだけのこと、脱いだ服をたたむのが上手になって、柑橘類をよく食べるようになって、オレンジ、蜜柑、それからグレープフルーツを齧って、肌がきれいになったわね、と母に言われたのはおとといのこと。
生理用ナプキンとオレンジジュースを買って薬局を出ると雨はやんでいた。
その夏は高架下をテレビとか動物とか
たくさんの漂流物がながれていて
そのなかにわたしもいた、
当然のようにそれらは
えいえんにその夏を漂流しつづける
きっとそれだけのこと、体内に残留しているのは与えようのない求めるものばかり
絶えず唇を濡らした(わたしを、//して)