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作品 - 20140401_388_7383p

* 著作権は各著者に帰属します。無断転載禁止。


遥か彼方に浮かぶ雲を

  はかいし


遥か彼方に浮かぶ雲を追いかけるように、私たちは成長していく草花となって、どこまでもゆく、ゆらりゆらりと揺らめきながらさざめく、日照りの明日にあのノエシスとノエマが鳴り出す美しさは愛だと確信して、そんな風に生きていたいのを誰が知っていようか、いや誰も知らない、それでいいのです。

太陽と月とリチウムイオン電池とその光沢とを見比べながら、駆け出すのですまだ見ぬ明日の愛の日のために、荷物はすっかり赤く染まって夕暮れの街に溶け込んでいく、という夢を見たという夢をと延々と繰り返しながら、穏やかな春のざわめきを信じているのです、未だに生をうごめくものと信じているから、待つのですその先にある確かな光を。

論理実証主義とパラドックスと永遠という名の永遠と、真実という名の真実に近づき過ぎたために発狂した日の夕暮れを、腹の中で抱えながら笑っているのですいつの日にかすべてが蒸発して、トートロジーしか残らなかった日の訪れを待ちわびて、私たちの師匠アラン・フィンガーは言いました、魂はその日ごとに違う色をしている! ならばどうすればいいのでしょうか、どうしようもなくどうしようもないのでしょうか。

雨が降り始め、散文は桜の花びらのように散っていきます花冷えという言葉が似合う空の中を私たちは駆け巡り天馬の降臨を待ち受け、やがて蹄の音が世界を踏破する中を散り散りになった枯れ葉を集めて綴りながら私たちは行くのですゆく果てのない道のりを師匠! 私たちに旅をさせてくださいこの途方もないざわめきの中をこの嵐の中をこの静寂というものの静寂を静けさが静かになった無の境地を私たちは行きたいのですお願いします、師匠様!

文学極道

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